表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Common  作者: 二見
6/76

第6話 ノヴァ

「ノヴァ、無事か!」


 ラグナは声を荒げながら名前を呼んだ。


「ラグナ様、私は無事です」


 ノヴァと呼ばれた青年は、顔を青ざめながらも返事する。


「まだ顔が青いじゃないか。無理をするな、お前は怪我も重症なんだ。今はゆっくり休め」

「申し訳ございません……」


 ラグナにそう言われたノヴァは、再び横になった。ノヴァの安否がわかり、ほっとするラグナ。リクトはノヴァがまた眠りについたのを見届けてから、ラグナに話しかける。


「ノヴァさんっていうのか。目を覚ましてよかったな」

「ああ」


 ラグナは心底安心した、という表情を浮かべている。


「リクト、僕たちのことについては、ノヴァの体調が良くなってからでもいいかな?」

「ああ、全然構わない。ところでラグナ、君はもう体は大丈夫なのか?」


 不意に、リクトはラグナの体の調子を聞いた。


「ああ。完治とまではいかないけど、普通に動かせるようにはなったよ」


 ラグナは軽く体を動かして見せた。少し痛むのか、まだ動きがぎこちない。


「なら、この街を案内するから、一緒に見て回らないか?」

「え?」

「気分転換にもなるだろうし、リハビリもかねてどうだ?」


 ラグナは少し考えた後、


「じゃあ、お願いしようかな」


と答えた。


「よし、じゃあ着替えたら呼んでくれ。あ、着替えは俺のやつでいいかな? ラグナのはすべて洗濯中だし、背丈もあまり変わらないから俺のでもサイズは合うと思うけど」

「ああ、かまわないよ」

「よし、じゃあ外で待ってるよ」


 そう言ってリクトは部屋から出て行った。


「……この先僕は、一体どうすればいいのだろう」


 その問いには、誰も答えることはできない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ