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地球真拳カミカゼ ~ま、まさか!?→そのまさかよ!!~  作者: 関 涼太郎
第二話 『敵は核弾頭!非道の米国正義!』
12/88

1 開会! 決勝地球ファイター入場!(後編)

 ズシン! ズシン!

 会場を揺らす超重量級の足音!


『皆様! なんということでしょう!

 恐るべき生物が入場であります!

 人語は理解できるのか!

 肉食恐竜最強!

 ジュラ紀代表、ティラノサウルス!』


 観客がワーワー!

 ――ジュラ紀代表ティラノサウルス!

 全長15メートル! 体重20トン!

 茶色の爬虫類的外皮! 巨大な口には無数の鋭い牙!

 身体に比べて小さい腕であるがその爪は万物を切り裂く!

 巨大なしっぽは大樹のごとし!

 獲物を仕留めるために最適進化した太古の最強生物である!


「アンギャー!」


 恐竜のごとき悪魔的咆哮!

 その悪魔的暴君の頭に貼りつくは――同じく太古の生物、バイオ三葉虫!


「くっくっく! 我らが原始の力!

 脆弱なる現代生物など蹴散らしてくれるわ!」




『埼玉県行田市(ぎょうだし)代表、ナイト埴輪(はにわ)・ヴァニワー!

 行田市を支配する埴輪騎士団の団長!

 馬形埴輪(うまがたはにわ)タケルメーロに騎乗しての入場だァ――ッ!』


 観客がワーワー!

 ――行田市代表、ナイト埴輪・ヴァニワー!

 赤茶色のボディが凛々しく躍動し、深淵のごとき目と口は見る者を惹きつける。

 各関節部は驚くほど滑らかに可動。

 土でできた身体とは思えぬ機動性を備えた歴戦の勇士だ!


「地球を統べるのは我ら埴輪人類よ!

 愚かなる人間共! 貴様らの栄華もこれまでだ!!」

「ヒヒーン!」


 人馬一体! タケルメーロが勇ましくいななく!




『で、出たーッ!

 こいつが優勝したらヤバい!

 いつの間に地球に来たのか!

 宇宙からの侵略者! 人類の敵!

 宇宙人代表、グレイ!』


 観客がワーワー!

 ――宇宙人代表、グレイ!

 その姿は……身長130センチ。小柄なヒョロガリ体形。

 身体の割に頭部は大きく、素っ裸で灰色の肌をさらしている。

 巨大な釣り目にはなんと! 白目がない!

 黒目のみ! なんと恐ろしい生物か!

 少なくとも地球の人間ではない!

 まさしく一般的な宇宙人の姿である!


「……! ……!」


 人語は話せないようである。

 何を伝えようとしているのか!? 意味不能理解不明の恐怖である!

 ――ちなみに! 彼の登場により!

 宇宙人の存在を否定する学者たちは軒並み逮捕!

 世界中で一斉斬首が行われたことは言うまでもない!




『インドはカレーだけではない!

 カレー以外のインドをしかと見よ!

 インド式殺人ヨーガマスター!

 特製カレーで敵を焼き尽くす!

 インド代表、インド・カレーまんが空中浮遊で入場だァーッ!』


 観客がワーワー!

 ――インド代表、インド・カレーまん!

 その姿は……頭がホカホカのカレーまん!

 カレーまんに目、鼻、口がついており、ターバンを巻き巻きしている!

 額には『印』の焼き印!

 日々のヨーガトレーニングによりそのボディは極限までガリガリに軽量化!

 アバラが浮いた上半身をさらしパンツ一丁!

 肌はカレーまんの色、ターメリックカラーだ!


「ナマステテテテ! どいつもこいつもブクブクと太りおって!

 殺し合いに筋肉などいらぬということを! 教えてやるわい!」




『血中アルコール濃度90%!

 おそロシア代表、ヤーレン・ソーレン!

 ウォッカがなければドッカ行っちゃう!

 世界最強のアル中が参戦であります!』


 観客がワーワー!

 ――おそロシア代表、ヤーレン・ソーレン!

 32歳! 身長三メートル!

 筋肉ムキムキ! マッチョマンのアル中!

 ツルッパゲに泥棒ヒゲ! そしてインディゴカラーのレスリングスパッツ姿である!


「ガハハハハ!」


 おそロシアスマイルでコサックダンシング行為を行うヤーレン――そこに!


「ヤーレン! 優勝しないと後が怖いよ!」


 アリーナ席最前列でギリギリとムチを構えるモスグリーンの軍服をまとう女の姿。

 おそロシアの女軍人コロシーナ・シネチェンコ大佐である。

 デカパイ指数500! おそロシア皇帝より地球征服を厳命されたエリート女将校だ!


「ガハハハハ! 心配無用!

 我が祖国のため、このヤーレン!

 死んでも優勝する覚悟!」

「うむ! 頼もしいぞヤーレン!」


 ピシャアン!


「ギャー!」


 ヤーレンの頼もしさに思わずムチを振るうコロシーナ!

 手ごろな位置にいる観客にキツイ一撃をお見舞いする!


「おそロシア万歳! 豚は死ね!」


 彼女にとってムチを振るうのは呼吸と同様の日常行為。

 誰も逆らうことはできないのだ!

 おお、なんというおそロシア的日常風景か!




『観客の皆様! おいしい匂いが漂ってまいりました!

 餃子消費量は地球一!

 餃子に非ずんば人に非ず!

 得意の餃子殺法は破られたことのない必殺の技!

 宇都宮代表、ギョウザ(おとこ)の入場です!』


 観客がワーワー!

 ――宇都宮代表、ギョウザ男!

 白い厨房服! 頭がホカホカの餃子!

 餃子に目、鼻、口がついた男である!

 神風トオルと同じ鉄道列車に乗り合わせた縁により――

 その道中を共に戦い、決勝会場に無事辿り着いた男!

 彼の協力がなければ……神風トオルは予選敗退であっただろう!


「どいつも強そうだべが……負けはしないだべ!

 神風トオル! 悪いが優勝はこの俺だべ!」


 ギョウザ男の目に炎が灯る!

 そしてその炎は全身を包み込み!

 ごま油でパリっと焼かれた餃子の匂いが会場を満たす!

 なんと魅惑的な香りか!

 観客は口の中が宇都宮餃子だ!




『皆様! 驚きです!

 その若さは地球ファイト史上最年少!

 殺人お遊戯の使い手!

 スモックは返り血でいつも真っ赤!

 幼稚園代表、魔野(まの)ゆかり! 五歳!

 デカパイ指数は当然対象外!

 スリーサイズはナイショだ!』


 観客がワーワー!

 ――幼稚園代表、魔野ゆかり!

 その姿は……身長120センチ、弱冠五歳の美幼女。

 黄色い幼稚園帽子からオカッパ頭の髪が覗く。

 水色のスモックを身にまとい、チューリップ型の名標には『ゆかり』の文字。

 まさしく一般的な幼稚園児の姿である!


「ゆかりちゃん! がんばえー!」

「やれー! さつがいしろー!」


 観客席から応援する幼稚園の学友たち。

 あどけない笑顔で手を振るゆかり。

 しかし!


(ふふふ! 地球ファイター共め!

 この貧相な幼児体形に油断しているであろうの!

 その隙が命取りじゃ……!)




『月が地球を回っているのではない!

 地球が月を回っているのだ!

 戦慄の月世界からウサギが緊急参戦!

 バニーガールの始祖!

 月代表、ルナツキ・ウサコ!

 デカパイ指数は420!

 抜群のスタイルであります!』


 観客がワーワー!

 ――月代表、ルナツキ・ウサコ!

 そのイデタチは……人間で言うところの若い女の姿!

 小動物のウサギ姿ではない!

 セミロングの黒髪!

 ウサギ耳カチューシャ!

 黒のバニーガールスーツ!

 なまめかしい黒ストッキング!

 オシリにはモコモコ丸しっぽ!

 いわゆるバニーガールのチャンネー的姿である!

 プラカードの似合いっぷりは地球一だ!


「地球の重力! さすがに身体が重いが……いいハンデだ!

 貧弱なる地球人など敵に非ず!

 せいぜい我らの奴隷として働かせてくれようぞ!」


 日々のうさぎ跳びにより鍛え抜かれた下半身!

 高い位置にあるキュッと引き締まったオシリがプリプリと動く!

 自堕落な生活を送る女では到達できないプロポーションだ!

 一般庶民諸君も覚えておいてもらいたい!

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 ()()()()()()()()()()()! ()()()()()()()()()()()()

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 健全なるオシリは健全なる精神を宿すのだ!




『ワビサビ! スシ! テンプラ!

 マイコ! ゲイシャ! オイラン!

 ウドン! ソバ! ラーメン!

 日本代表、フジヤマ・サムライ丸!

 好物はカンピョウマキ!

 模範的ジャパニーズ日本人であります!』


 観客がワーワー!

 ――日本代表、フジヤマ・サムライ丸!

 白練(しろねり)色の甲冑武者! 胸には日の丸が赤く輝く!

 その姿は日本国旗が鎧と化したがごとし!

 腰には日本刀! その素顔は鬼のごときマスクに覆われ窺うことはできない!

 しかし! 表情は見えぬとも漏れ出る強者のオーラ!


「サムライ丸! 決勝大会開催国に恥じぬ活躍! 期待しておるぞ!」


 グラウンド正面に張られた陣幕、そこから応援するは日本国内閣総理大将軍!

 護衛の武士に守られながらサムライ丸に檄を飛ばす!


「仰せの通りに……!」


 サムライ丸が頭を下げ、マスクの奥でギラリと目を光らせる!




『皆様! 本大会最注目選手の入場です!

 地球代表に選ばれし若きファイター!

 地球の未来はこの男にかかっている!

 幻の地球真拳継承者!

 地球代表、神風トオル!』


 観客がワーワー!

 ――神風トオル!

 21歳! 栃木県民! フリーのフリーター!

 その姿は……黒レザーのライダースジャケットに格闘家らしく指ぬき革グローブを装着。

 なんというイカしたセンスか!

 安全靴を履いているため鉄骨が足に落下しても大丈夫!

 工事現場での経験は格闘界においても有用なのである!

 道中において――ドン・ナポリタン、デス・バイキング!

 すでに二人の地球ファイターを倒した実力の持ち主であるが!


(なるほど……! 入場行進を見ただけでわかる!

 さすがは決勝ファイター! 楽には勝てそうにないな……!)


 悪魔的死闘の予感!

 だが! しかし!


「そう! だがしかし!

 俺にはやることがある!

 この会場にいるであろう父上!

 必ず捜し出し――!」


 神風トオルが拳をギリギリと固く握る!


「父上を倒したというアメリカ大統領ピザフライ!

 勝つためならば罪なき人々も傷つけるデビル悪魔!

 断じて許さぬ……!」


 みなぎる地球パワー! 行進する足に力が入る!

 一歩踏み出すたびグラウンドの表土が蒸気のごとく巻き上がる!

 果たして神風トオルは――この決勝ファイター達を相手に生き残れるのか!


『――以上16名による、トーナメント戦となります!』


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