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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第三章 クマの花屋
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0214.喜びを分かち合いましょう

「ほっほっほ、仲が良いですのぉ。何でも自分でやってみたい年頃ですかな?」

「そうだね。もう少し大きくなったら出来るよって言っても、今やりたいの! ってこの膨れた頬が主張するんだよね」


 シン様に頬をツンツンされて「むー」と抗議の声を上げている。僕とヴァンちゃんもやりたくてウズウズしております。そこへ、アキラさんとクマちゃんが来る。確認などが終わったようだ。


「小さい頃のアキラも駄々をこねて、そんな風に頬を膨らませておりましたのぉ」

「ちょ、や、止めて下さい。恥ずかしい話を皆さんにしないで下さい!」


 照れて顔が赤くなっている。こいうのあるよね。親しい人が自分の失敗談とかを他の人に話してしまうって事が。いたたまれないので止めて欲しいと僕も思います。暴露されたくない失敗談が多過ぎるのが、そもそもの原因か……。


「みんな似た様なものだから大丈夫だよ。ね、ヴァンちゃん」

「ん。可愛い」


 シン様とヴァンちゃんに励まされ、弱ったなぁという顔でアキラさんがしゃがみ込む。


「ヴァンちゃんて大物になりそうだよね」

「? これ以上は大きくならない」

「はははっ、身長じゃないよ。君はそのままでいてね」

「ん? 俺は俺以外にはなれない。出来る事をやっていく」


「うん。そういうブレない所が良いよね。是非スカウトしたいな」

「駄目だよ。ヴァンちゃんとニコちゃんは、うちの子なんだから」

「めっ、よぉ。あげにゃい!」


 感激しているとクマちゃんにツンツンされる。


「嬉しいのキュ? 感激しちゃってるでキュ? この幸せ者~、うりうりでキュ」

「クマちゃんも共に喜びを分かち合いましょうよ~。バンザーイ」


 クマちゃんの腕を持ってバンザイさせる。くっ、何て可愛いの!


「俺にもやらせて。――バンザーイ」

「キュー!」

「僕も……いえ、何でもありません」


 アキラさんが何とか踏み止まっている。やらないの? とクマちゃんがアキラさんを見上げている。僕達もじっと見ながら、やっちゃえ~と念も送ってみる。


「あー、その、えーと……。や、やります!」


 よく言った! とヴァンちゃんと共に足をバシバシ叩く。


「何でヴァンちゃん達の方が嬉しそうなの? ははは、参ったなぁ……。えーと、クマちゃん、失礼します」


 小さくて細い腕をそーっと持っている。そこまで慎重にしなくても折れたりしませんよ? くすっぐたいのかクマちゃんの口元がひくっと動いている。


「バンザーイ」

「キュー!」


 あー、アキラさんが凄く嬉しそう。また一人、クマちゃんの魅力に落ちた。まったく、罪な男ですな。


「アキラがそんなにはしゃいでいるのを見るのは久し振りだのぉ」

「えっ⁉ すみません……」


「何を謝る事がある。最近、肩肘張って無理しておっただろう。もっと、そうやって楽しめばいい。のぉ、クマちゃん?」


「そうでキュ。この前も言ったでキュ? そのままのアキラしゃんが良いのでキュ」


「……ありがとう。もっと自分の気持ちを大切にしてみるよ」


 満足気に頷いているクマちゃんをアキラさんが抱き上げた所で、シン様が声を掛ける。


「今日の用件はもう終わったの?」


「モキュ。アキラさんのお店で決定なのキュ。欲しい物も伝え終わって、ポンポコさんのお屋敷の人から朝顔の代金も受け取ったのキュ。いつでも帰れまキュ」


「そう。他に何か必要な物があれば、僕が町に連れて行ってあげるよ」


「今は大丈夫なのキュ。後はセイさんにこの前の棚とかを運んで貰うのと、金曜日の面接でキュね」


「何人雇うのかのぉ?」

「一人でキュ。状況に合わせて増やしていくでキュ」

「そうか。困ったらいつでも相談に来るといい。もう帰るのかな?」


「そうさせて貰うよ。そうだ、伝え忘れていた。ダークがよろしく伝えてくれって言っていたよ。みんな、帰るから掴まってね」



 僕とヴァンちゃんは配達、クマちゃんはフォレストさんの所へ。シン様とカハルちゃんはお家で過ごすそうだ。


「帰りはセイと一緒に帰って来てね。お仕事頑張るんだよ」

「がんばるんだにょー」


 シン様の真似をしているらしい。手を振ってくれたカハルちゃんが目の前から消える。はぁ、暫くお別れかと俯くと、ヒョウキ様に顔を覗き込まれる。


「そんな残念そうな顔すんな。今日のおやつはカスタードたっぷりの美味しいエクレアだぞ。ほれ、頑張って来い」


 いつもなら心躍る筈なのに、今は無理だ。自分で思っていたよりもずっと、カハルちゃんに飢えていたらしい。仕事に集中して気分を変えてこよう。


ニコちゃんは色々とやらかしているので、過去をつつかれたくありません。

いじる方はネタの宝庫でかなり楽しいです(笑)。

クマちゃんがモモに続き、アキラも攻略しました。罪な男は次は誰を落とすのでしょうかね~。


次話は、ニコちゃんが歌います。


お読み頂きありがとうございました。

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