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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第二章 新生活の始まり
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0070.初来店記念

「メイド長さん、ヒョウキ様達が好きなお菓子って何ですか?」

「そうですね……チョコレートでしょうか」

「ありがとうございます。お姉さん、お薦めのチョコレートを教えて下さい」


「あら、お姉さんですって。嬉しいこと言ってくれるわねぇ。お二方ともナッツ入りのチョコレートが好きだから、それにする?」


「はい、それでお願いします。――ヴァンちゃん、それ欲しいの?」

「欲しいというか、不思議な物がある。飲み物なのにビー玉があって飲めない」

 

 んん? 本当だ。瓶の口の所にビー玉がある。どうやって飲むんだろう?


「気になる? ラムネって言うのよ。一本開けてあげましょうか? 私のおごりよ」


「えっ⁉ いいんですか?」

「初来店記念って事でね。じゃあ、開けるわよ」

 

 突起がある道具を瓶の口に当てて、お姉さんがビー玉を押すと、ビー玉がカコンと落ちて泡がシュワーッと上がってくる。おぉ、溢れそうだ。でも、お姉さんは慌てる事無く泡が落ち着くまで待つ。そして、僕達にニッコリと笑って差し出してくれる。


「どうぞ、飲んでみて」

 

 ヴァンちゃんがお礼を言って受け取り、クンクンと匂いを嗅ぐ。


「パチパチしてる」

「うん。泡が出てるね」

 

 ヴァンちゃんが恐る恐る口に運ぶ。


「おぉっ! シュワシュワしてる。ニコも飲む」

 

 ごっくりと多めに飲んだら、喉に刺激が来た。何だ、これ! もう一口飲んで、ゆっくり飲みこむ。ふおー、シュワシュワ!


「面白いね、ヴァンちゃん。こんなの初めて飲むよね?」

「うむ。開け方も面白い」

「気に入ったかしら?」

 

 僕達が大きく頷くと、お姉さんとメイド長さんが微笑ましそうに見ている。


「ニコ、もう一本買う?」

「あの紫色のラムネも気になるよね」

「あれは、この城限定のブルーベリー味のラムネなのよ」

「限定! 買います!」


「はい、これもお買い上げね。自分で開けてみる?」

「やります! あっ、ヴァンちゃんもやりたいよね」

「ニコ、やっていい。俺は、また買いに来た時にやらせて貰う」

「ヴァンちゃん、ありがとう!」

 

 お姉さんから道具を借りて、瓶の口にグッと押し込む。うわっ、泡凄い! さっき見たように泡が落ち着くまで待ち、道具を返す。


「上手に出来たわね。いっぱい溢しちゃう人も多いのに、君は偉いわねぇ」

 

 やった、褒められた。照れながら飲もうとして思い出す。お会計して貰わなきゃ。


「お姉さん、以上でお会計をお願いします」

「はーい、五百圓になります。――千圓のお預かりね。はい、五百圓のお釣りね」

 

 大事にお金をポケットにしまい、お菓子を受け取ろうとしたら持ちきれない事に気付く。


「私がお菓子をお持ち致します。執務室まで一緒に戻りましょう」

「えっ、でも……」

「遠慮はいりません。それに、先程もご説明致しましたが、慣れていないと危険ですから。さぁ、参りましょう」

 

 そう言って、メイド長さんはお菓子を持って歩き始めてしまう。お待ちを~。


「ヴァンちゃん、行こう。お姉さん、ありがとうございます」

「はーい、またいらっしゃい」

 

 ヴァンちゃんと共に会釈して、メイド長さんを追いかける。おぉ、ラムネがこぼれそう。気を付けねば。


 階段に辿り着くと、メイド長さんがラムネを持ってくれる事になった。お菓子を腕に抱えて、ピョンピョンと勢いをつけて登って行く。一緒に来てもらって本当に良かった。


ヴァンちゃん達は炭酸を飲むのが初めてなので大興奮です。

売店の品物は100圓のものがほとんどです。

仕事終わりに来たり、おやつの時間に来たりと、城の人達の楽しみです。


明日は、ヴァンちゃん目線のお話をUPする予定です。今後も「NICO&VAN」をよろしくお願い致します。


皆様に読んで頂ける事が書く力となっております。

お読みいただき、ありがとうございました。

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