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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第四章 ペルソナ
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0338.魔法陣の設定変更

 運動会前日の夜、専用魔法道を封鎖して作業開始だ。


「通達していた通り、これから設定変更するからな」

「はい。私もこの場に居てよろしいでしょうか?」


「ああ、操作に変更点があるだろうから居てくれ。だが、他言無用だ。城の者だろうが一切話すな」


「はっ」


 一般用ではなく専用魔法道の方をいじるので、顔なじみの兵士さんだ。


「キドさん、ワクワクした顔をしていますね」

「あ、分かっちゃった? 何が起きるか楽しみでさ。怒られちゃうかな?」

「えへへ、実は僕も楽しみでしょうがないんです」


 こそこそと話していると、ヴァンちゃんに肩をポンポンと叩かれる。


「置いてかれちゃう」

「えっ⁉ あーっ、待って下さい!」


 皆が既に魔法陣に立って待っている。慌てて走り寄ると、ヒョウキ様がケラケラと笑っている。


「そんな焦らなくても大丈夫だって。ほら、キドもしっかり線の中に入れ」

「はい、すみません」


 ヒョウキ様、ミナモ様、カハルちゃん、ヴァンちゃん、キドさん、僕の計六人だ。人数オーバーだけど大丈夫かな?


「いいかな? それでは開始しまーす」


 カハルちゃんがやるの⁉ という感じでキドさんが目を剥く。創造主様だって皆は知らないもんね。


「システム起動。魔法陣の設定変更を行う」

「了解。空間移動。魔法陣を展開します」


 突然、部屋が真っ暗になったので、慌てて手探りをして側にあった足に抱き付く。じっとしていると、部屋に黄緑色の光る線が徐々に浮かび上がってきた。それにより薄っすらと部屋が明るくなると、笑い声が上から降って来る。


「ふふふ、私の足にくっついているのはニコちゃんでしたか」


「あ、すみません! ミナモ様の足だったんですね。思わず抱き付いちゃいました」


「俺はヴァンだぜ。異次元ポチャンじゃないから大丈夫だぞ」


 そうは言われても黒い闇の中に居る事には変わりないので、そのまま抱き付いておく。


「もうちょっとしたら、夜空に打ち出された花火みたいに、魔法陣が強く光るからね」


 カハルちゃんの励ましを受けて床を見ていると、花火がドーンと連続で咲いたように直径二メートル程の魔法陣が次々と現れる。凄い、全部繋がっている! これで一つの魔法陣なんだ。


 トウマが貰った拳銃という武器の弾倉みたいな形だな。大きな丸の中に、僕達が乗っているのも含めて、小さな丸が十三個並んでいる。その上に単独の丸が三個あるので、何だか肉球みたいに見える。


「イザルトには十三の国と大森林、万年雪の山、インフェテラがあるでしょう。その全部に行けるんだよ。でも、魔物が居たから国の間でしか使えないようにしてあったの」


 ずっと係をしていたキドさんも知らなかったのか、「へぇ~」と頷いて見つめている。キドさん、順応が早いですね。こういう人は、どこでも生きていけそうな気がする。


「これって、全ての魔法陣に一人ずつ乗って、同時に移動する事も出来るんですか?」


「うん、出来るよ。でも、それも設定変更しないと使えないけどね」


 魔法道がこんなに色々出来るとは思わなかった。きっと、皆が快適に移動できるように、カハルちゃんが一生懸命に考えたんだろうな。


 ミナモ様とお話していたヒョウキ様がこちらを向いて、カハルちゃんを手招く。


「カハル、魔国のやつだけでいいから、インフェテラ以外は解放してくれないか? これから開拓したり遺跡を直したりしなきゃいけないだろ」


「うん、いいよ。でも向こうの魔法陣が無事か調べてからの方がいいと思うよ」


「あ、そっか。カハル、ちょっと待っててくれ。俺がささっと見て来るわ」


 移動の魔法でヒョウキ様が消えると、カハルちゃんがトコトコと円の中央の何も無い所に向かって歩き出す。


「あ、危ないですよ!」

「ふふふ、大丈夫だよ。下に広がっているのはただの床だから」


 ヴァンちゃんがチョンと爪先で魔法陣の外をつつく。


「おぉ、床ある。カハルちゃん、俺も行く」


 あぁ、行ってしまった。僕はどうしよう……。


「私達も行きましょうか。キドさん、行きますよ」

「はい」


 抱っこされて運ばれてしまった。僕にはいつも選択権がない気がする……。


 中央部分に行くとガラスのように透明な床で、その下に廃れた古代語で何やら色々と書かれている。光っているので見えてはいるが、ほとんど読めない。『キロ』とか『○○の』、『だけ』などしか分からない。解明がほとんど進んでいないので、専門家の人でもお手上げなのではないだろうか。


「――ただいま。カハル、修復しないと駄目だ」


「そっか。だいぶ昔に作ったから仕方ないよね。運動会が終わって設定を元に戻す時に一緒にやるよ」


「おう、頼むな。今回は一度に運べる人数を百人、重さは十トンまでにしてくれるか」


 人間が百人集まると結構な重さになるよねと思っていると、キドさんが手を挙げる。


「すみません、ヒョウキ様」

「どうかしたか?」

「専用魔法道の承認ゲートは馬車が通れませんが、如何致しましょう?」

「外すのはいいが、悪い奴も通れてしまうよな。どうするか……」


 他国に行くから慎重を期さないと駄目だよね。特別パスを持っている人しか通れないけど、悪い奴がパスを奪って家族のフリをして通る事もあり得る。荷物と身体検査をするしかないかな?


「じゃあ、くまちんのお花屋さんみたいに、守りの魔法を魔法陣に施してあげるよ。そうしたら、承認とか一度で終わるでしょう」


「カハル、ナイスアイディア。それで頼めるか?」


「うん。現在の設定をバックアップ後、火の国への魔法陣を設定変更。一度に運べる人数を百人、重さは十トンまで。その後に守りの魔法を施し、操作卓に新たなボタンを設置」


「了解。――ただいま、バックアップ中……終了。引き続き設定変更中……。完了致しました。守りの魔法を施して下さい」


「了解」


 魔国の魔法陣にカハルちゃんが立つと、竜巻のように黄緑の光が立ちのぼる。


「――守りの魔法を確認。操作卓にボタンを設置。――リンク完了。主様、次のご指示を」


「空間移動を終えたら、暫く待機」

「了解。暫く待機――」


 元の場所に戻って来ると、キドさんは早速、承認ゲートを外し始める。試運転するまで時間が掛かりそうなので、気になっている人を探す。誰が喋っているのかな? いつも姿が見えないんだよね。


「ニコちゃん、何を探しているの?」

「カハルちゃんと喋っていた人です」

「そっか、不思議だったよね。あの声は人じゃなくて意識体なんだよ」

「体が無くても生きているんですか?」

「うん。ニコちゃんも画面で見た事があるよ」


 そうすると、一人しか思い浮かばない。でも、体があったよね……。


「う~ん、遺跡に居る小さな男の子ですか?」


「正解。フォレストが精霊を生み出しているんだけど、意識体で生まれちゃった子が居たから私が譲り受けたの。それでね、魔法具と相性が良かったから、魔法具で体を作ってあげたの」


「えっ⁉ 生身の人間にしか見えませんでしたよ!」


「私の最高傑作だからね。あの子は魔法具の中や、私が作った画面の中とかを自由に移動できるから、遺跡などのシステムを全面的に任せているんだよ。そうだ、言い忘れていたけど名前はエピタスって言うんだよ。仲良くしてあげてね」


 カハルちゃんが規格外だと改めて感じる。流石に命は生み出せないみたいだけど、「これ出来ますか?」と聞いた全てに、「出来るよ」という答えが返ってきそうだ。


「カハルちゃん、男の子の時と声が違う」


「あの体の時は魔法具を通して喋っているからね。あの外見とよく合っているでしょう。それ以外の時は本人そのままの声だよ。淡々とした声でしょう」


 あの男の子は、セイさんを幼くして更に可愛さをプラスしたような外見だ。モデルはセイさんだったりして。


「カハル、火の国へ行くぞ」

「はーい。一緒に行く?」

「行きます!」


 移動の魔法で行くと宰相様と係の人が待っていた。


「こんばんは。今日も可愛いですね」


 抱き締められてしまった。お疲れなのか、そのまま動かない。寝てるのかな?


「おい、ファード、やるぞー」


「……あぁ、すみません。最高の癒しが来てくれたものですから、つい……。係の者にはきちんと口止めしてあります」


「ありがとな。しつこいかもしれないが、もう一度言うぞ。カハルや魔法道の事については、例え城の者でも喋るな。お前ひとりの胸におさめろ」


「はっ、畏まりました!」

「よし。じゃあ、カハル頼むな」


 先程の様に魔法陣の空間に行くと、宰相様達が凄く驚いている。魔法道にこんな機能があるなんて思いもしないよね。


 同じく宰相であるミナモ様は知っていたから、魔国とカハルちゃんの関係者だけが知っているのだろう。悪い王様とかが知ってしまうと、これを戦争の時に利用して、奇襲などを仕掛けてくる可能性があるもんね。


 ここでは闇と魔国と火の国の三つの魔法陣を設定変更し、魔国へと一旦戻る。


「ヒョウキ様、取り外しは完了しました」

「おう、ありがとうな。カハル、来てくれ」

「はーい」


 ヒョウキ様に魔法陣に立って貰って実験だ。長い間、本来の使い方をしていないので一応の確認をするらしい。


 ミナモ様に抱っこして貰って、カハルちゃんが指示を出していく。


「キドさん、いつもの操作をする前に、新しくできた左上のボタンを押してね」


「はい。お次は火の国を選択して決定ボタンと」


 ビー、ビーっと大きな警告音がなり、アナウンスが流れる。


「害意あり、制限重量オーバー」


 設定変更が失敗してしまったのかと思ったら、「上手くいったな」と言いながらヒョウキ様が戻って来る。じーっと見上げていると、しゃがみ込んで目線を合わせてくれる。


「魔法陣の上で、十トン以上の重さになるように重力の魔法を使ったんだよ。お次は百人の実験だな」


 変な場所に飛んでも大丈夫なように、移動の魔法を使える精霊さんに協力して貰う。高位な精霊さんが三十人。それと、羽根をパタパタとさせている、大人の手の平サイズの小さな精霊さんが七十人で計百人だ。小さくても人数のカウントに変わりはないらしい。


「魔法陣の上にあんなに乗れないよね?」

「そうだな。でも、カハルちゃんが作った物だから、きっと大丈夫」


 そりゃそうだと大人しく見守る。きっとまた面白い物が見られるに違いない。


「キドさんは魔力を込めて声を出せる?」

「いえ、やり方が分からないです」

「じゃあ、操作卓の横にぶら下がっているマイクを使ってね」

「はい」


 『まいく』って何かと思ったら、ツクシみたいな形のやつか。声が大きくなる魔法具だよね。


「マイクは『ネクスヴィア』と言う時に使ってね。お手本をまず見せるね」

「はい、お願いします!」


 何も見逃さないぞ! という感じでキドさんが鋭く見つめる。気合が入っていますね。カッコイイですよ~。


「ネクスヴィア!」


 カハルちゃんが力強く魔法道の本当の名前を言うと、設定変更の時に行った空間が広がる。あれ? でも、キドさんがいつも使っている操作卓と景色などはそのままだ。


 僕とヴァンちゃんは魔法道と操作卓のちょうど中間くらいに立っている。左を見れば魔法陣だらけの空間。右を見ればいつもの見慣れた空間。異なる空間が重なる所は陽炎のように揺らめいている。自分の体は大丈夫かと確認すると、いつも通りでホッとする。でも、ヴァンちゃんはそれだけでは終わらず、そーっと陽炎の部分に指を近付ける。


「――何ともない」

「本当だ。僕達に影響は無いみたいだね」


 ヴァンちゃんの勇気ある行動で安全が確認された。心配そうな顔だったキドさんも、ようやく表情を緩める。


「唱える事で一時的に呼び寄せて空間同士を繋いでいるんだよ。危険はないから安心してね。私は手を振ったり願えば円を動かせるけど、キドさんは操作卓でどの国か選択してね」


「了解です。では、火の国を選択っと」


 十三の円を中に収めた大きな円が時計回りに回って火の国で止まる。


「そこで決定ボタンを押してね。いつもはそれを押すと移動になっちゃうけど、今回はもう一回押すからね」


「決定ボタンを一回押すですね」


 押すと他の魔法陣は消えてしまい、火の国の魔法陣がポツンと左側の空間の中央に残される。


 そうか! いつもはこれが見えないけど、裏ではこういう事が行われていたんだな。


「精霊さん達、魔法陣の上に乗ってね」


 頷いた精霊さんが乗っていくと、人数が増えるごとに魔法陣が広がっていく。あれなら幾らでも乗れそう。魔法陣のある空間も同時に広がっているらしく圧迫感が無い。


 全員が乗ると、ミナモ様が通信の鏡で火の国の宰相様に連絡を取る。


「ミナモです。今からそちらに百人を送ります」

「了解です」


 通信を切ったのを見たカハルちゃんが、キドさんに指示を出す。


「もう一回、決定ボタンを押すと移動するからね。皆いくよー」

「いってらっしゃーい」


 キドさんと一緒に手を振ると、百人が一気に消えた。果たして結果は――。


 暫く待つとミナモ様の通信の鏡が光り出す。


「――はい、ミナモです。――そうですか、ありがとうございます。ヒョウキ様、成功です」


「よっし。カハル、行くぞ」


 今度はあちらで操作方法を教えるんだな。僕達はこっちで待っていよう。その間に、キドさんに抱っこして貰って操作卓を見せて貰う。


「この中央部分に集まっている、色とりどりなボタンで国を選択するんだよ。下に国の名前が書いてあるでしょう」


「はい。右下にあるちょっと大きい灰色のボタンが決定ですか?」


「そうそう。さっき、カハルちゃんが新しく作ってくれたのは、左上にある金色のボタンだよ。右上のカバーがあるやつは緊急停止ボタン。それで国のボタンの下にある鍵を開けると、設定したりする為のボタンとかが並んだ新たな操作卓が、この操作卓の右斜め下の床から出てくるよ。俺は一回もいじった事がないけどね」


 ボタンがあると押したくなるが、ここは我慢だ。指を組んでじっと耐えていると精霊さん達が戻って来た。


 ミナモ様が人数を確認して通信の鏡で連絡する。


「全員居ます。実験は成功ですね」

「よし。闇の国で準備が整ったらまた連絡する」

「了解です」


 闇の国も問題無く設定が終わり、それが済むと特別パスの登録をする為に、カハルちゃんが各国を周る。それほど時間が掛からずに戻って来ると、交替するようにヒョウキ様がパスを持って移動してみる。


「――ただいま。問題無しだったから、これで作業終了だ。皆、遅くまでお疲れさん。――おっ、カハル、シンが来たぞー」


 遅くて心配になったらしく、クマちゃんと一緒に迎えに来てくれた。


「終わったかな?」

「うん、いま終わった所。全部問題無く使えたよ」

「そう。じゃあ、帰ろうか」


 答えようとしてガクンと崩れ落ちたので慌てて支える。セ、セーフ! あ~、心臓がバクバクしているよ~。


「寝ちゃったね。ニコちゃん、交替ね」


 シン様はクマちゃんを僕の頭に乗せて、カハルちゃんを抱っこする。


「足を交互に出すのキュー」


 僕の頭の毛をやんわり掴んだクマちゃんが指示を出してくる。どうやら僕を操作するらしい。えっへっへ、お任せあれ!


「了解です。一、二、一、二」

「良い感じでキュ。ヴァンちゃんの後を付いて行くのキュー」

「了解です。――あ、あれ、ヴァンちゃん、どこに行くの?」


 ヴァンちゃんが蛇行して歩いて行く。あ~、待って~。


「追いかけっこしていたの?」


 ヒョウキ様と話していたシン様の足がゴール地点だった。蛇行したり、忍び足で歩いたり、急に早足になるので付いて行くのが大変だった。


「ヴァンちゃんにもてあそばれたんです」

「ぶっ⁉」


 ヒョウキ様が噴いた。もうっ、汚いなぁと思っていると、カハルちゃんがガバッと起きる。汚い! とキレてしまったのだろうか? でも、目が閉じたままだ。


「あ、カハル、危ないよ。もう、ヒョウキが噴くからだよ」

「俺の所為かよ。ニコが変な事を言うからいけないんだ」


「だって、本当の事ですもん。ヴァンちゃん、完全に面白がっていたでしょう?」


「うむ。カルガモ親子になった気分」


 カハルちゃんは寝惚けているのか、シン様の腕の中でずっともがいている。


「おっと、危ない。カハルはどうしちゃったのかな?」


 シン様が抱き直して顔を覗き込むと、カハルちゃんの頭突きがシン様のおでこに炸裂する。


「痛っ⁉」

「ふぎゃっ⁉」


 あれは痛い……。きっと目の前がチカチカしている事だろう。


「うぅっ、痛い……。お父さん、ごめんね」


 カハルちゃんが癒しの力を手にまとわせてシン様のおでこを撫でると、すぐに痛みが引いたらしく、今度はシン様が撫でてあげている。


「大丈夫? 寝惚けちゃったのかな?」


「大事なことをやり忘れていたから急いで戻って来たの。キドさん達の声を登録しなきゃ」


 そうか、カハルちゃんや許可された人の魔力が込められた声でしか出来ないんだ。先程もがいていたのは、焦るあまり日本から意識を飛ばすのに失敗していたのだろう。


 ミナモ様に連絡して貰って、カハルちゃんが急いで向かう。魔法道の設定変更ってやる事が多くて大変だな。悪い奴が居なければカハルちゃんも楽なのに。


「シン様、悪い人って居なくならないんですか?」


「どうだろうね? 魂が転生を繰り返して学習していけば、いつかは居なくなる日が来るかもしれないね。でも、人間は今までの歴史からも分かるように過ちを繰り返すからね。十万回くらい転生しないと駄目かもね」


 そんな気の遠くなるような回数ですか……。その頃にカハルちゃんは居るかな? 創造主様だからきっと生きていて、良い世界を見られる筈だよね?


「――お父さん達、お待たせ。帰ろう」

「うん。その前に、ヒョウキ」

「ん? どうした?」

「明日は暴力禁止ね。約束してくれるかな」


「は? 騎馬戦の事か? 正々堂々とやるけど……違うのか? まぁ、いっか。約束する」


「二言は無しだからね。バイバイ」

「ん~? 良く分からないが、じゃあな」


 僕らにもさっぱりだ。お互いに首を傾げながら手を振り合った。


キドさんは不思議現象もカハルの事もあっさり受け入れています。魔国の城に居る人達は順応が早い人ばかりです。キドさんだけでなく、ニコちゃんもヴァンちゃんもどこでも生きていけそうですね。


次話は、カハルの応援衣装です。


お読み頂きありがとうございました。


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