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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第四章 ペルソナ
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0254.大物がいっぱい

「ダーク様、どの人?」

「何でそんなに慌てているんだ? 知らずに雇ったのか? ここで花束を作っているだろう?」


 ダーク様の指さす人を見てクマちゃんが叫ぶ。


「キューーー⁉ モモしゃんの部下さんでキュよ!」

「物凄く腰の低い人物だったぞ」

「散々、こき使ってしまいました……。明日、私は消されてしまうのでしょうか?」


 ビャッコちゃんの魂が抜けそうだ。「しっかりして~」と、ゆさゆさ揺すっても反応が無い。


「それって、モモさんの方が凄いって事かな?」

「どうだろうね? モモが隠しているだけで、実力は彼より上かもしれないよね」


 カハルちゃんとシン様が冷静に話す内容が怖すぎる。モモ様が味方で良かったと心底思う。


「あー、それに土の国の王が見に来ているな。これは変装か?」


 まだ爆弾があった。「ほら、ここ」と示された人物を二度見してしまった。


「タオルのおじちゃん⁉」

「つなぎの人だ」

「ん? 書類配達で会った事があるのか?」


「は、はい。いつも、つなぎを着て首にタオルを巻いて、城内をウロウロしているので、よく会います」


「俺もよく見掛ける。会うと必ずお菓子をくれる良い人」


 シン様が「餌付けされてる……」と呟いている。はい、ここにも餌付けされている白族が居ます。


「も、もう、居ないでキュ? そうに決まっているのキュ」

「残念だが、まだ居る。ほら、ヒョウキがカゲと一緒にこっそり覗いているだろ。今頃、ミナモにバレて説教されているだろうな。はははっ」


 ダーク様が楽しそうに笑っている。ヒョウキ様の不幸は笑いを提供するらしい。シン様に至っては鼻で「はっ」と嗤っている。


「自業自得なんだけど、時々、可哀想になるよね」


「カハルちゃんもそう思います? でも、本人に言っちゃ駄目ですよ。ベタベタ絡んで来ますからね」


「ニコも結構言う」


「えっ、そう? ヒョウキ様の正しい対処法は完全無視だってミナモ様が教えてくれたよ」


「そうなんだ……。庇ってあげたいけど、本人がフォローを台無しにするんだよね」


 ヴァンちゃんはお手上げだと思ったのか、ハリセン作りを始めている。


「シン様、固い紙で出来たお菓子の箱はまだ有りますか?」


「うん、あるよ。ヴァンちゃん、僕のリクエスト通りにしてくれるの? ありがとうね」


「ん。ミナモ様の机に標準装備。シン様にも満足して貰える物を作る」

「ふふっ。二刀流にしちゃう?」

「おー、いいかも。大きいのと小さいの作る」


 ヒョウキ様、四面楚歌ですね。でも、元気いっぱいで生きているからいいか。


「……クマは疲れちゃったから先に寝まキュね」

「私も失礼します」


 大物情報でエネルギーを使い果たしたのか、クマちゃんとビャッコちゃんがヨレヨレと寝床に向かう。今日、お店に行ったクマグマちゃん達は既に座布団の上で丸まって寝ている。


「うん、おやすみ。――ん? 待った。歯を磨いてないよね」


 クマちゃん達が悲しげな顔で振り向く。もう何もしたくないと顔に書いてある。


「ああ、大丈夫だよ。僕が磨いてあげる」


 ビャッコちゃんは恥ずかしいのか首を横に振っている。


「じゃあ、ビャッコちゃん、絶対にお口を開けないでね。お水を口の中に作りだすから」


 カハルちゃんが指をちょいと振ると、ビャッコちゃんの目が大きく見開かれ口を開きそうになる。だが、様子を見ていたセイさんが手で押さえて開けないようにしている。


「はい、終了。おやすみ~」

「は、はい。ありがとうございます」


 ビャッコちゃんは眠気が少し飛んだのか、先程より目が開いている。


「どんな感じでしたか?」

「水が高速で歯に吹き付けられている感じでした。痛みも無く、ツルツルになっています。洗い終わったら、水は口の中から消えてしまいましたよ」


 おー、僕もやって欲しい。自分でやると磨き方に癖があるのか、磨き残しがあったりするんだよね。


「カハルちゃん、俺もやって欲しい。面白そう」

「僕もお願いします!」

「いいけど、今日は特別だよ?」


 ウンウンと頷く。具合が悪い時とかの限定ですよね。


「じゃあ、同時にいくよ。口を開けないように気を付けてね」


 二人でバッと口を押さえると、カハルちゃんが指をちょいっと振る。


「ふうふぉー」

「ふもぉーーーっ!」


 全ての歯を洗い終わると、水がパッと消えてしまった。


「終了だよ」


 ベロで歯を撫でるとツルツルだ。おぉー、これなら歯をキランと光らす事が出来そうだ。いーっと歯を剥き出しにして手鏡で見てみる。


「おぉー! キランだ!」

「ニコ、貸して」


 ヴァンちゃんもいーっとして、色んな角度から確認している。


「牙だ~」


 カハルちゃんは僕達の小さな牙に興味が湧いたらしい。


大物だらけでした。ヒョウキは何してるんだか……。ヴァンちゃんのハリセンが活躍しそうな状況ですね。

魔法便利。あっという間に歯がキランです。クマちゃんはシンに歯を磨いて貰っている間に寝落ちしました。


次話は、深呼吸してみようです。


お読み頂きありがとうございました。

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