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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第四章 ペルソナ
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0276.秋刀魚が焼けました

「シン様、僕もお手伝いありますか?」

「ヴァンちゃんだけで大丈夫だよ。ニコちゃんはカハルと一緒に居てくれる?」

「はーい。――カハルちゃん、何をしているんですか?」

「うん? ニコちゃんだ。隣に座って」


 ぺしぺしと叩いて示された座布団に座り、画面を一緒に覗くと水の中のようだ。


「これは何処ですか?」

「精霊の森を探っているの。ダーク達が行ってくれるって言うから、どんな状態か見ておこうと思って」


 これはどうやって見ているんだろう? 記録用水晶が水の中にあるのかな?


「首を傾げてどうしたの?」

「はぁ。水の中をどうやって見ているのかなぁと思いまして」

「ああ、召喚獣だよ」

「へっ、召喚獣⁉」

「同じのをここに出してあげるよ」


 カハルちゃんが両手を添えている四角い結界の中で、水で出来たシッポの長いお魚さんがクルンと回る。鱗が無くて表面の形が常に変わっていく。獣といっても僕達とは体の作りが全く違う。魔力だけでその身を作り、支えている感じがする。


「この水色のお魚さんが、カハルちゃんの指示を聞いて精霊の森を泳いでいるんですか?」


「そう。水の中だけではなくて、どこへでも行けちゃうよ」


 カハルちゃんなら、もうなんでもありな気がしてきた。お魚さんを消すと画面へと向き直る。


「この子の目を通して景色が見えるんだよ。では、森の奥へ向かって出発!」


 一気に速度が上がり、景色がどんどん後方へ流れて行く。こんなに早く動けるなんて凄いなぁ。水の泡がボコボコと画面を埋める。


「特に引っ掛かる気配は無いかな。もっと奥に行こうか」


 段々と水が黒く染まっていく。何だか見ていると不安になる光景だ。


「あー、瘴気が凄いな……。こんなに一生懸命取り込んでくれたんだ。早めに処理しないと精霊達が住めなくなっちゃうな」


「――それは精霊の森か?」

「あ、ダーク。そう、森の奥だよ。ダーク達は近付かない方がいいかも」


「ここまでとは思わなかったな。俺達はリストの残り二体を倒したら待機しておくか」


「それなら海の社へ行って欲しいな。何体も封印されていて、それなりの強さのが居るから。ダーク達が倒してくれると、私は魔力を流すだけで済むから、とても助かるよ」


「分かった。他に俺達が手伝えそうな所はあるか?」


「精霊の森に魔力を流してからかな。そしたら、周りの精霊達も元気になって力を貸して貰えるから、大精霊の森の魔物が倒しやすくなるよ」


「了解。ん、魚の匂いがしてきたな。手伝って来るか」


 カハルちゃんと僕も付いて行く。あ~、いい匂いがするよ~。背伸びして見てみると、皮にいい焼け目がついている。脂が滴ってジュッというたびに期待が増していく。


「おー、美味そう」

「ヴァンちゃん、お手伝い終わったの?」

「うむ。たっぷり大根おろし擂った。準備万端」


 シン様も焼け具合を見に来たようだ。


「そろそろ焼けるかな?」

「ああ。だが、クマ達が帰って来ないな」

「様子を見に行った方が良いかな」


「――ただいまキュー。あれ、誰も居ないのキュ? ……いい匂いがするキュ~。お魚でキュね!」


「皆様、あちらにいらっしゃいますよ」

「あ、本当キュ。ただいまキュ~」

「噂をすればだね。――お帰り、クマちゃん達」


 ピョンとシン様に飛び付いたクマちゃんが今日のメニューを聞いている。秋刀魚だと教えて貰うと、ウキウキと体を揺らし始めた。


「――よし、焼けたぞ。ヴァン達、運んでくれ」

「はーい」


 落とさないように慎重に歩く。僕の秋刀魚さんを落としてなるものか!


「――はぁ、無事到着」

「ニコちゃん、今日は慎重だね」

「だって、洗って食べる事になったら悲しいですよ」

「くくっ、洗うのか。旨味が全部逃げそうだな」

「ダーク様、笑い事じゃないですよ。そうなったら一大事ですよ」


 クンクンと匂いを嗅ぎつつ席に座る。秋刀魚って匂いが強いんだな。焼いていると、遠くからでも今日のおかずが何か気付かれちゃうよね。


 クマグマちゃん達には小さく切り分けて、数人で食べて貰うようだ。あれ? クマちゃんは一匹丸ごとだ。


「それじゃあ、いただきます」


 唱和して、大根おろしとポン酢で頂く。――はむっ。おお、脂がのってる! 皮目がパリパリして身もほど良い硬さだ。脂があるからさっぱりした大根おろしが合う。これは、どんどん箸が進んでしまう。ご飯をガバッと口に入れて、秋刀魚をパクリ。ああ、幸せ~。


「おいふぃキュ。最高キュ~」


 クマちゃんは、ご飯を食べずに秋刀魚だけでお腹をいっぱいにするようだ。今まで、ご飯を食べなかった事なんて無かったよね。あっ、もしかして!


「クマちゃんは秋刀魚が一番好きなお魚なんですか?」

「キュ~、悩ましいキュ。青魚が特に好きなのキュ。旬の魚は特に美味しさが増すのキュ。あー、でも、この前の鯛も素晴らしかったキュ~」


 どうやら一つに絞れないほどにお魚全般が好きらしい。お魚に集中している所為か、今日の皆は会話が少ない。静かな部屋だったので、戸口でした小さなカサッという音がよく聞こえた。皆の目が一斉に戸口を見る。


「…………」


 勢揃いしている森の動物さん達と暫し見つめ合う。


皆様は秋刀魚を食べる時は、どのように食べますか?

作者は醤油と大根おろしの組み合わせが多いです。

秋刀魚の方がクマちゃんより大きいです。

お魚大好きな熊さんなので、ワイルドに一匹丸ごとです。食べきれるかな?


次話は、秋刀魚につきものの匂いを撃退です。


お読み頂きありがとうございました。


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