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NICO & VAN ~最愛の主様を得たモフモフのほのぼの日常譚~  作者: 美音 コトハ
第一章 鏡の魔物
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0009.復縁

「しょうがない、これ位で許してやろう」

 

 やっと解放された僕は、頭が凹んでいないか思わず確認する。――良かった、凹んでいない。うぅ、まだズキズキする……。手でさすさす撫でていると、誰かの手が重なった。


「ダークが酷い事してゴメンね。今、治すから。あっ、嫌だったら止めるから――」

 

 僕はその言葉に痛みも忘れて、離れてしまいそうな女の子の手をがしっと握り言い募る。


「嫌じゃないし恐くないです! 本当にごめんなさい。だから……だから、やり直すチャンスを下さい。お願いします!」

 

 ずずいっと女の子に顔を寄せた僕に、ヴァンちゃんがポツリと一言。


「復縁を迫る元彼みたいだな……」

 

 その瞬間、全員が吹き出した。


 あーっ、もう台無しだよ! 僕の渾身の謝罪だったのに。頭の痛みも戻ってきたじゃんかっ。ぶすくれる僕の耳に可愛らしい笑い声が聞こえてきた。


 目の前の女の子がクスクス笑いながら、僕の頭をそっと撫でてくれると、スーッと痛みが引いていく。


「もう、痛くない?」

「はい、ありがとうございます!」

「こちらこそ、ありがとう。復縁よろしくお願いします」

 

 そう言って笑いながら、ペコリとお辞儀する女の子。僕は嬉しくなって、思わず言ってしまった。


「はいっ、カハルちゃん」

「‼」

 

 まん丸になった目を見てハッとする。まずい、馴れ馴れしく呼んでしまった。どうしようと、目をウロウロさせていると――。


「嬉しい……。呼んでくれて、ありがとう」

 

 そこには満面の笑みを浮かべている女の子が居た。思わず見入ってしまった僕を仲間達が小突いてくる。


「ニコばっかりずるいぞ。俺達だって呼びたい」

「そうだ、抜け駆け禁止」

 

 ずるいコールが起こる中――。


「俺も呼びたい」

 

 なんとヴァンちゃんまで! そんな風に言うなんて珍しい。あんまり他人に興味ない方なのに。仲間達もびっくりしたようにヴァンちゃんを見る。


「ん? 何だ、俺はダメなのか?」

「ううん、皆、カハルって呼んでね」

 

 カハルちゃんが嬉しそうに皆を見回す。そんな、カハルちゃんの頭を撫でたダーク様が口を開く。


「結束も高まった所で、作戦会議するぞ」

「はいっ‼」

 

 全員の声が揃った素晴らしい返事だった。


前話の後書きで、ついに! とか言いつつ、名前を呼ばれただけでした(笑)。

ちびっこの集まりなので、ほのぼのです。


次話は、作戦会議です。ダークがいっぱい喋ります。


お読み頂きありがとうございました。

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