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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第一章 鏡の魔物
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0024.正体

「条件が厳しいから、いつになる事やら。なんせ、未だにトップ3を倒せた事がない。鏡の魔物はペルソナの次に強い幹部なんだが、封印するのがやっとだしな」

 

 僕は口をあんぐりと開けて聞いていた。頭の回転が追い付きません……。


「もう、カハルの正体は分かっただろう? どうだ、ヴァン」

 

 ヴァンちゃんがハッとしたようにパチパチと瞬きをする。


「――創造主様……ですか?」

「ご名答。ずっと一番前で戦っていたのは、男ではなく女の子だったという訳だ。――あぁ、そうだ、宰相殿、俺が呼び捨てされるのも納得しただろ」

 

 残念ながら宰相様はフリーズしている。次に太古の歴史の話が大好きだと話していた子を見ると、僕と同じで頭が追い付いて来ないらしく、ぽけーっとしている。


「刺激が強すぎたか? だが、これが真実だ。さて、質問タイムといくか。挙手しろ」

 

 ヴァンちゃんが真っ先に手を挙げる。流石、理解が早い。


「ペルソナはもう転生しているのでしょうか?」

「あぁ、気配があるから間違いない。だが、あの男が自ら仕掛けてくる事はない。配下は次々に来るがな」

 

 フリーズが解けた宰相様が、青白い顔をしながら質問する。


「鏡の魔物が目覚めて居場所が分かってしまいましたが、救いに魔物が大挙する可能性はありますか?」


「そんな、しおらしい事はしない。奴が眠っている間に幹部になれるかもしれないんだぞ。先程は魔物を呼び出していたが、次に戦う時は奴一人だ」


「確信がおありなのですか?」


「あぁ、さっき物凄く怒っていたからな。奴の残忍で粘っこい性格からすると、俺達を独り占めしてズタボロにしないと気が済まないだろう」

 

 なんて嫌な確信だろう。宰相様の顔が強張ってしまった。なんか違う話題にしてみよう! 僕は元気よく挙手する。


「よし、ニコ。言ってみろ」


「はいっ。先程のお話で出ていた方達は、現存している国の王様のお名前と合致しているのですが、記憶などを持って転生されたと考えてよろしいでしょうか?」


「あぁ、そうだ。ヒョウキは魔国、ホノオは火の国の王だ。そして、闇の国の王である俺だな。関係者は国の中枢に多く関わる事が多いな」


「自分で選ぶのですか?」

「いや、自然とそうなっているな。復興や魔物討伐の指揮などをするから、都合がいい」

 

 都合がいいという言葉に宰相様が苦虫を噛み潰したような顔をする。チラッとそれを見やりつつヴァンちゃんが質問する。


「もし、権力がなかったら、どうされるのですか?」

「のし上がる」

 

 簡潔だ。ダーク様なら簡単にできそうだなぁとヴァンちゃんと頷き合う。


 そんな事を話している間に、カハルちゃんがもぞもぞとして薄く目を開ける。


「ん? 起きたか。お疲れ、カハル」

「……ん…………うん」

 

 物凄く眠そうに目をこすっている。その様子を笑いながら、ダーク様が話しかける。


「ベッドに入って寝るか? 俺のを貸してやる」

 

 カハルちゃんは小さく頭を振ると、僕達に目を向ける。


「私が何者か聞いちゃった?」

 

 僕達はコクコクと頷く。それきり、カハルちゃんが黙ってしまった。また寝ちゃったのかな? 僕達はトコトコと近付いて起きるのを待つ。暫くして目を開けたカハルちゃんが、群がる僕達に驚き目を丸くする。


普段は無表情な宰相様ですが、ダークが絡むと顔面が大忙しです。


次話は。カハルの守護龍が登場です。


お読み頂きありがとうございました。

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