第7話 リクトの仕事
「よし、じゃあまずどこから行こうか」
「できれば、君が仕事をしている場所に行ってみたいな」
「え、そんなとこでいいの?」
「ああ」
ラグナたっての希望なので、まずはリクトの仕事場に行くことにした。
「とはいっても、俺の仕事場なんて何もないぞ」
「リクトは、普段はどんな仕事をしているの?」
ラグナは、リクトの仕事内容に興味を持っているようだ。
「そうだな、俺がよくやっているのは、荷運びの仕事や木こりとか、肉体労働が多いな。肉体労働って、人手が足りないのにやる人がいないから、すぐに職に就くことが出来るんだ。この町に来た当初は、生活するために働き口を選んでられなかったから、人手不足だった肉体労働をやるしかなかったんだ」
「なるほど……」
「この町は貿易都市として有名で、様々な町や国と取引をしている。荷物は毎日大量に送られてくるから、休む暇なんてほとんどないぞ」
「じゃあ、昨日や今日に仕事を休んでいる場合じゃないんじゃ?」
「まあ気にすんなよ。明日その分働けばいいんだからさ」
リクトはニッと歯を見せて笑った。
「本当に、君はすごいな。僕には到底できそうにないよ」
「別に、大したことじゃないよ。体力や忍耐力、筋力には自信あるからさ。仕事しているうちにこれらの力が身に着いちまった」
「確かに、男の僕からしても、羨ましい筋肉をしているよ」
「そ、そうかな」
リクトは少し照れている。
「ああ」
「ま、まあいいや。それより、次はどこ行く?」
むず痒くなったのか、リクトは話を切り上げて次の行き先を訪ねる。
「それじゃ……」
ラグナは次の行き先を希望した。