0033.セクハラですよ!
「カハルの魔力の不足分が補えれば、こちらが勝つ。他の王にも攻撃に参加して貰えれば楽になるが、その間に別の奴等に攻め込まれる可能性もあるからな。今回は俺達だけで戦う」
「質問いいですか?」
「いいぞ、ヴァン」
「俺達の武器は、別の国の国宝を借りて来るのですか?」
「それは、私が作るよ」
「カハルちゃんが?」
「うん。ヴァンちゃんが使った魔法剣も私が作ったんだよ。仕上げは別の人だけど」
ぽかーんとする僕達にダーク様が笑う。
「そうだぞ。何せ創造主様だからな」
その言葉に納得していいものか迷いつつ頷く。深く考えちゃいけない……。
「ニコちゃんとヴァンちゃんは、どんな武器が使いやすいの?」
「俺は手甲鉤とか。近接攻撃が得意」
「僕は円月輪とか鎖鎌とか手裏剣とかですかね。中距離から遠距離攻撃が得意です」
「二人共、忍者みたいだね。創造主が私なのが影響しているのかな?」
「「にんじゃ?」」
「そう。私の本体がある日本の職業って言えばいいのかな? 偉い人に仕えて情報を集めたり、凄い身体能力を持っていて、さっき言っていた武器とかを使ってるんだよ」
「ふむ、俺達と同じ武器。こっちでは滅多に見ないな、ニコ」
「そうだよね。特注品ばっかだもんね」
「ニコは、そこら中に仕込んでいるよな。こことか、こことか。――ここら辺もか?」
「わっ、ダーク様、くすぐったいです。ひーえー、お助けをー。セクハラですよ!」
「何がセクハラだ。人聞きの悪い。どれだけ仕込んでるんだ? おっ、ここにもあるな」
「お止めになってー。みんな助けてー」
僕がジタバタしながら助けを求めても、生温い笑顔をするだけで誰も助けてくれない。うぅ、酷い。
「ダークとニコちゃんは仲がいいね」
「うむ。面白いからお気に入りだとダーク様から聞いた」
「そうなんだ。ヴァンちゃんもいっぱい武器持ってるの?」
「ん。色々、仕舞い込めるように、村のおばちゃん達に特別な服を作ってもらってる」
「そっかー。ちょっと見せて?」
あちらでは、ほのぼのとした会話がされている。僕もあっちが良かった……。
ニコちゃん、セクハラされました(笑)。
いつものじゃれあいなので、誰も助けません。
しばらくは警戒していますが、くすぐったいだけなので、
すぐに忘れて自分からダークへ近寄っていきます。
打たれ強い子……。
次話は、作る武器を決めます。
お読み頂きありがとうございました。




