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ただのモブキャラだった私が、自作小説の完結を目指していたら、気付けば極悪令嬢と呼ばれるようになっていました  作者: 渡辺純々
第五章 常闇のドラゴンVS極悪令嬢

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早くしろよ、ロゼッタ

作戦開始。


「雷使い、出てこんかーい!」


「アンジェリーク様!」


作戦通り、まずは私一人で森の中へと入っていく。すると、「逃げたぞ!」とつられて盗賊達も一気にこちらへ流れ込んできた。


「姫!」


予定通り、リザさんが追いかけるフリをして私についてくる。そして、盗賊達を蹴散らしにかかった。


「リザさんはそのまま盗賊達をお願いします。私は厄介な雷使いをどうにかしますから」


「無茶だよ、姫! 戻ってきな」


「ヤなこったです。私だって役に立つってこと、ロゼッタに見せつけないと」


そう言って、一人森の中へと入っていく。案外リザさんも演技が上手い。


私が一人になったのを見計らって、雷の矢が三本襲ってくる。私はそれを受けつつ、矢が来た方へ突進した。すると、上半分が焼失した木の幹から人影がゆっくり現れる。


フードを被った男。どうやらあれが雷使いらしい。彼は逃げ出すことはしなかった。代わりにこちらへ駆けてくる。私相手なら逃げるまでもないと思ったのだろう。


「上等じゃない」


私も逃げずにそのまま相手めがけて走る。そして、お互いの剣が交わった。


「あんたが雷使いね。遠くからコソコソ狙い撃ちしてくれちゃって。おかげで馬車が一台パアになったわ。許すまじ」


「ふん、小娘が。逃げればいいものを」


「冗談。私の大切なものに手を出したらどうなるか、その身体に叩き込んであげる」


「その過剰な自信が命取りだな。素人が俺に勝てるわけがないだろう」


軍人とはいえ、しゃべる人はしゃべるんだなーなんてぼんやり考える。すると、相手は私の目の前に手を翳して魔法を紡ぎ雷を発生させた。効かないとはいえ、身体が勝手に防御姿勢を取る。それを解いた瞬間、相手の剣がもう目の前に迫っていた。


「くっ……」


間一髪のところでそれを避ける。前髪が数本ハラハラと落ちていった。それを見守る余裕もなく次の攻撃が襲ってくる。ほとんど防戦一方だ。


「さっきまでの威勢はどうした?」


「……うっさい」


相手は余裕で攻撃している。もちろん本気ではないようで、息一つ乱していない。まるで遊ばれているようだ。


「あんたヘルツィーオの軍人でしょ?」


「その証拠はどこにある?」


「否定しないってことはそうなのね。証拠なんかなくてもその事実だけで十分だわ」


「ふん。知ったところで、お前はここで死ぬ。我が主人には何の被害も及ばない。それどころか、憎きお前を殺したということで褒美がもらえるかもしれん。実に愉快だ」


フードの中のヒゲの付いた唇が半月上に歪む。その薄気味の悪さに、思わず背筋にぞっと悪寒が走った。


「ヘルツィーオの軍人は、主人に対して不満があるんじゃなかったの?」


「大半の奴はそうだが、俺はそうじゃない。弱い者イジメは快感だぞ」


「最っ低……っ」


怒りに任せて剣を振るう。しかし、そのことごとくを弾かれた。悔しいが実力差がありすぎる。


「さて、遊びは終わりだ」


剣を弾かれた後、男の蹴りがお腹に入る。そのあまりの衝撃に、思わず剣を落としてしまった。しかし、それを拾う前に、男が私の首を絞めて、焼けた木の幹に押しつけ宙吊りにする。


「がっ……」


「いい顔だ。それでこそ殺し甲斐がある」


「姫!」


マズイ。苦しい。攻撃しようにも、蹴りも届かないし、首を絞める相手の手を叩いてもビクともしない。これは本気でヤバいかも。


そう思ったのは、どうやら私だけではなかったようだ。


「何やってんだよ……早くしろよ、ロゼッタァ!」


リザさんがロゼッタに向けて叫ぶ。すると、それまで気配を消していたロゼッタの静かな声が私の耳に届いた。


「リザ、邪魔です」


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