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玉依手稿  作者: Trakhtn
思想Ⅰ
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死Ⅱ

わたしの元へ。

その程度の存在で終わっていた。仕方がないことだ。仕方がない。

わたしはまだ新参。新しく参ったばかりの。虚空に咳き込む音を響かせるばかりの新参。

何もかもが新参で、まだ新しく未熟。

仕方がないことだ。

何もかもを諦め、諦念に溢れた感情からは何も読み取れない。

顔がノイズでできているようで、判別がつかない。

笑っているのか泣いているのか、判別がつかない。

破顔っているとでも言おうか。顔が破れて中身の空虚たる部分が外にまで溢れ出す。

その空虚は同時に生命を揶揄し、直喩でもあるものだ。

過去、現在、未来。

人間に与えられたのは、生きる者に与えられたのは、現在のみだ。

もう自分の知る領域でない過去に縋らず振り向かず、未だ理解できる日の来ない領域である未来に夢見ず縋らずに、それが人間の定めである。人間は死ぬまで現在の中で生き続ける。

死ぬまで、半永久的に現在に迷う。

そう。そして認識する存在の死は世界の死となりうる。

主人公がいないゲームなどありはしないのだから、各々の視点から見るにしても、

それが主人公たりうるのだから、主人公が死んでしまった以上、

世界の観測者はいなくなってしまう形となるが故、あなたの死は、あなたの世界の死と繋がる。


形を保てないことを、消えると言うが、

質量保存の法則からすれば、本当の意味では消えていないのだし、

消える、というのは、それを構成する物質がこの世から別の場所へ移動したとしか考えられない。

そしてループ宇宙であることよ。有限でありながら無限に続く泡沫であることよ。

物事全てに終わりなどないのだ。全てが終わる日など到底来ない。

終わりは同時に始まりである。本当の意味での終わりなど『無い』


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