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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第二章 新生活の始まり
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0096.森の仲間達

 目覚めると体が重い。不思議に思い体を撫でると、何だかすべすべしている。んん? 布団をガバッと剥ぐとカハルちゃんが僕に抱き付いて寝ている。そして、そのカハルちゃんをヴァンちゃんが抱き締めて寝ている。そりゃ、重い筈だ。


「おや、仲良しだね。ニコちゃん、おはよう」

「おはようございます。どうしたもんでしょう?」


「ご飯の用意も、もう少し掛かるし、ヴァンちゃん達もそろそろ起きるから、そのままでいるといいよ」


「はーい」

 

 カハルちゃんがまた大きくなっている気がする。もう少しで立てるようになるかな? ぷにぷにの手を撫でると眠りながらニッコリとする。朝から良い物を見た。


「んー、ふわぁぁ……」

 

 ヴァンちゃんが起きて寝ぼけ眼で周りを確認している。腕の中のカハルちゃんに嬉しそうな顔をすると、再び目が閉じていく。


「ヴァンちゃん、朝だよ。起きてー」

「……んん? もう朝?」

「ヴァンちゃん、おはよう。顔を洗って、卵を貰ってきてくれるかな」

「了解です」

 

 シン様に言われて、名残惜しそうにカハルちゃんを離しポテポテと歩いて行く。


 僕も起きようと、ぴったりとくっついているカハルちゃんをそっと布団に寝かせようとするが、より強く服を握られてしまった。


「カハル、ごめんね。ニコちゃんがお仕事に遅れちゃうから離れてね」

 

 眠りながら眉間に皺を寄せたカハルちゃんの手をシン様が優しく開かせると、おんぶする。


「ニコちゃん、ヴァンちゃんと一緒に卵を十個貰ってきてくれるかな」

 

 頷き着替えると、ヴァンちゃんと一緒にニワトリさんの所に向かい卵を貰う。


「ヴァンちゃん、カハルちゃんがまた大きくなっていなかった?」

「そういえば、抱き締めた時の頭の位置が違っていた」

 

 卵を運びながら喋っていると、玄関の前に大きな姿が見える。誰だろう?


「ニコ、この前の熊さんだ!」

「えっ? あっ、本当だ! 急ごう、ヴァンちゃん」

 

 卵を割らないように急いで向かう。


「こんなに貰って良いの? ありがとう、助かるよ。いつも気遣ってくれてありがとうね」

 

 熊さんと会話している? ところに近付いて行く。


「二人共、お帰り。この前、探検していた時に会ったと言っていた熊さんだよ」

 

 熊さんが深々とお辞儀をしてくれる。何とも礼儀正しい熊さんだ。お辞儀を返し足元を見ると、大きな葉の上に茸がこんもりと盛られている。


「熊さん、茸を持って来てくれた?」

「そうなんだよ、ヴァンちゃん。しょっちゅう木の実や魚とかも持って来てくれるんだよ。他の動物も木の実を玄関前に置いて行ってくれるよ」

 

 森の仲間達とフレンドリーな関係が築かれているようだ。人間の言葉が通じそうなので話を聞いてみよう。


「熊さん、何故こんなに良くして下さるんですか?」

「ガウ、ガウガウ、ガウ――――ガウ、ガウー」

 

 ほうほう。こんな豊かで住みやすい森に住まわせてくれるシン様に非常に感謝しているので、何かお返しがしたいと。他の動物さんも同じ気持ちらしい。他にも何かお役に立てないか聞いて欲しいとな。


「シン様、熊さんが他にもお役に立ちたいと言っていますが、何かありますか?」

「うーん……じゃあ、カハル達が森に行った時に困っていたら手助けしてあげてくれるかな?」

 

 熊さんは嬉しそうに頷き、深々とお辞儀をして去って行く。森の入口にはウサギさんやリスさんが熊さんを待っていて、仲良く帰っていった。種族の垣根が無いとは素晴らしい。


「ニコちゃん達って、動物の言葉が分かるんだね」

「はい。聞き取る事だけで、喋る事は出来ませんけど」

「いいねぇ。僕もその能力が欲しいよ」

「僕はカハルちゃんの赤ちゃん語がなんとなく分かるシン様が羨ましいです」

 

 ヴァンちゃんが深く頷いている。


「お互い、ないものねだりだねぇ。――二人共、卵ありがとうね。朝ご飯にしようか」



 今日も卵かけご飯がおいしい。横ではヴァンちゃんが沢庵の虜だ。色々なお漬物を食べているが、今なお不動の一位らしい。


 カハルちゃんのお昼のバナナを忘れないように、頭の中で唱えつつ完食した。


礼儀正しい熊さんです。森の皆はよく一緒に行動しています。

ほとんどの動物さんは人間の言葉が通じます。


次話は、卵(ニコ編)です。


お読み頂きありがとうございました。



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