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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第一章 鏡の魔物
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0028.いっただきまーす♪

「今日のメニューはシチュー、パン、サラダ、デザートにバニラアイスとなっております。シチューとパンはお替りがありますので、沢山召し上がって下さい」

 

 メイド長さんの説明を聞きながら、僕はスプーンを手に準備万端だ。


「よし、行き渡ったな。それじゃあ、いただきます」

「いただきまーす」

 

 ダーク様の挨拶を唱和すると、僕は早速シチューを掬い、ふーふーと冷まして口に入れる。


「んーっ、おいしーい!」

 

 クリーミーで美味しいなぁ。幸せだなー。ジャガイモを口いっぱいに頬張りもぐもぐしていると、メイド長さんとダーク様の会話が聞こえてきた。


「あんなに幸せそうな顔をして食べてくれるのを見られるなら、食事を運ぶ当番で揉めるのも分かりますね」


「あぁ。荒んだ時に、あの姿を見ると癒されるぞ」

「何だか色々とあげたくなりますね」


「そうだろう? あげた時の反応がまた良いんだ。目をキラキラさせて嬉しそうに眺めてから頬張っている姿がたまらん。だが、あげ過ぎると体に悪いから気を付けないとな」


「そうですね。でも、良く動いているからあまり太らないのでは?」


「ああ、訓練量が他の者よりも圧倒的に多いな。のほほんとしているが、この城であの子に勝てる者を挙げたら片手で足りる」


「そこまで強いのですか? あんなに小さくて可愛いのに……」


「以外か? だが、ヴァンは更に強いぞ。スピードが少しだけ劣るが、一撃の重みが格段に違う。たまに手合わせしてやるんだが、まだまだ伸びるぞ。あの二人は成長が楽しみだ」

 

 ヴァンちゃんが褒められているのを聞いて嬉しくなる。でも、もう一人は誰だろう? 僕は男の子だから可愛いいじゃないよね……。まっ、いいか。


 ブロッコリーも美味しい! これは、絶対お替りしないと。


「なぁ、ヴァン、あいつ自分の話って分かってないよな? 首傾げていたし」


「……多分、僕は男の子だから可愛いいじゃないし、誰の事だろうって考えた後に、シチュー美味しいに思考が支配されたと思う」


「マジか……。鈍感過ぎないか?」

「ニコは悪意に敏感だし、勘が良いから平気」

「そうなのか? じゃあ試してみるか……。えーと、ニコの腹が出過ぎ!」

 

 んっ? お腹をさする。食べ過ぎかな……。ただでさえ、白族は幼児体型でお腹が出ているから太らないように気を付けなきゃ。動きも鈍くなるし。


 はぁ、お替りは諦めよう。残念……。


「うわっ、ニコがお腹を擦りながら項垂れた!」

「うん、ニコは凄い。心配要らない」

 

 項垂れた僕に心配げな声が掛けられる。


「ニコちゃん、お腹痛い?」


「えっ? あっ、カハルちゃん起きたんですね。お腹は痛くないです。ただ、食べ過ぎかなと思ったんです」


「皆と同じ量だよね? 小食なの?」

「違うぞ、カハル。あの様子は太るのを気にしているんだ」

 

 ば、ばれてる……。ダーク様って鋭い。


「そうなの? 太っている様には見えないけど……」

「本当ですか⁉ でも、ぽっこりお腹ですよ……」

「幼児体型だからだよ。ニコちゃんは運動量が多いから、もっと食べた方がいいと思うよ?」

 

 僕がキラキラしているであろう目でカハルちゃんを見ると深く頷いてくれる。食べていいの⁉ やったー!


「お替りお願いします‼」

 

 僕が勢いよくお皿を差し出すと、メイド長さんが満面の笑みで、なみなみとシチューを盛ってくれた。


「んふふふっ、いっただきまーす♪」

 

 はむっ。はぁ、美味しい……、鶏肉柔らかいな。次は、じゃがいもにしよう。


「ふふっ、ニコちゃんは幸せそうに食べるね」

「だって、ものすごーく美味しいですよ! カハルちゃんも食べてみて下さい。パンもふわふわですよ。これをシチューに付けて――んーっ、美味しい! 幸せだなー」


ニコちゃんは野生の勘ですかね。

食べている時に「幸せ~」とよく言います。


次話は、お高くて便利な札が出て来ます。


お読み頂きありがとうございました。


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