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玉依手稿  作者: Trakhtn
思想Ⅰ
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肉体脱却Ⅱ

一般的な男性ではないので、そういった類のことはありません

暖かみのある死の蔓延した古代と、冷たい死の蔓延した現代。

死はビジネスと化してしまった。

一種の違法な肉体脱却も、一種の合法な肉体脱却も、全てビジネスに招き入れられてしまったのだ。

わたしはそこが悲しい。確かに手間は掛かれども、確かに人の手によって葬られど、どうにも、どうにも、こうにも


世界、

これは意識する存在の認識によって成り立っており、他のそれ以外のものは存在しない。

認識の存在を問うには、器が必要であり、人はこれを肉体と称する。

人は。また認識する者と認識する者の間ではある程度の情報の共有はされてはいるが、 絶対にあり得ることはない。二つが同一になることは。人はもう一度生まれるために死に絶える。その死は老衰、合法な肉体脱却。体という肉の衣を脱ぎ捨てて、心だけが浮いている状態に戻って、さながら世界という殻に入った胚のように、さながら母親の子宮の中で眠る胎児のように、自分とそれを同一化させて、もう一度生まれるのだ。理由を聞くは、野暮。

予定されている死、アポトーシスによって命は死ぬ。

死の定めからは何人たりとも逃れることはできない。だから繋いでいくしかない。

それがどのような形だとしても形成され愛されたことに変わりはない。

肉体を持たない者たちは、肉体を持つ者の愛により昇華され、肉体を持つ者の道しるべとなるだろうと。


肉体を世界の全てと思うものの多いことよ。

肉体で見る世界は肉体のものでしかなく、自我は自我でしかない。

つまり肉体から見られるものには限界があるし、肉体から見られるもので、

美しいものでも、肉体から離れてみれば、美しく思えなくなる。

基準は肉体であり、肉体を取り巻く世界であり、環境である。

いつまで居座っているつもりなのか。その肉体の座に。

早く、早く、肉体外に目を。

早く、早く、形成せよと。

肉体という判断基準に頼らないように。そして焦らずに、しかし急がずに、怠けずに。

体外で起こっている事象に目を向けよ。肉体外に目を形成せよ。

肉体の座から離れても存在は成り立つことを、


手製の偶像を信ずる者よ、自我を保てよ。

工場製の偶像から手製の偶像へ移りし今、あなたは自我を手に入れたのだ。

自我とは自由意志であり、

誰にも影響されない本質、自身、自我を取り巻く欲はその肉体である。

肉体があるからこその欲、欲があるからこその肉体。

節制、脱却、欲望、肉体、全て通ずもの。


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