表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/11

第2話 木皐月智也はフラグを回収した……くない







「って、フラグか?」


「俺に限ってそんなことは絶対ない」


と言って、拓馬と大声をあげて笑った。

そんな俺たちを横目に、彩乃は難しそうな顔をしている。


「へー智也にそんなことが……これはもしや幼馴染のあたしに危機が訪れているのかしら……」


「彩乃、ぶつぶつなに話してんだよ」


「うっさい、バカ」


 へーい、あっしがわるーござんした。

 ぶつかった時、彼女から、彩乃とは違い、胸の感触がしっかりと伝わったのは秘密。


「……いったぁぁぁ! 彩乃、なにすんだよ!」


「え? 別に虫がいたから潰しただけ。気にしないで」


「チッ……」


 俺は不条理なシステムを組まれている幼馴染から目を逸らし、正面にいる転校生を見た。




「今日からこの斗西高校に通うことになりました霞ノ雪詩葉(かすみのゆきうたは)です。みなさん、よろしくお願いします」


 霞ノ雪詩葉……かすみのゆきうたは、って名前なのか。


 彼女が挨拶を終えると、クラス中に溢れんばかりの拍手が巻き起こる。

 男子の盛り上がり方っていったら尋常じゃない。


 霞ノ雪詩葉(かすみのゆきうたは)は、騒がしいクラスの中で、すでに地位を確立していた。

 醸し出すオーラが違うというか。


「それじゃあー席はどこがいいかー。じゃあ、あそこにいる少し目つきの悪くケツに風船がついている男の席の横にでも座ってくれー」

「はい」



 ちょっと待てい、俺のことこき下ろしすぎじゃないですか!?

 このタヌキじじいめ……覚えてろよ。

 しかも謎の呪詛の声がクラスから聞こえる。


「どうしてあいつの席の隣なんだ」


「よくよく考えれば、あの木皐月の周りに光明寺拓馬こうみょうじたくま様がいらっしゃるのね。穢らわしい存在ね、あの男」


 いや、俺は何も悪いことシテナイヨ?

 みんな、ひどすぎない?


「智也、気にすんなよ」


「た、拓馬……!」


「でも、お前は超絶鈍感野郎だから立ち位置考えろYO」


 親友の追撃を受けた俺は完全に撃沈した。

 光明寺拓馬こうみょうじたくまはいつからテンプレギザ野郎になったのだろうか。


「俺の味方はいないのかよ……」


 俺がひとり悶々としてうち伏せでいると、隣の席の椅子を引く音がした。


 ーーあの朝の時と同じ横顔、美しい。

 スラリとしているから、椅子に座った感じもすごく良い。


 そして、儚げな微笑みを讃えながら霞ノ雪詩葉(かすみのゆきうたは)は、こちらに向かって話しかけてきた。


「これからよろしくお願いします。朝、会いましたよね?」


「あ、あーそーいえばそんなことも……あはは」


「名前はなんとおっしゃいますか?」


「あ、俺? 木皐月智也きさつきともや


木皐月きさつきくん、あの時はありがとう」


「あ、ああ。そんな礼言われることなんてしてないし、ははは」


 あ、やべ、今俺すっげーデレデレしてんじゃない?


 俺はふと周りを見渡す。

 大丈夫、意外にも誰も俺とこの転校生の会話を気にしていないようだ。


 転校生と初っ端から会話を交わす、それも彼女はこれからクラスカーストトップ層に入ること間違いなしの美少女だからな。

 だが。

 あるまじきことに、大モブの俺は、眠気を誘う朝礼の最中、寝てしまった。


「伝えたいことがあるんだけど、寝てるし、これ置いときますね……」


 何か霞ノ雪詩葉(かすみのゆきうたは)が話しかけてきたようだったけど、俺は昨日夜遅くまでラノベを読んでいたので極度の眠気に襲われていたのだ。








最後までお読みいただき、ありがとうございます!


ブクマしてくださる→評価されてあき池が嬉しくなる→やる気が出る


そして、皆様に面白いストーリーをお読みしていただけるよう一層努力してまいります!


これからも応援のほど、よろしくお願いします!


面白いと思って頂けた方、ブクマの更新通知もオンにしていただき、ブクマ追加に広告の下の評価もしていただけたら本当に嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ