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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第一章 鏡の魔物
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0016.大きいよ?

「あれ?」

「ニコ、どうした?」

 

 ヴァンちゃんが首を傾げて僕を見る。背伸びをして後ろを見るけど居ない。えっ、嘘だよね? カハルちゃんが居ない……。だんだん血の気の引いていくのを感じながら僕は走り出す。


「おい、ニコ⁉」

 

 ヴァンちゃんの焦った声を聞きながら、隣の部屋に飛び込み叫ぶ。


「カハルちゃん!」

 

 お城の人達がビックリして僕を見るけど、構っていられない。ずんずん進みながら姿を探す。居ない、どうしよう……。下敷きになった? ぞっとして闇雲に瓦礫を持ち上げようとする僕の肩をヴァンちゃんが掴む。


「ニコ、危ないからやめろ」

「でも、でも、早く助けないと……カハルちゃん、カハルちゃんっ」

 

 半ベソになりながら叫ぶ僕の耳に返事が聞こえた。


「はい、私がカハルですけど……」

 

 急いで振り向くと、赤いドレスの女性がこちらを申し訳なさそうに見ている。あれ、同じ名前の人なのかな?


「あ、あの、カハルちゃんは僕達よりも身長が小さい女の子なんです。見掛けませんでしたか?」


「えーと、私がそのカハルなんだけど……」

「?」

 

 頭に疑問符しか浮かばない。


「ニコ、あの女性がカハルちゃんなんだ」

「……大きいよ?」

「あのね、この姿が本来の姿なの。でも、力の消費が激しくて、この姿を維持し続けられないの。だから、普段はニコちゃんの知っている姿なんだよ」

 

 確かに口調は僕の知っているカハルちゃんのものだ。雰囲気も似ているかも?


「俺の目の前で、この姿になったから間違いない」

 

 ヴァンちゃんが断言する。そこに、ダーク様が来た。


「どうしたんだ? 急に走り出して」

「ダーク様……この方がカハルちゃん? だそうなんです」

「あぁ、そうだが」

「!」

 

 当たり前だろうという口調で言われ、僕が思わず女性を凝視すると、居心地悪そうに身じろぎする。そして、目をウロウロさせた後、ダーク様に話し掛ける。


「えーと……ダーク、魔物の残党の気配を探ったけど、完全に消えているから」

「そうか、助かる。皆に伝えよう」


カハルが疑惑の眼差しにタジタジです。

ニコちゃんはまだ半信半疑ですね。


次話は、お城の人達がダークの行動に大騒ぎです。ニコちゃんは、そろそろ信じてくれる筈?


お読み頂きありがとうございました。

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