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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第三章 クマの花屋
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0128.口の周りは何味?

「海の幸、うまい」

「ねぇ。海も綺麗だったよね。仕事で護衛対象を港まで送って、とんぼ返りばかりだったから、じっくり見た事もなかったし」

 

 ヴァンちゃんと会話しているとミナモ様達も加わって来た。


「お二人は泳げますか?」

「犬かき得意」

 

 ヴァンちゃんの言葉に全員が黙って想像している。メイド長さんが思わず「可愛い……」と漏らしている。


「普通にも泳げますよ。ねっ、ヴァンちゃん」

「うむ。川と温泉で練習した」

「温泉ですか?」

 

 ミナモ様が不思議そうに聞いてくる。そういえば、白族の村に来たことがなかったっけ。


「白族の村には温泉があるんですよ。空いている時に行って、小さい頃によく泳いでいたんです。昼間はじっさま達がよくいて、泳ぎ方を教えてくれました」


「ニコちゃんとヴァンちゃんのお祖父様ですか?」


「違います。僕達は村で生まれた子じゃないんです。でも、皆は僕達を家族の様に扱ってくれます。普段は村長の家に住んでいるんですよ」

 

 質問したメイド長さんが考え込んでいる。それを見ていたダーク様が説明してくれた。


「ニコとヴァンは野生のデラボニアから産まれたんだ。心配しなくても村の者は良い奴ばかりだから問題ない」


「野生、ですか? 初めてお会いしました……」

 

 ダーク様以外の人は衝撃を受けたようだ。僕も自分とヴァンちゃん以外で野生のデラボニアから産まれた人を知らないので、相当珍しいのは確かだ。まぁ、偏見の目で見られる事もあるから、隠している人もいるかもしれないが。


「野生のデラボニアから産まれた者は身体能力が高いと聞いた事があるが、そうなのか?」


「そうですねぇ。僕もヴァンちゃんも他の子に比べて喋るのも歩くようになるのも早かったです。僕やヴァンちゃんと互角に戦える者は村にはいません」

 

 セイさんが頷いて僕達をじっと見る。外見は皆と同じですよ?


「……風呂に行くか。口の周りが大変な事になっているぞ」

 

 気になっていたのはそっち⁉ 口の周りをペロペロ舐めると非常においしくて香ばしい醤油味がする。これは急がねば。


「じゃあ、セイは白ちゃん達とクマちゃんとお風呂へ先に入っちゃって。ダークは泊まっていく?」


「いや、今日は帰る」

「そう。帰る前に焼いた所の片付けをお願いしてもいい?」

「勿論。クマはセイにひっついとけ」

「了解でキュ」

 

 僕達も片付けを手伝わなくていいのだろうか?


「毛がガビガビになる前に行っておいで。片付けはこれだけ人数が居るから大丈夫だよ」

 

 皆がニッコリと笑いながら頷いてくれる。では、お言葉に甘えまして。口の周りをペロッと舐めているヴァンちゃんに声を掛ける。


「行こう、ヴァンちゃん」

「うむ。ホタテバターの味がする」

 

 セイさんが慌てて口を手で押さえている。ツボに入りましたか? クマちゃんが小刻みな揺れに合わせて、「モキュ、モキュ、キュッ」と嬉しそうに声を出しながら運ばれていった。



 シン様に送られて行くメイド長さんとミナモ様、自身で移動の魔法を使うダーク様を見送り、お布団にダイブする。はぁ~、ふかふかお布団が気持ち良い。横のヴァンちゃんを見ると目が閉じかかっている。僕もこのまま寝ちゃおう。おやすみなさい……。

 

 その夜は、カハルちゃんと一緒に大きな船に乗り、イルカさんを見てはしゃいでいる夢を見た。正夢になるといいなぁ。


村長夫妻がニコちゃん達の親代わりです。

獣族は元々、身体能力が高いうえに二人の努力もあって、かなり強いです。


次話は、皆の年齢が明かされます。


お読み頂きありがとうございました。


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