0014.瓦礫の山
「ニコ、無事か?」
「はい、大丈夫です。守って頂き、ありがとうござ……ケホッ……ケホケホ、ケホッ」
「大丈夫か? 布越しに息をしろ」
ダーク様に背を撫でて貰いながら、ハンカチを口に当てる。粉塵がもうもうと舞っていて、少し先が見えない。その時、ガヤガヤと沢山の声や足音が聞こえ始めた。
「――来たか」
「何が来たんですか? もしかして敵ですか⁉」
「いや、城の者達だ。兵と魔法使い達を、いざという時の為に待機させていた」
少しずつ収まってきた粉塵越しに、薄っすらと人影が見える。その人達は驚きの声を上げながらダーク様を呼ぶ。
「此処だ。部屋の最奥にいる。魔物の残党が生きているかもしれないから気を付けろ」
応える兵士さん達の声を聞きながら、僕も気合を入れ直す。
そうだ、鏡! キョロキョロと見回す。
「これか? 無事だぞ」
ダーク様が眼前に鏡を掲げてくれる。ほっ、良かった。
「さて、戻るか。新たに祭壇を設けるぞ」
「はい。皆、無事かな……」
「あぁ、無事に決まっている。元気な顔を拝みに行くぞ」
「はいっ」
ダーク様と一緒に歩き始めて少し経つと、魔法使いの人達が粉塵を吹き飛ばしてくれているのか、急速に視界が開けてくる。
そこには無残な光景が広がっていた。上からは、まだパラパラと石の欠片が降っている。太い柱が辛うじて残っているだけで、荘厳な地下宮殿だった場所は瓦礫の山と化していた。その中で一際、目を引くのは――結界。
良かった、無事だ! 僕は思わず走り出す。
「おい、ニコ危ないぞ」
ダーク様の声を背中に聞いたけど、止まる事が出来なかった。
「おーい、みんなー」
僕が手をブンブン振りながら呼ぶと、皆も嬉しそうに手を振ってくれる。その中の一人がハッとして叫ぶ。
「ニコ、上っ‼」
大きな瓦礫が頭上に迫っていた。
えーと、物凄く短くて、すみません……。頑張ります(;´Д`)
瓦礫とか崩落の時のお決まりですね!(すみません、作者が勝手にそう思っているだけです)
次話、助けに現れるのは誰だ⁉ ですね。
お読み頂きありがとうございました。




