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未定
私はいつも通り、高等学校に登校した。朝から雨が降っていたので、普段は自転車で通学するのだが、今日は電車に乗って登校しなければならなかった。最寄りの駅まで徒歩でいき、十五分に一回停車する電車に雨の日特有の陰鬱な気分を早く解放してくれないかという思いで、待った。数分後に、予定通り電車は来て無事に乗車出来た。分厚い雨雲で空が覆われているせいか、朝なのだが暗く車内では電気が付いており、ジメジメとした空気が入り混じっていた。私は、混み合っている車内を彷徨きながら一番後ろのあまり人がいない席に座った。私はスマートフォンを持っておらず、時間を潰すのに困った。電車の窓から見える見馴れた街並みに顔を向け目で見ている振りをしながら、不本意に以前に私のことを好きだった女のことを考えていた。