表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第二章 新生活の始まり
77/390

0076.みんな、個性的

 何とか時間内に終わった……。個性的な人が多いなぁ。


「ただいま戻りました」

「お帰りなさい。少しよれよれしていますが大丈夫ですか?」

「何というか個性的な方々が多いですね……」


「すみません。慣れるまでは少し大変かもしれませんね。明日、特に個性的な方の対処法をお教えしますね」


「ありがとうございます。最初の方達とかは中々、書類を受け取ってくれなくて時間が掛かってしまって。件数が増えた時とかは、あれじゃ困っちゃうなと思っていたんです」


「あの問題児達は、ニコちゃんにまで迷惑を掛けたのですか……。その時は、私を通信の鏡で呼んで下さい。直接話します」


「分かりました。あっ、そうだ。メモが凄く役に立ちました。凄い勢いで走って来ましたよ」


「そうでしたか。あれで良いようなら幾らでも書きますよ」

 

 ミナモ様はやっぱり優しいと思う。ニコニコし合っていると、ヴァンちゃんが帰って来た。


「ただいま戻りました」

「お帰りなさい。ヴァンちゃん」

 

 ミナモ様にお辞儀したヴァンちゃんが僕を見付ける。


「ニコより遅かった。残念」

「でも、ヴァンちゃんだって時間内に終わってるよ」

「うむ。頑張った。ミナモ様、ご確認をお願い致します」

「はい、ありがとうございます」

「ヴァンちゃん、個性的な人が多かった?」

「ああ。というか、個性的な人しか居なかったという方が正しい」

 

 ぶほっと噴き出す音が聞こえた。ヴァンちゃんと振り返ると、ヒョウキ様が爆笑している。


「はははっ。まともな奴が少ないよな。でも、めちゃくちゃ頭が良い奴ばっかりだぜ」

 

 確かに。全員、処理速度も頭の回転も速い。次々に指示を飛ばしたり、受けたりしているのに、手元の仕事もやっている。誰も顔を上げずに言葉が飛び交っていて、不思議な光景だった。


「ううっ……」

 

 カハルちゃん、起きちゃった? 思わずヴァンちゃんと顔を見合わせる。


「カハル、うるさくしてごめんな。よーし、よしよし」

 

 ヒョウキ様が抱っこに替えてあやし始めた。でも、カハルちゃんの顔が歪み始めた。あー、泣いちゃう。


「うう、うっ、うっ……」

「わぁっ! カハル、泣くなっ。なっ⁉」

「ただいまー」

 

 まずいタイミングでシン様が帰って来た。


「……ヒョウキ? カハルに何をしたのかな?」

 

 笑顔が怖すぎる。いっそ、分かりやすく怒った表情なら……。いや、それはそれで怖い。混乱した頭でグルグル考えていると、ヴァンちゃんがカハルちゃんの元へ走って行く。


「カハルちゃん、よしよし」

 

 ヴァンちゃんがカハルちゃんの頭をナデナデすると、不思議そうな顔でヴァンちゃんを見上げる。更にぷにぷにの頬を優しく撫でると、嬉しそうに笑い始めた。流石、ヴァンちゃん、頼りになる。


「ん? 俺の手、気に入った?」

「あぶっ、あっ」

 

 嬉しそうにカハルちゃんがヴァンちゃんの手を撫でる。モフモフなのが気に入ったらしい。


「ふふっ、可愛いねぇ。ありがとう、ヴァンちゃん」

「ん。カハルちゃんは笑顔が一番」

「そうだね。――それなのに、ヒョウキは泣かせるし役に立たないし」

「そんな事ないって。俺、ずっと魔力供給しているぞ。今回は、ちょっと――」

 

 冷たい一瞥を投げられてヒョウキ様の言葉が止まる。僕があの目を向けられたら気絶しそうだ。これ以上、見ちゃいけないと本能が訴えてくるので、カハルちゃんに視線を固定する。はぁ、癒される……。


「シン様、ヒョウキ様には私から強く言っておきますので、お帰り下さい。今日は難しい仕事をお二人に頼んだので、大分疲れている筈です」


「ミナモ、ありがとう。ニコちゃん、ヴァンちゃん、ごめんね。疲れているのに長引かせて。帰ったら、直ぐにご飯の準備をするからね。その間にお風呂に入って疲れを癒してね」


「「ありがとうございます」」

「ほら、ヒョウキ。カハルを渡す」

 

 渋々とカハルちゃんを渡すヒョウキ様。少し憐れだったので、飴をあげた。


「どうぞ」

「ニコ! お前はなんて良い奴なんだ!」

 

 がばっと抱きしめてこようとするので、さっと避ける。僕はまだ気を許していません。

 

 さて、荷物を取ってこよう。さっさと走り出す僕とヴァンちゃんの後ろで、「何故⁉」と聞こえたけど無視しておく。シン様を待たせる方が怖い。


レベルが違うだけで、個性的な人しか居ませんでした。

赤髪さんはトップレベルです。

ニコちゃん達は、きちんと誰に逆らってはいけないかを把握していますね。


次話は、ニコちゃん史上、最高のじゃがいもです。


お読み頂きありがとうございました。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ