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焦燥

 鋭い連続する突きを剣で受け止めるが、その激しい勢いに圧され後退。反動をバネにさらに勢いづいて襲いかかってくる連撃を、再び防ぐが――それまで線で捉えられていた攻撃がわずか数センチとなる点へと変わるのは、酷く恐ろしく、対応に難しいものだった。

 甲高い金属の衝突音が響き渡り、大きく振りかぶった突きが刃の下に潜り込み、振り上げるようにしてジャンの剣を上方へ弾いた。

「そこで踏み込んでこい!」

 ホークの言葉が早いか、ジャンは退くことを忘れた身体を深く落として重心を低くとり、相手と共に無防備になったその肉体を懐に忍び込ませた。

「んで、剣技はここで封じられたも同然だ」

 言われたとおりに拳から二本の指を第二関節まで折り曲げた形で突き出して、喉元を穿つ――フリをする。

 ホークは大げさに呻いて後退し、ジャンはそれに対して追撃として、弾かれた衝撃が失せた剣を袈裟に振り落とした。

 ――肩に触れた刃を軽く振り払い、ジャンはそこで促されるように剣を退いて立ち直る。ホークも同様に距離をおいて、頷きながら腰に手をやった。

「お前の強みは剣に拘らない体さばきだ。剣を封じられた時点で、相手は”剣”でトドメを刺されると覚悟するはずだ。だがそれを上回る速度での戦闘を可能とするのが、体術による追撃。相手は覚悟した死からさらなる死に至らぬ攻撃を受けることになる。しかも敵は格上である場合が多いから、切り返そうとする連中が殆どな筈だ」

 つまり、封じられた剣をどうやって救出しようかまず考える。ジャンはそれを防ぎ、かつ相手にダメージと大きな動揺を与えられるように、その剣技と体術の組み合わせを強化しなければならないのだ。

 ホークはそう説明してから、

「今のをもっと早く。んで、かつ柔軟にな。次――行くぞッ!」

 真剣同士のぶつかり合いは、それ故にそれが訓練だとしても途方も無いストレスとなるし、緊張感は思考の鈍化に繋がる場合もある。ホークが相手では容赦がないし、隙を見せれば本当に身体を斬りつけてしまうから油断はできないし、判断ミスは許されない。

 今回はフランベルジュでは無く、サーベル同士であるわけだが――それでも本物の殺し合いに近い状況を作り出せている。

 この訓練は、そういった”慣れ”の要素も組み合わせられていた。

 

 ジャンに対して斜に身体を傾けて、切先だけを敵につきつける。突きを主体とする彼の機動は素早さを重視としている上に滑らかであり柔らかだ。縦横無尽の鞭のような攻撃を放ち、それを弾いて反撃に移ろうとしても大きく飛び退く後退にはついて行けず、それに追撃を行えば即座に突きが応対する。

 ――そうして第二回戦となるその戦闘でも、同様にホークは容赦せずジャンを圧倒した。

 突きの一閃、圧され、後退しつつそれに対処するが、鼓膜を震わせる甲高い金属の衝突音とその衝撃に、じりじりと下がり、だがその中で反撃の間隙を狡猾に狙う。

 今度は突きと共に触れた刃がその時点で力強く下方へと落とされて、それに対応したジャンの剣が手首ごと下に叩きつけられる。同時に大きく飛び込んできたホークは動揺するように剣の行方に視線を向かわせたジャンの顔面へと腕を振りかぶった。

 剣は封じられ、如何に反撃しようと考える中での拳――それは彼がそれまで教えてくれていたことであり、当然としてこれからの敵が想定しない筈がない攻撃手段だ。

 今度はその対処こそが求められる上、そういった攻撃を身につけるにあたって覚えなければならないものでもある。白兵戦は主に攻めと返し、あるいは受けの技術が伴うものだ。騎士や軍兵などは主に型がある剣術やらを武器とするが、ジャンは違う。故に、一見必殺こそが彼の強みになりつつあるのだ。

 ――拳の機動は、放たれた時点でそのおおよそが認識できる。だからその攻撃自体にそう怯える必要などはないのだ。問題は、自身の武器を押さえつけている剣の所在である。

 その攻撃を避ければおそらくは剣が追撃として突き出されるだろう。無防備な横腹に突き刺さること請け合いである。

 そして避け、あるいは受け止め追撃に転じればその柄尻が反転し、体幹を捉えて肉体に突き刺さるだろう。

 ならば、とジャンは考え、即座に手元を翻して柄を持ち上げた。刀身は滑らかな坂となって地面へと伸び、それを押さえつけていたホークの剣は滑るように下へと落ち始めた。

 体勢はやや崩れ、見極められた拳はいとも簡単に頬の脇を通過する。

「なるほど……!」

 さらに左腕で拳を放つ腕を弾きながら、それを放つわけでもなく彼の進行方向の眼前へと置く。すると、彼の顔は吸い込まれるようにしてその拳へと切迫して――己の勢いだけで、彼は自発的に殴りつけられることとなる。

 が、結局はただホークの鼻頭が優しく触れただけなのだが。

「いや――今のは正直、ヤラれてたわ」

 剣を翻し、再び元の立ち位置で元の構えに戻るホークは嬉しげに告げる。

「その判断が良い。いいぞ、だんだん成長してきていやがるな?」

「おれだって、いつまでも突っ立ってはいられませんからねえ!」

 第三回戦――誰が告げるわけでもなく、ジャンの言葉の直後にそれは開始した。



 ――十一月も半ばが過ぎてから、そういった剣術、体術が主となる訓練が殆どになっていた。

 だからこそと言うべきか、訓練の多くはホーク、あるいはボーアとのものとなっていて、そういった方面の技術を精錬させられていたわけである。

 月日は驚くほど迅速に流れていった。

 そして、やがて学校に通っていたならば後期の中間試験が開始される頃合いにまで過ぎていったある日。

「まったく……連絡が付かない、すれ違いが多いにも程がありますわ! 私半月も待ちましたの。油も切れかけましたのよ!」

 再び都合がつかず、午後が丸々休みとなった日があった。

 ウィルソンから渡された魔石で、幾度と無くマリーに連絡を取ろうとしたのだが、ノイズばかりでうまくいかない。また訓練終わりに訪ねてみれば、「お嬢様は眠ってしまった」と紳士然とした男が申し訳なさそうに頭を下げた。

 そんな事を繰り返していれば半月近くが経過して――優雅にアフタヌーンティーを楽しんでいたところを突撃してみれば、今度はそんな怒号に晒された。

 男は首元の蝶ネクタイを垂らした形でソファーに横になって居る。夜中は徹夜で警備に当たっているために、日中はそうやって少しでも長く身体を休めているらしい。しかしまったく、このヒステリックな叫び声の中でも眠りにつけるのはいささか羨ましくあった。

 ――既に中佐への話は終えているらしく、今回の接触を誘った際には断られてしまった。

 だから彼が持参したのは、自室の机に放置されていた魔術書グリモアが一冊だけである。

「油……? い、いや、すみません。なに分、些細な時間すら無いもので」

「お昼休憩はないのです?」

野戦食レーションのスナックバーを口に詰め込んで、十分休憩したら再開してしまうので……」

「うわあ、それ奴隷よりも酷い扱いでなくて?」

 今となってはすっかり慣れたのでどうという事はないが、最初の方はさすがに戸惑った。動揺しすぎて口の中の水分をスナックバーに持っていかれて、パサパサになったそれを無理やり飲み込もうとして喉に詰まったこともあった。

 しかしやはり、言葉で聞けば彼女のような反応になるのは仕方がないだろう。

 マリーは整った眉をしかめて、目を薄めた顔で――指を鳴らし、「そんなことより!」と今度は忙しなくテーブルを叩いた。

「先輩から託された魔術書についてですわ! まったく、いつになっても帰れませんわ、これでは!」

 今日は気軽なグレーと黒のボーダー柄のセーターを着こみ、やや大きめであるのか袖が手の甲を隠しているようだった。下にはショートパンツを履いているらしいが、セーターによって隠され、すらりと長い足には黒いタイツ。さらに膝丈のレザーブーツを履き込んでいる。

 以前のようなお嬢様といった格好ではないものの、随分おしゃれなものだとジャンは思った。

 この国にはあまりない服装だから新鮮だし、少女らしい可愛らしさも上手く引き出されている。その中に隠れるちょっとした大人っぽさが、彼女から謎の色気を見出させていた。

「転移魔術があるんだから帰ればいいのに」

「二度手間ですの! せっかくだからゆっくりしたいし、異国情緒溢れるこの国の観光もしたいのです! 昨日はちょっと遠出をして、教会まで行って来ましたわ!」

「堪能してますね」

「あ、もちろん組合ギルドにも顔を出しましたので、連絡はついておりますわ。『頭の具合が残念な方なので、時間が少々掛かりますわ』って」

 彼女は勝気にふふんと鼻を鳴らして、鮮血を水で薄めたような液体を口にし、味わうように目を瞑って飲み下す。

 ジャンは頬杖をつきながらそれを見守り、目を開けた所でテーブルに両腕を置いて腕を組んだ。

「まあ、ともあれご迷惑をおかけしました」

「いえ、お気になさらずに。では、はじめましょうか――」


戦略級レベル・ストレージではなく、戦闘級レベル・ミリタリーでもない……戦術級レベル・タクティクスですわ」

 ――その分類を、ジャンは辛うじて知っていた。

 学校での魔術学の授業で聞いていたのだ。随分と興味深い内容だったから、ノートに残したことさえも記憶している。

 つまり戦闘級魔術レベル・ミリタリーは、一般的に使用されている『大地アース・ピックり』や『肉体強化パワー・ポイント』などの個人レベルで戦闘に活用できる魔術だ。その威力のほどはどれほど極めたとしても集団を飲み込む程度であり、それだけでは決して屈強な砦や門などを破壊するには至ることはできない。つまり、対人間用の魔術というわけだ。

 戦略級魔術レベル・ストレージはそんなものなど比にならぬ、それこそ”戦争用”とも言える魔術だ。下手な魔法よりも強大であり、その発動を見たものは一様に――『街を消しされる』と口を揃えたという。現在ではその戦略級魔術というもの自体を戦争での使用を禁止している国が殆どであるのだが、その多くはディアナ大陸のみであり、このヴォルヴァ大陸では”溝”の問題で手一杯であり、その条約を結ぶまでには至らなかったのだ。

 そして件の戦術級魔術レベル・タクティクスとは、その二つの中間に位置する魔術だ。前者は個人に対する攻撃、補助を含めるあらゆるものが該当し、後者はその全てが攻撃、そして殲滅するレベルのものとなる。

 だが戦術級というものは妙なまでにトリッキーなものが多く、それ故に作戦級レベル・オペレーションと言われる事もある。規模で言えば戦闘は個人、戦術は部隊、戦略は都市や大隊というものになるが――ジャンが知る唯一の戦術級魔術というものは、”転移魔術”のみである。

 だから、漠然とスゴイという事は知っていても、それがどの程度のものでどうスゴイのかは分からない。

 彼はもちろん、戦場に出ていてもそうそうその発動に出くわさない多くの兵士や警ら兵の認知度はそういったものだった。

「戦術級……ですか」

「ええ」

 彼女は再び紅茶を含み、頷いた。

「ジェームズ……中佐殿から概ね状況は聴かせて頂きましたわ。そこで、先輩があなたにコレを託そうという理由に納得がいったのですわ」

「そのまえに……一つ、良いですか?」

 中佐の名前が何気なしに判明した中で、ジャンはそれとは全く異なる疑問を呈した。それは彼女と初めて出会った時から気になっていたもので、

「ウィルソンさんは、商業組合に所属していると聞きましたが……魔術組合のべクレールさんが、なぜ彼を”先輩”と呼ぶんですか?」

 ジャンの素朴な疑問に、そういえば、と彼女は手を打った。

「説明していなかったのですわね。端的に言ってしまえば、彼のご友人の祖父が魔術師組合の創設者で、そういった関係で数年前まで魔術師組合に在籍しておりましたの。現在も離籍はしておりませんが、本業は武器商人となっているので、中々お会いする機会はないのですけれどね」

「そうだったんですか」

 ――なぜウィルソンがそんな魔術師協会を離れたのか、それは彼女にも分からないらしい。だが稀に顔を出したり、組合に付き合って魔術開発に携わっているところを見れば何らかの原因が会ったというわけではなく、単に商業組合に引きぬかれたというところだろう、とマリーは推測した。

 彼女はお茶請けとして皿に並んでいるクッキーを一口齧ってから、話を続ける。

「ともかく、始めてよろしいでしょうか?」

「ええ、お願いします」

 言うなり、彼女はその皿をどかしてテーブルの中央に魔術書を滑らせた。

「この魔術書を、アレスハイム王国ではなくジャン・スティールに渡すのには理由がある……先輩はそう仰っておりました」

 先ほどの薄ら笑いに近い微笑みは既に消え失せ、神妙な顔つきでマリーは告げる。

「この程度レベルの戦術級は魔術師団でも扱えるでしょう。ただ、”この魔術”は存在していないでしょうが。それに、多くの者がこれを身につけるとしたら時間がかかる。スティールさんならば、肉体強化パワー・ポイントを扱えている辺り、少なくとも魔術を扱うに当たる障害はないようだから最低限は扱える筈だ……と。それに加えて――これをスティールさん以外に渡すのは”気に食わない”というのは、人型武器倉庫タスクさんの言葉ですわ」

「タスクさんまで一枚噛んでるって事は、ウィルソンさんの独断であるワケですね?」

 ――何かを隠しているとすれば、彼女はここで頷くはずだ。

 ただの独断で魔術師組合の人員をわざわざ割いてここの使いっ走りに使うはずがない。

 ならば、その魔術というものが”実験的に”ジャンに使わせる可能性がある。以前の魔術開発から暫く時間が経っているから、戦略級魔術の改変の他にもまた新たなものが生まれていておかしくはない。一般に才能があり溢れていると認知されているウィルソンだからこそ、そう確信できた。

 加えて判断するならば、それをジャンに渡してきたということだ。

 国に差し出す程のものではない以前に、試用試験すらクリアしていないのだとすれば、この現状には理解できるし納得も可能だ。

 ならば、どうでる?

 ジャンは顔色ひとつ変えずにマリーを見つめれば、彼女は鼻を鳴らして軽く肩をすくめた。

「分かりましたわよ、正直に説明いたせば良いのでしょう?」

「……お願いします」

「でも正直、嘘は一つも言っておりません。これから隠そうとしていた一つの事実を申せば――この魔術書はつい先月に先輩によって完成したばかりの魔術書である、ということですわ」

「折り紙つきですね。ならば、向こうでも実用レベルとして存在していてもいいものでしょう?」

「いえ、これは先輩の趣味として以前からこそこそと作っていたものですわ。だから誰も知らないし、組合の連中には先輩の取引の使いっ走りだと説明して来ましたし」

「隠す必要は?」

「さあ。先輩は気まぐれ屋さんですし、私には判りかねますわ」

 そう説明して、マリーは再び微笑み、表紙をそのしなやかな指で摘んだ。

「それでは、この説明を致します」



「軍需産業が活発になりつつあるらしい。ヤギュウ付近では、既に武器の量産体制に当たっていて、それ故に割高だったそれらが手に入りやすくなっている」

 再び会議室で落ち合ったいつもの面々は、最初のそういった言葉から話し合いを開始した。

「つまり、そろそろってわけかァ?」

「ディライラ、一応この国の大臣の前だという事を再認識してください」

 テーブルに足を乗せて反り返り、頭の後ろで手を組んだ大勢になるホークを注意するようにスミスは睨んだ。彼はそれに小さく舌打ちをしてから座りなおし、テーブルに肘を立てて頬杖をつく。

 エミリオはそれに対してほっと胸を撫で下ろし、シイナは特に表情を変えずそれを見守った。

「――軍事訓練は捗っているのかね?」

 大臣の問いに、一同は頷いた。

 しかしその後につなげるのは、実際に訓練に当たっているスミスである。

「元からの練度が意外にも高かったお陰で、そう苦労する必要はありませんでした。基礎ができていたので、実戦を模した訓練を基本としていますが、滞りなく進んでいます。一介の軍として考えれば十分と言えるでしょう」

「それは良い報告だ。傭兵団の方も、いつでも動けるのか?」

「ええ、問題はないです」

 大臣は満足気に頷いて葉巻をふかす。

 そうしてから、今度はホークへと視線を流せば、つい先ほどまでジャンの訓練に付き合っていた彼は促されるように口を開いた。

「ジャン・スティールだが……あいつは、そうだな」

 困ったように額に指を当て、それから言いにくそうに続ける。

「もう二ヶ月近く経つんだが……あいつ、なァ?」

 そんなホークはシイナへと目配せをすれば、彼女は腕を組んで視線を逸した。

 あからさまなまでの芳しくない様子を伺わせるホークに、大臣は思わず疑問を呈す。

「どうした、それほどまでに期待外れだったのかね?」

「そんな事はない。むしろ――見違える程だ。だからこそ、少しだけ心配になった」

「心配? たかが二ヶ月で貴殿に認められるほどとなったのにも関わらず、かね?」

「ああ、ヤツの正確ならそんな事は無いと思うんだが……奴は強くなっている。そしてそれを自分でも自覚し始めている。だからこそ、思い上がりすぎて、死んじまわねェかな、とな。正直惜しい人材だ。多分、今回の戦争に参加すればより成長すると確信できる」

 ホークはそこまで言って、テーブルに置かれたグラスを口にする。中に入っていたのは水だが、今日は下手な酒や紅茶よりそっちのほうが好ましかったために、乾いた喉はそれを求めて並々と注がれていたそれを飲み干していた。

「それは貴殿ら傭兵団の判断だ。集団行動させるも良し、個人戦を挑ませるも良し。その代わりとして軍事訓練と戦争での助っ人を頼んでいるのだ。しっかりと頼むよ」

「ああ、そいつは全力を以て勤めているが……」

「やはり、残り時間が心配かね?」

「そこが肝要だな。時間がねェなら、明日から来週か……ともかく十二月の中旬に入る前に”仕上げ”をしちまいたいからな」

「了解した。ならば今夜にでもエルフェーヌへと偵察を送ろう。まさかこれで三度目だから、ヤギュウに気付かれることもあるまい」

 大臣はそう言ってから嫌らしく口角を釣り上げて、灰皿にタバコを押し付けた。

「ならば早速命ずるとしよう。諸君、今日はわざわざ集まってもらい、感謝する。次回はまた同様にシイナに言伝を頼むから、頼んだぞ」

 ――短いながらも充実した、とは言えぬ、だが緊張感、焦燥感の漂う会合は比較的早く終了し、そして事態は可及的速やかに展開していく事となる。

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