どこまでも生きる
白い声が聴こえる
君の髪の揺れる朝
廃線になった線路のうえを
両手を広げて歩きたいね
いつかみた映画のワンシーンみたいに
なぜそんなことを云うのか
わからないんだけれどそうだねと答える
また、テキトーな返事して
すこし睨むような目で私をみた
そしてほほえんだ
なんてことない朝のバス停で
彼女の隣にいるから味わえるしあわせだ
おわりのはじまりなんて知らない
ずっとこういう時間が流れるのだけ
知っている
たとえばふたりは同じ悲しみを味わったとか
たとえばふたりは同じ痛みを味わったとか
それは大切なことだけど
けして
君が好きなものを私は好きとは限らないし
君が嫌いなものを私は嫌いとは限らない
そんな関係で全然いいと想う
だってほら
君の髪がそよ風に揺れるのをみるだけで
私は「好き」と想えるのだから
君の秘密は君のもののまま
私の秘密は私のもののまま
そうしてそういう時を
ふたりは永遠に歩きつづけるのだろう
この朝のバス停でのような永遠を
おわらない永遠を
どこまでも生きつづけるのだろう