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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第一章 鏡の魔物
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0008.ダーク様の怒り

 先程の気絶させた子を移動の魔法陣で飛ばしたダーク様が、僕の隣に来て頭をグイグイと押してくる。


 ふぎゅーっ、く、苦しいっ。相当ご立腹だ。ふぬぬ、と耐える僕に更に体重を掛けてきつつ、女の子に問う。


「どうする? 俺は全員、クビにしても構わないが」

「ダ、ダーク、止めてあげて。いじめちゃダメだよっ」

「うん? ニコ、こんなの先程のお前達の行動に比べれば可愛いものだよな?」

「――――っ、は……いっ」

 

 辛うじて返事をした僕の頭から急に重さが無くなる。


「?」

「ニコちゃん、大丈夫? もう、ダークやりすぎだよ!」

 

 そこには、ダーク様の腕を抱え込みながら怒っている女の子が居た。


「いや、全然やり足りていないんだが――」

「ダーク! そんなに意地悪ばっかしていると嫌われちゃうよ?」

「カハルを無下にするような奴等に嫌われても一向に構わんが」

「また、そんな憎まれ口を叩いて。皆、もう頭を上げて」

 

 僕達は、そろそろと頭を上げて女の子を見る。その隣に立つダーク様の冷たい一瞥が順々に投げ掛けられる。


 ひいぃっ、隣なんか見なきゃよかった……(泣)。


 僕の隣の子もビクッと肩が揺れている。それに気付いた女の子が、隣に立っているダーク様の膝をペチッと叩く。な、なんて恐ろしい事をしているの! でも、ダーク様は反撃もせず、何もしてないという感じで、そっぽを向いている。女の子はその姿をしばらく、じーっと見つめた後、僕達に向き直る。


「あのね、一つだけ聞かせて。――私の事が恐い?」

 

 皆と顔を見合わせた後、代表して僕は正直に答える。


「大きすぎる力は確かに恐いと感じています」

「ニコッ!」

 

 ヴァンちゃんが声を上げると、ダーク様が背後から抱きかかえる。


「続きがあるから、待て」

 

 続けろと顎で示されたのに頷く。


「でも、使う人次第だと見ていて思ったんです。短い時間でしたけど、最初から最後まで守る為に惜しげもなく、その力は使われていました。それに、とても優しい方だと思ったんです。先程も、物凄く重いダーク様の手を退けてくれましたし――」


「ニコ?」

 

 氷のような声が降ってきた。ま、まずい、墓穴を掘ってしまった‼ 


 ダーク様は、ヴァンちゃんを女の子に渡すと、あっという間に距離を詰めてくる。慌てて逃げようとした僕を捕まえると、拳で頭を挟みグリグリと容赦なくめり込ませてくる。


「いだだだだだっ」

 

 そんな僕の様子を見ていた仲間の一人が、思わずという風にブハァッと噴き出した。他の子も我慢していたのか、次々と笑い声が上がっていく。


 酷いっ。もの凄く痛いのに! 思わずキッと睨もうと動いたせいで、余計に拳がめり込んだ。


「ふぎゃぁっ‼」

 

 思わず叫んだ僕の目の前に、キラキラしたお星様が見えました……。


ニコちゃんが見事に墓穴を掘りました。

お星様は痛みによるものでしたね~。頑張れ、ニコちゃん。


次話は、ついにヒロインらしい場面が!


お読み頂きありがとうございました。



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