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第12話 恋愛相談

 次の日、学校ではちょっとした騒ぎが起こった。


『眞秀(まほろば)ロミオ』


 突如、転校生として来た彼はクラスどころか学校中でブレイクした。


「なぁ、長嶺。アイツってそうだよなぁ?」

「間違いないだろうね」


 長身黒髪の好青年。だがしかし面影はある。彼はきっと昨日の監察官(かんさつかん)だ。


「魔人ってやっぱり変身とか出来るのか?」

「俺に聞かれてもな……」


 少し離れた場所で清水さんが見ているのがわかる。彼女があの監察官に指示したのだろう。


「ロミの特技は変身だからねぇ。と言っても子供の姿のままだと入学出来ないし妥当なんじゃない?」

「ちょっとまて、変身ってアイツそんな事できるのかよ?」

「まぁ、何にでも出来る訳じゃないけど、性別や年齢を変えるのは得意技ね!」


 性別や年齢って……清水さんの大好物じゃねぇか。もしかして家ではそれを楽しんで……いやいや、ロミオの中身は女の子だ、あまり深く考えるのはよそう。


 とにかく彼女の名前はロミというらしい。男子高校生として編入する事になった事でロミオと名乗る事にしたのだろう。


 一年で三人もおなじクラスに転校生が来るとか流石に怪しいのではないかと思ったものの流石は都会というべきか、出て行く転校生や他のクラスにも入っては来ている様でそれほど問題は無いみたいだった。


 とはいえ、何故か魔人の奴らは容姿端麗(ようしたんれい)な奴が多い。マモもそうなのだが、清水さんの好みなのか、すこしはにかんだ様子のロミは余計に騒がれていた。


「ロミすっごい人気だね!」

「まぁ、男子と違って女子は特に騒ぎたがるからなぁ……」


 とはいえ、本性が暴かれていないマモにも隠れファンは多いだろう。なんだかんだで彼女の銀髪は話しかけづらいものもあると思う。


 こうして集まった、少し歪なメンバーではある。しかし、俺はなんだかんだであのまま田舎で母親と暮らさず都会に出てきてよかったと思っていた。


「あのさ……相談があるのだけど」

「どうしたんだよ。清水さんと喧嘩でもしたのか」


 突然話しかけてきたロミは真剣な表情でそう言った。


「いや、そういう訳じゃないんだけど」

「モテすぎて困るとかって話なら相談には乗れないと思うぞ?」

「それは分かってる」

「いや、分かるなよ」

「ごめん……ただ、キミって住穂マモの契約者なんだよね?」

「まぁ、そうだな」


 契約についての事とかなら、俺よりマモに聞いた方がいい。だが、俺に聞いてきたという事はルールとかそういう話ではないのだろう。


「もし、契約者が自分以外を好きになったとしたらやっぱり嫌なのかな?」

「マモが? 俺は別に干渉するつもりはないけどな。でもお前は清水さんだろ?」

「うん、サキだよ」

「あの子の場合は、ちょっとややこしい気はするけどな」


 ロミはそれを聞くと、途端(とたん)に表情を曇らせた。やはり上手くはいっていないのか?


「やっぱりそうかな?」

「まぁ、謎に愛情注がれている感じもするし。それでお前が好きな奴ってカズキだろ?」

「えっ、えっ、なんで?」

「いやだって、あの時カズキと契約したがっていただろ?」


 図星なのだろう。ロミは少し顔を赤くしているが、イケメンの容姿でそれをされても困る。


「まぁでもいいんじゃないか? 清水さんそういうのも大好物だと思うぜ」

「やっぱりそうなんだ。だけど、契約者なのにいいのかな……」


 魔人のルールはよくわからない。だが、本人も望んでいるのならそれはそれでいいのではないのかと思う。俺は一度、ロミの悩みをマモに相談してみる事にした。


「あー、なるほどねぇ。だけど宮田くんはあんまり気がないんじゃないかな?」

「まぁ、ロミオだと完全に男の姿だからなぁ」

「それ以前に、好みとかって聞いたの? なんなら魔法を使ってみるのもいいと思うけど」

「魔法って、ロミは変身できるんだろ?」

「いや、宮田くんをイケメン好きにするとか……」

「やめてやれ!」


 全くマモは倫理観(りんりかん)が欠落している。とはいえ確かに彼の好みは聞いた事がない。出会って間もないからとはいえこれを機に聞いておくのもいいかとも思った。


「は? 俺の好み?」

「そうそう、どんな子が好きなんだよ?」

「なんだよ、相変わらず突然だな。合コンでも開くつもりかよ」


 カズキはそれほど興味がなさそうな反応だ。だが、ここで引き下がる訳にはいかない。


「いや、お前だって彼女とか欲しいだろ?」

「欲しくなくはねぇけど……そうは言ってもサキより可愛いのは住穂くらいしか居ないだろ」

「なんで清水さん基準なんだよ。というかマモの事可愛いと思ってたんだな」

「そりゃあな。だけどよぅ、ユキオさんを秒殺するくらいの強さはちょっと自信無くなるよな……」


 あれ。もしかしてカズキってマモが好きなんじゃないのか? だとしたら色々とややこしいぞ。


「魔人が好きならロミオはどうだよ?」

「見境なしかよ、なんであっさり性別の垣根を超えてんだよ」

「ルックスのレベルは大分高いと思うけど……」

「相変わらずお前意味わかんねーから、付き合ってらんねぇよ。とにかく俺はストレートだ!」


 そういうと彼はどこかに行ってしまった。


 流石に怒らせてしまったか……。だがしかし、面食いなのだというのはある程度分かった。つまりは、ロミが女の子の姿ならチャンスはあるという事になる。


 俺は清水さんとマモ、そしてロミを誘い放課後作戦会議をする事にした。


「作戦会議?」

「そう、題して『ロミのドキドキ大作戦』だ」

「何かそれ興奮しますね!」


 清水さんの反応に、ロミは俺の顔をチラチラと見ているのが分かる。


「とにかく、奴は面食いだ」

「きしめんデートにでも誘うの?」

「そういう麺じゃねぇ」

「じゃあ何なのよ」

「とりあえず宮田は魔人の顔は好みらしい。だから女装……いや、可愛い女の子の格好で出会って貰うのはどうだろうか?」

「カズキくんに女装はちょっと……」

「清水さん、そっちじゃない。ロミの方だよ、変身が出来るという話だからね?」


 なるほどと言った顔の清水さんも可愛い。だが、少年とイケメンの姿しか見た事がないロミがどの位まで女の子に変身出来るのかは未知数だ。


「とりあえずロミ。女の子に変身してみてくれ」


 すると彼はコクリと頷き、服を脱ぎ始めた。

お読みいただきありがとうございます!

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次回もまたお会い出来る事を楽しみにしています(*ꆤ.̫ꆤ*)

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