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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第一章 鏡の魔物
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0030.巨大赤竜

「あの、カハルちゃん以外にも作れる方はいるのでしょうか?」


「そうですね……シン様、ヒョウキ様、ダーク様――後は、先程のお話に出てきた方達なら作れると思います」


「その割に、世の中に出回っていないんですね」

「――作るのも寄越せと言われるのも面倒臭いからな。ニコ、欲しいのか? お前の為なら作ってやるぞ」

 

 興味を持ったのか、部屋を横切ろうとしていたダーク様が会話に加わる。


「ダーク様、本当ですか⁉ あっ、でも、僕のお金じゃ買えないです……」

「そんなにシュンとするな。そうだな……一週間の肩もみでいいぞ」

「それでいいんですか⁉ やります!」

「俺もお札が欲しいです」

 

 いつの間にか書類運びを手伝っているヴァンちゃんが、そう言いながらダーク様を見上げる。神出鬼没すぎるよ、ヴァンちゃん……。


「ヴァンも欲しいのか。お前達も欲しいか?」

 

 仲間達がコクコク頷く。


「じゃあ、十枚作るから仲良く使え。対価はお前達のダンスでいいぞ。よく休み時間に踊っているだろ。じっくり見せてくれ」

 

 見られてた! ふざけてやっていた尻尾フリフリダンスも見られていたのだろうか? チラッと見上げるとニヤッとされる。今の反応はどっち⁉


 恐々窺う僕の頭を一撫ですると、ヴァンちゃんを従えて颯爽と去って行く。


 僕の心の平静の為に、見られていないって事にしよう。そうしよう……。


「ニコちゃん、ダンスするの?」


「あっ、カハルちゃん起きたんですね。今、僕達の間でダンスするのが流行っているんですよ」


「私も見たいなぁ」

「いいですよ。後でお見せしますね」

「うんっ。そう云えば、フェイに乗せて貰った?」

「主様、これからお乗せする所です。皆さん、私から離れて下さい」

 

 首を傾げつつ、フェイさんがいいと言う所まで離れる。大分、距離が出来たけど、どうしたんだろう?


「それでは、始めます」

 

 その言葉の後、白い閃光が走る。眩しさに閉じた目を開けると、そこには巨大な赤竜が居た。


 ぽかーんと部屋に居た全員が動きを止める。そんな僕達に声が掛けられた。


「皆さん、順番に尻尾を登って背中までどうぞ」

 

 竜が喋った⁉ 文献で喋るって読んだ事はあるけど、実際に聞く事になるとは……。そもそも、あの竜はフェイさんなんだよね?


「みんな、登らないの? フェイだから怖くないよ」

 

 カハルちゃんの言葉に皆がギクシャクと動き始める。僕も固まった体から力を抜くと、ちょっとずつフェイさんに近付いていく。


 側で見ると本当に大きい。小山と言ってもいいんじゃないだろうか。尻尾に辿り着くと、フェイさんが振り返る。


「気を付けて登って下さいね。鱗に手を掛けて頂いても構いませんよ」

「はい、ありがとうございます」

 

 お言葉に甘えて鱗に手を掛けながら慎重に登って行く。手や足を掛ける所が多くあるので、苦も無く背中に辿り着きカハルちゃんを下ろす。


 おー、高い……。皆が小さく見える。


「いい眺めでしょ? 空を飛んで貰うと最高なんだよ」

 

 カハルちゃんが自慢気に言う。僕も是非とも体験してみたい。


「うわっ、高い……」

 

 続けて登って来た仲間が、怖いのかしゃがみ込む。その後も続々と登ってくるけど、背中にはまだまだ余裕があった。


「全員乗れましたか?」

「はい、全員揃いました」

 

 人数を確認していた僕が代表して答える。


「では、皆さんしっかり掴まって下さい。――いいですか? 動きます」

 

 ゆっくりとフェイさんが立ち上がり歩き出す。思っていたよりもずっと揺れが小さい。更に高くなった視界に嬉しくなって後ろを振り返ると、仲間達も高揚した顔をしている。


「皆さん、乗り心地はいかかですか?」

「乗り心地最高です!」

「凄く高いね~」

「俺、ドラゴンに乗せて貰たって自慢する!」

「あ、僕も僕も! こんな体験した人はそうそういないよ」

 

 皆が興奮して一斉に喋り出すのを、カハルちゃんもフェイさんも嬉しそうに見ている。


軽減の札をゲットです。

ドラゴンに乗ってはしゃぐモフモフ達。間近で見て写真に収めたい!


次話はお宝が手に入ります。


お読み頂きありがとうございました。

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