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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第二章 新生活の始まり
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0073.魔法道

「ここが魔法道の入口になります。そちらを一般の方達が利用します」

 

 並んでいる人達を横目に、もう一つの入口に向かう。


「あの、ミナモ様、入口の上の方に『ネクスヴィア』と書いてあるんですけど、どういう意味ですか?」


「ああ、あれは魔法道の正式名称です。今では、通称である魔法道と呼ばれる事が多いですね」

 

 ほぉ、一つお勉強になりました。僕もずっと魔法道と言っていた。ヴァンちゃんも興味深そうに頷いている。


「ミナモ様、お疲れ様です」


「お疲れ様です。今日からこの子達が書類を運ぶ事になりました。色々と面倒を見てあげて下さいね」


「「よろしくお願いします」」

「はい、よろしくね。名前を教えて貰ってもいいかな?」

「はい、僕がニコです」

「俺はヴァンです」

「ニコちゃんとヴァンちゃんね。二人共、よく似ているなぁ。違いは……」

 

 確かに白族って見分けにくいとよく言われる。でも、僕とヴァンちゃんだけなら簡単だ。


「ヴァンちゃんは、いつも頭に何か被ってます」


「おっ、そうなんだ。ありがとう。他の当番にも伝えておくよ。じゃあ、こっちに来てくれるかな。まずは何処に行くんだい?」


「俺は水の国です」

「僕は火の国です」

「了解。じゃあ、ヴァンちゃんからね。この白い石柱の間に立ってくれるかな」

 

 ヴァンちゃんが石柱の間に立つと、緑色の光る線が石柱の間を縦横無尽に走る。光が消えると、石柱に嵌め込まれている透明な石が緑になった。


「承認されたから、もう進んでいいよ。その魔法陣の中心に立ってね。準備はいいかな?」

 

 ヴァンちゃんがコックリと頷く。


「では、お気を付けて」

 

 兵士さんが何かを操作している。台が高くて見えないなぁ。ヴァンちゃんに視線を戻すと魔法陣がカッと光り、手を振るヴァンちゃんが消えた。おぉ、次は僕の番ですね。


「次はニコちゃんね。そこに立ってくれるかい? ――はい、いいよ。次は魔法陣に進んでね」

 

 僕も問題無く緑になって良かった……。恐る恐る魔法陣の中心に立つ。笑顔で手を振ってくれるミナモ様に見送られて、いざ火の国へ!


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 魔国で見たのと同じような光景が広がっている。


「はーい、こちらに進んで下さい」

 

 兵士さんの誘導に従ってゲートを抜ける。


「腕章を確認させて下さいね。――はい、いいですよ。次は、あちらの受付に進んで下さいね」


「はい、ありがとうございます」

 

 ペコリと頭を下げ、次の場所に向かう。


「こんにちは。今日はどの様なご用件でしょうか?」

「魔国から書類をお届けに上がりました。会計の方にお取次ぎ願えますか?」

「はい、少々お待ち下さいね」

 

 受付の人が通信の鏡で連絡してくれている。


「はい、会計です」

「魔国から書類が来ています。取りに来られそうですか?」

「すみません。今はちょっと手が離せなくて……」

「では、そちらに向かって貰いますね」

「お願いしまーす」


「お待たせ致しました。直接、担当の方のお部屋に向かって頂けますか?」

「はい。あの、初めて伺ったので、お部屋の場所を教えて頂けますか?」

「はい。地図をお渡ししたいのですが、城の内部構造が外部に漏れる恐れがある為、今から口頭で説明致しますね」

 

 おぅ、いきなりの難関が。覚えられるかな?


「お願いします!」

「はははっ。そんなに気合を入れなくても大丈夫ですよ。分からなくなってしまったら、城の皆さんにどんどん聞いて下さい。じゃあ、説明しますね。まず、この通路を真っ直ぐに進んで下さい。次に――」


腕章と承認が無いと専用魔法道は使えません。

ニコちゃんが最初からピンチですね。覚えられるかな?


次話は、早速ミナモに通信の鏡で確認です。


お読み頂きありがとうございました。



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