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ただのモブキャラだった私が、自作小説の完結を目指していたら、気付けば極悪令嬢と呼ばれるようになっていました  作者: 渡辺純々
第三章 二人の王子と極悪令嬢

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城門破壊

 エミリアとルイーズまで何事かと近付いてくる。そんな中、私は真っ直ぐ城門を指さした。


「ロゼッタ、あれ壊して」


「あれとは……まさか、門を壊せというのですか?」


「ええ、そうよ。私達が街を出てから結構時間は経ってる。だから、非戦闘員の住民達はきっと全員お屋敷に避難し終わってるはずよ。残っているのは、自警団員と兵士達のみ。だったら、みんなに手伝ってもらいましょう。もちろん、強制的にね」


「本気ですか?」


「私は本気よ、エミリア。全員助かるためには、私達だけじゃもう無理。だったら、どんな手でも使ってやる」


「でも、それじゃあまた……っ」


「嫌われる?」


 心配そうなルイーズに私は苦笑した。


「いいのよ、べつに。ここで死ぬくらいなら、嫌われてでも生き抜く方を私は選ぶ。今までもそうやって生き延びてきたんだから。だから大丈夫よ、心配しないで。それくらいでへこたれるくらいなら、ロゼッタなんか護衛に選んでないし」


「言ってくれますね。ですが、あなた様らしいです……」


「でしょ?」


「ですが、それならみなさんに助けを乞う方が良いのではありませんか? アンジェリーク様のその案だと少し申し訳ない気が……」


 エミリアが不安そうに門を見つめる。そんな彼女に私は微笑んであげた。


「助けを乞うだけじゃみんな動かないわ。私を助ければ、下手をすれば国王陛下への反逆者として捉えられかねないもの。兵士達は殿下が説明してくれた理由で動かないでしょうし」


「それは……」


「でも、門が破壊されたとなれば話は別よ。門が壊されたことで、殿下達と領民の命が脅かされるのよ? 兵士と自警団員の職務内容に合致するわ。それに、傷付いた奴らは、エミリア、あなたが片っ端から回復魔法で癒してあげればいい。そうしたら罪悪感も薄れるはずよ」


「ですがっ」


「すべては、子ども達を守るため。すべての責任は私が引き受ける。もうこうなったらヤケクソよ」


「アンジェリーク様……」


 子ども達だけでなく、エミリアもこんなところで死なせたりなんかしない。せっかくレインハルトと無事出会えてこれからだというのに、初期の初期段階である今死なせてなるもんか。


 前世の二の舞になんかさせない。絶対生き延びて、この物語をハッピーエンドで完結させてやるんだから!


 ロゼッタが門に照準をあわせて手を翳す。


「本当によろしいのですね?」


「もちろんよ。ド派手にブチかまして」


「了解致しました」


 彼女の手から、大きな大きな火の玉が現れる。そして、それを思いっきり門に向けて投げつけた。


火の玉はバレることなく、真っ直ぐ門をめがけて飛んでいく。そして、それは見事門に着弾した。土煙が舞い上がり、ダークウルフ達は何事かと警戒し始める。


 きっと、みんなパニック起こしてるだろうな。城門が吹き飛んだ、ダークウルフが襲ってくるぞ、って。


 もちろん、申し訳ない気持ちもあるけれど。こればっかりは仕方ない。


 土煙が徐々に引いていく。そして現れた驚きの光景に、私は思わず目を疑った。


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