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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第四章 ペルソナ
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0304.ヒヒ~ン♪

「セイさんは一緒に来ますか?」

「俺はクマの為に荷台を作るから家に居るぞ」

「荷台ですか? あ、そうか、ドラちゃんが引っ張るんですね」

「ああ。ラーハムさんが鞍を持って来てくれたから直ぐに使えるだろう」


 そうだ、伸縮自在の鞍だって言っていた。試しに端っこをつまんで引っ張ってみる。


「あれ? 伸びない……」

「おや、ニコちゃん、鞍がどうしたんだい?」


「ラーハムさん、これ伸びないんです。ドラちゃんが装着しないと駄目なんですか?」


「魔力を流せば伸びるよ。――ほらね」


 おぉー、飴細工のようにムニョーンと伸びている。僕もやってみたいけど大量供給しか出来ないもんね。


「それ、何で出来てる?」


「ヴァンちゃん、これはね妻の鱗から出来ているんだよ。水竜の鱗と言うのは変幻自在でね。それを私が加工したんだよ。私は普段は革製品を作っている職人なんだよ」


「へぇ、そうなんですか。ただの革にしか見えないよね、ヴァンちゃん」

「うむ。ニコ、俺の背中にのっけて」


 四つん這いになったヴァンちゃんの背に、成人男性の片手サイズくらいの鞍をご要望通り載せてみるけど、僕じゃ形を変えられない。どうするんだろう?


 ヴァンちゃんは目を閉じて背中に意識を集中しているようだ。じーっと見守るけど、変化は見られない。


「――変わった?」

「ううん、変化なしだよ」

「失敗……」


 諦めたように立ち上がろうとするヴァンちゃんの腕にドラちゃんが触る。


「クワー」


 一声鳴くと、みるみる内に鞍が形を変えてヴァンちゃんの体に沿っていく。


「おぉー、ピッタリサイズになったよ、ヴァンちゃん!」

「――ん? ――んん? 見えない……」


 通信の鏡で映して見せてあげると満足気に頷いている。


「カハルちゃん、乗る?」

「え、いいの?」

「うむ。カハルちゃん、軽いから平気」


 恐る恐るカハルちゃんが跨ると、「ヒヒーン」と馬さんの鳴き声を真似してトコトコトと歩き出す。


「ふふふ、ヴァンちゃん、ありがとう。楽しいよ」

「ヒヒ~ン♪」


 ヴァンちゃん、ノリノリだ。ちょこっと前足を床から離して上体を逸らしている。棹立ちだと危ないもんね。


「カハル、良かったね~。ん? クマちゃんも乗りたいの?」

「モキュ。ヴァンちゃん、次はクマを乗せて欲しいのキュ」

「じゃあ、交替するね。――よいしょ。くまちん、落ちないように気を付けてね」


 シン様に乗せて貰ったクマちゃんがおっかなびっくり乗っていると、その後ろにドラちゃんがパタパタと飛び乗り、翼でクマちゃんを包む。


「うぉっ、急に重たい。クマちゃん、いつ大きくなった?」

「ち、違うキュ。ドラちゃんが一緒に乗ってるのキュ」

「ん、納得。動いていい?」

「お願いしまキュ!」


 ドラちゃんが支えてくれているので余裕が出たようだ。トコトコと囲炉裏の周りをゆっくり一周して戻って来る。


「次はニコが乗る?」

「え、僕もいいの?」

「ん。終わったら交替。俺も乗りたい」

「うん、任せて!」


 僕はきちんと掴まれると思ったのか、スピードが速い。おぉ、揺れる~。そんな僕達を見てクマグマちゃんが拍手してくれるので、王族のようにお上品に手を振って応える。


「――到着」


 交替してヴァンちゃんを乗せてあげていると、急に重くなって動けなくなる。


「あ、あれ? なんでこんなに重いの? ふぐぐぐっ」


 幾らなんでもおかしいので首をひねって見てみると、黒いズボンに包まれた足が見える。いつの間にか、ヴァンちゃんじゃなくなってるぅ⁉ え、誰⁉ この人?


「何だ、もうギブアップか? 俺にも楽しませてくれ」


 こ、この声は――。


「ダーク様! もうっ、重いですよ! 退いて下さい! ふぎぎぎっ」


 棹立ちしてやろうと思ったけど重くて無理だった……。余計な体力を使ってしまったじゃないか!


「なんだ、だらしないな。鞭が必要か?」

「ひぃーっ、なんて事を言うんですか! 誰か助けて~、動物虐待ですよ~」

「また、お前は人聞きの悪い事を。そんなに鞭がお望みなんだな。要望に応えてやろう」


 僕をガッチリ捕まえて鞍をペイッと外すと、いつものようにくすぐり攻撃が開始される。


「にゃーーーっ、にゃはは、ははっ、だ、誰か、あははは、助けて~」


 すると、ドラちゃんがダーク様の腕にカプリと噛み付いてくれた。


「ド、ドラちゃ~ん、僕の心の友~」

「ヒュワー!」


 噛んでいるのでくぐもった声だが、大変勇ましい。何て素敵なドラゴンさんなんだろう!


「わっ、ダーク様、すみません!」

「こ、こら、ドラ、噛んじゃ駄目よ。ぺっ、しなさい。ぺっ」


 必死で引き離そうとしているラーハム夫妻には申し訳ないけれど、「ぺっ、しなさい」に思わず笑ってしまう。


「ほぉ? ニコ、いい度胸だな。後で覚えていろよ」


 あまりにも怖いニヤリに心臓が凍り付く。あー、気絶してしまいたい……。


ダークはニコちゃんをくすぐるのが本当に好きですね~。反応が良いから楽しいんでしょうね。

文章を編集していたら気付いてしまいました……。ニコちゃんが「心の友」と言った瞬間、頭に浮かんだ青いあの子……。違うんですよ⁉ 意識して書いた訳じゃないんです! 皆さん、ドラゴンですよ、ドラゴン! え~と……そういう事なので、このままでいこうかと思います(笑)。


次話は、主様? です。


今日はもう一話更新しますので、お楽しみに~。

お読み頂きありがとうございました。

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