0050.仲間達の退院
「ニコ、おはよう」
朝食を食べていると皆が部屋に来てくれた。
「皆、おはよう。今日、退院しちゃうんだって聞いたよ」
「うん、俺達は軽い怪我で済んだから。ニコはしばらく入院なの?」
「そう、しばらく入院だって。皆いなくなっちゃうなんて、寂しいよぉ~」
呆れた顔をしたトウマが僕の背中をぽすっと叩く。そ、そこは!
「いったぁっーーー!」
「うおっ、俺そんなに強く叩いてないぞ⁉」
「うぅ、そこは酷い打ち身になっているんだよぉー」
僕が半泣きで痛みに耐えていると、トウマが珍しく狼狽えながら頭を撫でてくれる。
「悪かったって。チョコレートやるから許せ」
なんと、チョコまでくれた。
「トウマ、頭打った?」
「なんでだよ⁉ 打ち身を突かれたいのか!」
「嘘です、ごめんなさい、調子に乗りました。平にご容赦を!」
そんな僕達の様子を見て、仲間達がお腹を抱えて笑っている。
良かった、皆の心と体が無事で。怖い思いもいっぱいしただろうけど、笑う事が出来るのなら、この先もきっと大丈夫。心配は要らない。これで安心して見送れる。
僕とトウマも皆につられるように笑っているとドアが開き、フォレスト様が入って来た。
「おはよう。何だか皆楽しそうだね。笑うのは身体にいいから、怪我も早く治るよ」
「おぉ、凄い。じゃあ、早くニコに復帰して貰わないと」
「皆、そんなに僕の事――」
「ニコの勘違い、面白いもんな」
「うんうん。よく変な動きもしてるしな」
「笑いの宝庫だよな」
「皆、酷いよ! 僕の感動を返してっ」
「はははっ」
笑われて終わった。釈然としない……。ぶすくれているとダーク様が部屋に入って来た。
「皆、揃っているか? 迎えに来たぞ」
「ダーク、いらっしゃい。お城に行くのかな?」
「ああ。フォレスト、世話になったな。今日は荷物を纏めたり、片付けをして貰う予定だ。その後に白族の村に帰す」
「そう。じゃあ、三日後の午前中に君達の村に往診に行くから、お出掛けしないで皆揃って待っていてね」
皆が頷き、僕に別れの挨拶をしてくれる。
「じゃあな、ニコ。お見舞いに来てやるからな」
「早く治せよ。ヴァンの目が覚めたら、よろしく伝えてくれ」
「うん、皆ありがとう。ヴァンちゃんにも伝えるね。気を付けて帰ってね」
「ニコ、安静にしていろよ? また来るからな」
そう言って僕の頭を撫でてくれたダーク様に連れられて帰っていく皆に手を振る。急に部屋が静かになった。はぁ、やっぱり寂しいなぁ……。
ニコちゃんの感動は長続きしませんでしたね。
鏡の魔物が居なくなったので、ダークと白族の契約は終了です。
しばらく休息を取ったら、別の依頼主の所で働きます。
次話は、カハルと嬉しい約束をします。
お読み頂きありがとうございました。




