初対面の日
どうも皆さん、熊似の燃えるナイスガイ、ヨギルです。
今日は待ちに待った帰省の日。
愛しい妻と愛しい息子との対面の日です。
俺はギルバーツ王国という国で、騎士団団長を勤めている。
昔からの上司のクソジジイに押し付けられたんだがな。
長らく対立している隣国が不穏な動きを見せているとの情報から、
約2年もの間、任務で家を空けることとなってしまった。
当時の俺はこの任務を断れず、
出産を控えた妻を置いていく決断を迫られた。
悔しかった、2年で隣国をギルバーツ王国の支配下に置くぐらいには悔しかった。
そうして隣国を滅ぼした俺は、
今日、愛しい妻と愛しい息子の元へと帰ることになった。
あぁ、早く帰ろう。
ソフィアは元気だろうか。泣いてはいないだろうか。
エミルはどうしているだろう。腕白に育っているのだろうか。
もう少し、もう少しで家に着く。
馬車を降りて来て正解だった。
あんなものに乗っていたら2日はかかっただろうから。
我が家が見えた。
小さな子供が庭で何かしている。
もしかして、エミルか?
いや間違いない。あの燃える様な髪の色と、ソフィア似の顔立ち。
絶対にエミルだ。
涙が溢れた。目の前が霞んでよく見えない。
走ろう。力一杯抱きしめるんだ。
そう思うと自然に身体が動いていた。
「おーい、エミルー、エミッ‼」
何故だかは分からないが、人の顔程の大きさの岩が飛んできて、
俺は出鼻を挫かれた。