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ただのモブキャラだった私が、自作小説の完結を目指していたら、気付けば極悪令嬢と呼ばれるようになっていました  作者: 渡辺純々
第四章 植物博士と極悪令嬢

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魔法具の性能

 その日以降、ノアは仮面を付けるのをやめた。そして、日中することが無く暇そうだったので、庭の手入れを提案すると、「いいの!?」と目を輝かせた。


「実はずっと気になってたんだよ。こんな荒れ放題の庭初めて見たから、植物達のためにどうしてもきちんとお手入れしてあげたくて。それに、一度でいいから自分でお庭を作ってみたかったんだ。でも、お父様には庭師みたいなことはするな、って怒られちゃったからさぁ。それに人ん家の庭だし。そう思って我慢してたんだよ」


「まあ、普通は庭師がやるんだろうけど。残念ながらうちに庭師はいないし。私は相手が貴族の子息だろうがなんだろうが、使えるものはなんでもこき使う主義だから。タダ飯食らいなんてもってのほか。ここにいる以上、三食分きっちり働いてもらうわよ」


「任せてよ! あぁ、こうしちゃいられない。早く道具取りに行かなきゃ」


「着替えもちゃんとすんのよー」


「はーいっ」


 という感じで、ここにいる間、ノアは張り切って庭の手入れをしてくれている。


「さすがアンジェリーク様。男爵家の子息でも顎でこき使いますか」


「適材適所って言うのよ。ああ言っとけばノアもここに居やすくなるでしょ」


「べつに、居づらくなって家に帰っていただいてもよろしかったのに」


「なんであんたはノアに対してそんなに厳しいのよ」


「家に帰った方が良いのは事実ですから。それに、誰か様が安易にノア様をたらし込んだからです。まったく、面白くない」


「え? たらし込んではないでしょ。だったら彼の性格上もっとグイグイくるだろうし。ロゼッタったら何言ってんだか」


 すると、ロゼッタが眉間に深いシワを作って私を睨んだ。何言ってんだコイツ、と顔が訴えている。


「なによ」


「いえ、呆れてものが言えないだけです。お気になさらず」


「あっそ。じゃあ気にしなーい」


 フイとそっぽを向く。ロゼッタのため息が深くなったような気がした。


 昼食後の昼下がり。私とロゼッタは屋敷の外にいた。


「さてと。じゃあ、こいつ試してみましょうか」


「はい」


 こいつ、と言って指さしたのは、私の左手中指に嵌った例の指輪だった。前言っていた通り、本当に使えるのかこれから試すのだ。


 お互い反対方向へ進み、ロゼッタはお屋敷の中へと入っていく。私はさらにお屋敷から離れて、敷地内ギリギリの所まで歩いた。どう考えても、肉声では届かないだろう。


 ふう、と息をつく。すると、突然指輪の青い宝石部分が淡く光った。その後でロゼッタの声が続く。


『アンジェリーク様、聞こえますか?』


「うん、聞こえる。そっちは?」


『ええ、聞こえます。どうやらこれは本物みたいですね』


「すごーい。ほんとに声が届いた。魔法具ってすごいのね」


『声も鮮明に届きますし、なにより魔力消費がごく微量なのにこの性能は素晴らしいです。質の悪いものは、性能はそこそこなのに魔力消費だけは激しい物が多いですから』


「そうなんだ」


『ええ。ですから、少なくともここまで素晴らしい魔法具を見たのは私も初めてです』


「つまり、コスパ最高ってやつか。これ作った人すごい」


『それもありますが、ここまで性能の良い魔法具を、あの値段で販売していることが驚きです。普通なら今回購入した値段の二桁上はいくかと』


「二桁!? 大丈夫かな、あのおじいちゃん。ヨボヨボだったし、値段間違えちゃったんじゃ……」


『たとえそうだとしても、もう売買は成立した後です。それに、この価値に気付かず販売している可能性もあります。実際、そういう事例は多いですから』


「ただの落書きだと思ってたら、有名な画家の絵だった……っていう掘り出し物見つけたっていうパターンね。だったらおじいちゃんには申し訳ないけどラッキー」


 そんなすごい魔法具を掘り当てる私ってすごい。ここんとこ魔物に襲われたり、盗賊に襲われたりでいいことなかったから。神様が憐れんでちょっとした幸運を分けてくれたのかもしれない。


「じゃあ、確認もできたし。そっちに戻るねー」


『わかりました』


 ロゼッタの声の後、宝石から光が消える。すると、それはただの指輪に戻った。


「他にも魔法具ってあるのよね。どんなのがあるんだろ」


 そんなことを考えながらお屋敷に向かって歩いていると、後ろから声をかけられた。


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