表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/108

シルヴェスタ城~巫女の石

 ――起きて


(ん……?)


 ――ありあ、起きて。


 ありあは……目を開けた。

(え……?)

 一面緑色の光に包まれた、不思議な空間。ゆっくりと身体を起こした。


 ここ……?


 ――ここは、巫女の石の中。あなたの意識を……移したの。


 巫女の石? ありあは立ち上がり、手を伸ばした。緑色のガラスの様なものに手が触れる。


 ――あなたの身体は今……闇の眷属が憑依している。


 闇の眷属!? ありあは目を見張った。緑の光の向こうに……薄っすらと透けて見える、のは……


『グラントっ!?』


 闇の刃が、自分からグラントに飛ぶ。グラントが剣で薙ぎ払う、のが見えた。


『これ……私がやってるの!?』


 ――正確には、あなたの身体を乗っ取った、闇の眷属の力


 グラントが顔をしかめた。まさか左手……!!


 ――あなたの身体は……魔力に耐性がある。だから、闇の眷属が憑依しても……身体が腐る事もない。


『じゃあ……』


 ――このままでは、あなたは……『闇の眷属』として、人の命を奪うようになる。


『!?』


(そんな……っ)

 ありあはガラスを叩いてみたが……びくともしなかった。


 ――グラントは……そんなあなたを、そのままにしておけない。


『え?』


 ――彼は……あなたを止めようと、している。


『グラント……?』


 ――あなたに……自分の手で、とどめを刺すつもりよ。


『――!?』


 グラント……が!?




『……い、や……』


『嫌っ!!』


 ――ありあ?




(ここ)に戻った俺は……父上を闇から解放した」

「……闇に支配された貴族達も、城の使用人も……俺がこの手で……」 

「『魔王』と呼ばれるようになったのは、その時からだな……」

 ――抑揚のない声。感情のない横顔。



『も……う……』

『もう……グラント、に……』

『あんな顔……させたく、ないっ……!!』



 もし……私を殺したら。グラントは……グラントは、どうなるの!?

『いや、なのっ……!! グラントが……悲しい思いをするのはっ……!!』



 ――グラントを……助けたい?


『助けたい! もう……もう二度と、心が凍るような事、させないっ!!』


 ――では……強く想って。彼の事を。


『想う……?』


 ――あなたの想いが……世界を超えて、道を造る。


『世界……を……』


 ――そう。あなたの……金の炎を取り戻すの。


『金の……炎……』


 ――想って、ありあ……


 ありあは……目を閉じた。そして……祈った。


『……どうか……どうか、グラントを……』




『グラントを……守って』





 ――ありあの胸元にある……巫女の石と十字架(ロザリオ)の石が……何かに呼応するように、輝き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ