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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第一章 鏡の魔物
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0031.村のお宝誕生

 僕も自慢しようっと。思わず鱗をナデナデする。おー、スベスベだ。少し暗めの赤で、真珠の様な光沢を放っている。綺麗だなぁ……。


「ピカピカしてて綺麗だよね。気に入った?」

「はい、とっても! こんな珍しい体験をさせて頂き、ありがとうございます」


「うんっ。――ふふっ、フェイ良かったね。皆が凄く喜んでくれてるよ。ニコちゃんも鱗が綺麗だって褒めてくれたし、私の大事なフェイが皆に好かれて嬉しい」


「皆さんにも主様にも喜んで頂けたなら光栄です。――そうだ、ニコちゃん。生え変わった時の鱗が取ってあるので、一枚差し上げましょうか?」


「えっ、本当ですか⁉ 欲しいです! 村の宝にします!」

 

 後ろで仲間達も『楽しみだなぁ』とか『村の何処に飾ろう?』と興奮した声を上げている。


「おーい、交替の時間だぞ」

 

 下で仲間が手を振りながら教えてくれる。えっ、もう⁉ 楽しい時間は過ぎるのが早いな……。


 皆で少しシュンとしながら背中を降りていく。まだ、ダーク様が戻って来ないからヴァンちゃんにカハルちゃんを預ける。


「ニコ、楽しかったか?」

 

 カハルちゃんを背負いながらヴァンちゃんが聞いてくる。


「うんっ、凄く楽しかったよ! あっ、そうだ! 鱗を貰える事になったんだよ。村のお宝にしようね」

「ニコ、でかした! よしよし」

 

 ヴァンちゃんが頭を撫でてくれる。ニンマリしていると、他の仲間達がフェイさんに乗る前に僕の背中や肩をバシバシと叩きながら褒めてくれる。


「ちょっ、皆痛いよ、力を入れすぎだよぉ」

 

 僕の抗議は興奮した仲間達に無視された。酷い……。


「ほら、ニコ、そんな膨れっ面してないで行った方がいいぞ? 既に作業をし始めているぞ」

 

 ハッ! 本当だ。急がなきゃ。


「行ってくるね、ヴァンちゃん。楽しんで来てね」

「あぁ、また後でな」

 

 手を振り合って急いで駆けて行く。代わりに休憩に入った仲間達の嬉しそうな声を聞きながら、『祈りの歌』を歌う。特に鏡に変化はないようだ。


 交替で魔法具の鈴をリーンと鳴らす。手が空いている者は、床に魔法陣の線を描いていく。後でダーク様に魔力を流して貰うから早めに仕上げないと。


 夢中で作業をしている内に、休憩が終わった仲間達と、人型になりカハルちゃんを抱っこしたフェイさんがやって来た。


「お楽しみは終わった所か?」

 

 その声に皆で振り向くと、タイミング良く戻って来たダーク様だった。


「うん。みんな喜んでくれたよ。フェイが大人気で私も嬉しかったよ」

「そうか。ドラゴンなんて、そうそう会える存在ではないからな」

 

 ウンウンと頷きながら、僕や仲間達が興奮してダーク様を囲む。


「ダーク様、聞いて下さい! 鱗が貰える事になったんです。村のお宝誕生ですよ」


「そうなんです! それに、それに、ドラゴンに乗ったんですよ! 一生の自慢です」


「凄く大きいんですよ! 山ぐらいありましたよ」


「分かったから落ち着け。後でゆっくり聞いてやる。先に鏡に変化がなかったか教えてくれ」


「申し訳ありません。只今ご報告致します。両班異常ありません。それと、魔法陣は描き終っております」

 

 ヴァンちゃんが比較的落ち着いていた子に話を聞いたらしく報告する。


札の次はお宝をゲットです。

ダークがまるでお父さんのようですね。


次話は、今後についての話し合いです。


お読み頂きありがとうございました。

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