第二話:保護者の同意
メリーさんなる謎の少女からの着信から30分程すると、また着信があった。
(;ω;)
また顔文字かよ? 泣いてるのか?可愛いな!
チッと舌打ちしながら電話に出れば、
『もしもし、わたし、メリーさん』
さっきも聞いた、可愛らしい声。
今度の用事はなにかな?
まさか、ヤマモト電気に着けないで迷子とか?
『ヤマモト電気に行ったら、若い男の店員に、未成年の契約はご両親か保護者の方の同意が必要だと言われたの』
そりゃそうだ。
しかし、本当に店に行ったみたいな感じだな。
『わたしには、両親も保護者も居ないの』
おっと、急に重たい話になったぞ?
え? じゃあ前のパパって、亡くなった父親って意味だったのか? 不憫すぎるぞ……。
『その店員、ムカついたから円形脱毛症とイボ痔になる呪いを掛けておいたの』
地味に嫌な呪いだな……。
店員さんよ、メリーさんを怒らせたらダメだろ。
『仕方がないから、新しいパパを見付けてまた行くの』
……うん? ちょっと待て? なんか変な言葉が聞こえたぞ? 新しいパパ?
え? じゃあ、前のパパって、父親や保護者じゃなくて……。
『そろそろバッテリーがなくなるから、また掛けるの』
待て待て待て! まだ切るな!
がちゃ、つー、つー、つー。
あー……。
メリーさん、探して保護してやった方がいいんだろうか?
しかし、今はまだ仕事中……うーん。
結局、長電話をサボりと判断されて、ありがたくないお説教をもらう羽目になってしまった。
いや、確かに俺も悪いが。
人物紹介
・家電量販店の店員:若い男性。チャラい。
……備考:マニュアル対応でメリーさんを怒らせたことで、円形脱毛症とイボ痔になる呪いを掛けられた。現実に存在するか不明。