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冬の童話祭2021

幸せの宝物

作者: shoundo

「見つかった!」


探し続けて3時間、ようやく見つけたものは、


ぼくらの宝物になった。


◆◆◆


お父さんが、僕と妹に一枚の地図をくれた。


「探してごらん。」


それは100年前の地図。


今と家の位置が違うのか、住所がおかしい。


目印になる木も、今はない。


でも・・・


「ここの公園は昔のままだよ。」


印が付いた公園は、近くの公園だった。


僕らは、宝を探しに、まず公園を目指した。


丸い池、小さな丘、遠くに見える海岸線。


もしかして・・・。


地図が示した場所は、自分の家だった。


◆◆◆


家の庭で、目印を見つけ、二人で掘り始める。


「見つかった!」


それは、布の袋に入った2つのビー玉だった。


お父さんが横から話しかけてきた。


「良く見つけたね。えらいぞ。」


「これはお母さんが小さいとき、お父さんがラムネのビンから取ってあげた宝物だよ。」


「もらっていいの?」


「ああ、なくなったお母さんのためにも、二人に持っていてほしい。」


「お父さんとお母さんの思い出だもの。大切にするね。」


◆◆◆


妹が結婚することになった。


僕はビー玉を妹にあげた。


「お兄ちゃん、いいの?」


「うちのお父さんとお母さんみたいに、幸せになってほしいんだ。」


「ありがとう、お兄ちゃん。」


お父さんが横から話しかけてきた。


「おめでとう。そして、幸せになるんだよ。」


「ありがとうお父さん。」


手を振る妹の手には、二つのビー玉が光っていた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ビー玉なら、ガラス製でも丈夫ですし 難しい事は分かりませんけど 100年とか1000年とか半永久的に保ちそうですし 夫婦だったり兄妹だったり家族だったり しあわせも、ず~っと続いていけば良…
[一言] 夫婦の宝物が、子供時代の何気ないふつうの物。 ちょっと間違えてしまえば失くしたり、捨ててしまってもおかしくはないのに、大事に守っていたんですね。 お母さんとお父さんのかけがえのないものが、子…
[一言] 心がほっこりするお話ですね。 子どもの頃(ギャングエイジの頃)、野山を駆けめぐって「基地」を作り、「宝物」を隠したことを懐かしく思い出しました。
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