表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第三章 クマの花屋
242/390

0241.みんなでお手伝い

「――お待たせ」


 シン様が犬さんを抱っこして戻って来た。身長は四十センチ位かな?


「どうも。どこを補修すれば宜しいんで?」


 渋くてカッコイイ! 毛は短めで白く、左目の周りに黒いブチがある。首には赤色のペイズリー柄のバンダナを巻き、黒いツナギを着ている。三角のお耳と少し長めのシッポがピーンとしており、生真面目さを感じる。きっと、ホノオ様が居たら、じりじりと近寄っている事だろう。


「実際に見て貰ってもいいかな? だいぶ焼けてしまったから」

「分かりやした」


 よく来ているのか、クマグマちゃん達が懐いている。沢山の子に纏わりつかれながら扉の奥に入って行った。


「ああっ、触りたかったのに……」


 モモ様が落ち込んでいると、ヴァンちゃんが目の前に行きバンザイのポーズをする。


「俺で良ければ、どうぞ」

「ヴァンちゃん!」


 感激して抱き締めている。ああ、あんなに頬擦りして……。


「ほら、モモはクマグマちゃん達の寝床を作ってあげて。ニコちゃんは生活に必要な物を各家から運ぶ手伝いをしてあげてね」


「はーい」

「セイとヴァンちゃんはフォレストの所に連れて行ってあげてくれる?」

「ああ。誰が一緒に行く?」


 リーダーが行くようだ。ヴァンちゃんは通訳なのだろう。


「わたちは?」

「カハルは休むのが仕事ね。まったりしながら、クマグマちゃんを愛でていてね」

「はーい」


 まだ幼いクマグマちゃんと一緒に腹這いになって足をパタパタさせている。泳ぐ練習ですか? すかさずモモ様が撮影してから、クマちゃんに連れられて地下に向かう。――ふっふっふ、驚いているぞ~。モモ様が滑り台……。じーっと滑る所を見てみたが、予想通り違和感がある。モモ様に似合う遊具って何だろう? 回転木馬とかかな? 後でヴァンちゃんにも聞いてみようっと。



 各々の作業をこなし、夕飯だ。蒸篭がぱっかりと開かれる。


「今日はシュウマイだよ。沢山お食べ」


 クマグマちゃん達が目をキラキラさせている。まだ熱々なので、ミニトマトを齧りながら、食べられる温度になるまで待つようだ。


「いただきます。――あちっ、ふーふー、あちっ」


 ヴァンちゃんは猫舌なのに、また熱いものに挑んで負けている。普段はせっかちではないのに、必ず挑むんだよね。食いしん坊って事かな? それとも、シン様のご飯が魅力的過ぎる所為か。


「そんなに急がなくても、いっぱい作ってあるから大丈夫だよ。はい、お水」


 シン様がいつものようにお水を差し出してくれる。氷を口にポコッといれたヴァンちゃんが「ふご」と返事をしている。


「――邪魔するぞ」


 声に振り向くと、ダーク様がお家に入って来る所だった。


「クマの様子を見に来たんだが、似た様なのがいっぱい居るな」


 人差し指でちょいちょいと顎や耳などを撫でられたクマグマちゃん達が、恥ずかしそうにモジモジしている。


「いらっしゃい。ご飯はもう食べた?」

「いや、まだだ。シン、この小さな熊たちはどうした?」

「火事で住処や収入源が燃えてしまってね。一時的に、うちへ避難中だよ」

「そうか……。だったら、仕事をしないか? 花びらを毟るだけなんだが」

「花びら? 何に使うの?」


「インフィオラータを闇の国で行うんだ。その他にも飾りつけだの色々と手伝ってくれてもいい。城の者達も作りたいらしいんだが、通常の業務もあって、なかなか手が回らなくてな。時給千圓出そう。どうだ?」


 なかなか良いんじゃないかな? 人数も必要そうだし、短い期間で稼げる。ただ、体が小さいから全身運動になりそうだけど。


「やりたいキュ! ――ハッ! 今のなしでキュ! キュ~~~」


 お花のアートに興味をひかれたクマちゃんが思わず手を挙げている。ふふふ、照れて可愛い~。是非、僕もお花のアートは見てみたい。


「くくくっ、歓迎するぞ。で、お前達はどうする?」

「グマー、グマグマ」

「是非、お願いしますだそうですよ」

「そうか。城の者達も喜ぶだろう。何人来るんだ?」


 ヴァンちゃんが通訳に入りながら、細かい事を決めていく。これでひとまずは安心だ。モモ様を見ると、酷く残念そうな顔をしている。


「どうされたのですか?」

「私は少しも力になれなかったなと思ってね」


「そんな事はないですよ。魔力を供給してくれたので、カハルちゃんは力を使えましたし、美味しいお茶も入れて下さいました。それに、こうやって気遣ってくれる方というのは、ありがたいと思いますよ?」


「グーマー」


 側に居るクマグマちゃんが頷いている。「ね~」と笑い合っていると、ビャッコちゃんも会話に参加する。


「今、お聞きしましたが、クマちゃんの花屋さんの件で大活躍だったそうですね。私が一族に探りを入れている間に片付いてしまいました」


「ふふっ、皆ありがとう。君は何という一族なの?」

「白狐族です」

「どう見ても人間だけど……。気配も完全に人間だよ?」


 モモ様がしげしげと見つめ感嘆している。


テラケル族は二足歩行のブルテリアっていう感じです。

モモはモフモフ好きなのでテラケル族の事も知っていました。

ダークのお蔭でお金もなんとかなりそうですね。モモは悔しがっていますが、十分に活躍しています。


次話は、ニコちゃんとヴァンちゃんがラブラブです。


お読み頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ