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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第四章 ペルソナ
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0284.ドラゴン部屋

「これ可愛いね」

「課題をクリアすると先生がくれる置物」


 棚に置かれているのは、ウサギさんやリスさんなどの形をした五センチ位の木で作られた置物だ。いま見ているのは森の動物さんシリーズで、猫さんが様々なポーズを取っているシリーズもあったりする。可愛くて励みになるので僕も楽しみにしていたけど、途中から先生の方が作るのに夢中だった。卒業の時に貰ったドラゴンさんの置物は三十センチ位ある大作だ。


 じっくり見たカハルちゃんが、ボロボロの帽子に目を留める。


「使い込んであるね」

「ん。ニコが編んでくれた帽子。俺の宝物」

「そうなんだぁ。ニコちゃん、帽子まで作れるなんて凄いね」


 あれはヴァンちゃんが耳を引っ張られて、心にも傷を負った時にあげた帽子だ。今も大切にしてくれて宝物と言ってくれるなんて……。


「ニコちゃん? ハンカチどうぞ」

「え、あれ、いつの間に涙が……。えへへ、ありがとうございます」


 嬉しくて涙が出てしまった。ヴァンちゃんに頭を撫でて貰いながら涙を拭く。僕が落ち着いたのを見届けてから、ヴァンちゃんが口を開く。


「カハルちゃん、ニコの部屋に行く?」

「うん、そうしよう」


 隣の僕の部屋に入ると、机の上に大きな鱗が置いてある。


「あれ? フェイの鱗だ」

「何で僕の部屋にあるんだろう?」


 三人で首を傾げつつ部屋を見る。


「ヴァンちゃんの部屋と内装は変わらないね。でも、ぬいぐるみとかがあってニコちゃんらしい感じがするよ。――あれ? 置物がグレードアップしている気がする」


「そうなんですよ。ヴァンちゃんと別のコースをやっていたので、これを作っている先生の所に行ったのは僕が後なんです。その時には、だいぶ熱が入っていて最終的にはこうなりました。――よっと」


 ドラゴンさんに被せていた布を取る。


「「おぉー」」


 声が重なった。二人で角度を変えながらつぶさに見ている。こんなに熱心に見てくれたら先生が喜ぶだろうな。


「高く売れそう」

「ねぇ。ヒョウキが買いそうだよね」


 えっ、そっち⁉ 先生、売られてしまいそうです……。


「ごめんください」

「はーい。――あら、素敵な方。こんにちは」

「こんにちは。僕はシンと言います。ニコちゃん達がこちらに来ていませんか?」

「いま呼びますね。みんな、いらっしゃーい」


 迎えに来てくれたのかな? 居間に戻ると、玄関に居たシン様が手を振ってくれる。


「皆で何をしていたの?」

「今は僕のお部屋を見て貰っていました」

「僕も混ぜて欲しいな。お邪魔してもいいかな?」

「ええ、どうぞ。頭をぶつけないように気を付けて下さいね」


 それなりに天井は高く作ってあるけど、シン様は百八十センチを超えているから常に頭を下げていないといけない。大きくなった時のカハルちゃんの身長ならギリギリ入りそうかな?


「ヴァンちゃんのお部屋も見せて欲しいな」

「こっちの部屋」


 ズボンを握って誘導している後ろを、カハルちゃんと一緒にゆっくり追って行く。


「――ベッドに机と椅子、タンス、棚か。木の温かみがある部屋だけど、生活感があまりないね」


「ん。仕事でほとんど居ない」

「そうだよね。あの置物は可愛いね」


 カハルちゃんと同じ感想だ。さすが仲良し親子。


「ニコの部屋にもあって、もっと凄い」

「じゃあ、見させて貰おうかな。――おっと」


 僕の部屋に入ろうとしたシン様がドア枠の所で慌てて頭を下げている。


「すみません。中はもう少し高くなっていますから」

「気にしなくて大丈夫だよ。――このドラゴンは凄いね。ヒョウキが買いそう」


 おぅ、先生、確実に売られてしまいそうです……。旅立つ時は、感謝を込めて磨いてあげるからね!


「そうだ、フワリさん。何で僕の部屋に鱗があるんですか?」


「最初は集会所に置いていたのよ。でも、あの場所ってお客様もお通しするでしょう。そうすると、必ず売ってくれって話になって困っていたのよ。だから、うちで預かって居間に飾っていたのだけれど、ここにも時々お客様は来るのよね。それで、あなたのお部屋に置かせて貰ったの。勝手にごめんなさいね」


 やっぱり皆も欲しくなるんだな。そんな凄い物が僕の部屋にあるなんて良い事が起きそうな気がする。


「いえ、むしろラッキーですよ」

「ドラゴン部屋」


 ヴァンちゃんの言う通り、ドラゴン関係の物が増えたなぁ。僕の部屋には他にもドラゴンの絵や本、ぬいぐるみなどがある。


「大事にしてくれてありがとうね。フェイが知ったら喜ぶよ。ニコちゃんは他にも集めているものとかあるの?」


「うーん、昔はピカピカのドングリを集めていたんですけど、今は武器ですかね? 必要に迫られて作っているうちに結構な数があります」


「俺も」


 カハルちゃんがキョロキョロと部屋を見回す。


「ここには一部しか置いていないです。物置にあるんですけど、見ますか?」

「あ、ごめんね。宴の準備がもうすぐ整うから呼びに来たんだよ」

「そうだったんですね。行きましょうか」

「うん。また来れば見られるもんね」

「はい!」


 また来てくれるんだ……。カハルちゃんはいとも簡単に僕を幸せにしてくれる。僕も幸せを返して行けたらいいな。


二人共、物が少なくてシンプルなお部屋です。仕事に行っている事が多いので、寝る為の部屋みたいになっています。

ドラゴンの置物は売られずに済みました(笑)。ニコちゃんは、欲しい人が居たら売ってもいいかなと思っています。あまり、執着はありません。むしろ、鱗が危ないですね。村のお宝なので誰にも売りませんよ~。


次話は、宴開始です。


お読み頂きありがとうございました。

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