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ネットサーフィンから始まる異世界生活  作者: ミネラル
一章 異世界の日々
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父親と出会った日

俺が生まれてから2年が経った。

俺は毎日ソフィアと仲良く魔法の訓練をしている。

危険だと反対されることもなかった。子供の興味を優先する教育方針らしい。

ソフィアは、昔王宮で魔法の先生をしていたんだそうだ。

大したものである。

まぁ2歳の俺には、高度な説明なんてしないがな。


「エミル~。私の後に続いて唱えるのよ~。」

「はい、母様。」

「広大なる大地よ、その慈悲を持って、絶対なる盾を掲げよ。

『アースウォール』‼‼」

「こうだいなるだいちよ。そのじひをもって。ぜったいなるたてをかかげよ。

『あーすうぉーる』‼」


俺とソフィアの前に、大小の土の壁が競り上がってきた。


「ふふ。やっぱりエミルは天才ね。さすが私の子だわ。」

「痛いです、母様。」

ソフィアは俺を抱きしめる。ちょっと親バカなのだ。

そして、今のが詠唱魔法だ。

俺の推測通り、詠唱は魔力を誘導する役目を持っていた。

誘導された魔力は、術者の意思で発動する。

今から発動しますよーっていう宣言としての魔法名だ。

魔法は詠唱のみで発動するらしい。それが常識だそうだ。


……そう。おかしいだろう。俺が初めて魔法を使った時、俺は詠唱をしていない。

喋れなかったからな、当たり前だ。

でも確かに、確かに俺は魔法を発動させた。

あの時、詠唱による魔力の流れを真似して『スプラッシュ』を出した。

だからできないはずがない。詠唱のみで発動するなんてことはないはずなんだ。

俺ができるんだから、他人にできないはずがない。

調子に乗らない様にしよう。

子供が詠唱無しで魔法を発動させたら、ソフィアを心配させるかもしれないな。

でも、練習しないわけにはいかない。

だって、格好いいじゃん『無詠唱』。


そんなわけで俺は毎日ソフィアとの訓練の後に、

こっそり無詠唱の練習をしている。

ソフィアが晩御飯を作っているときに、

普通の練習を装って習った魔法を無詠唱で発動させている。

一度詠唱したことがある魔法は、流れを身体が覚えているので無詠唱で再現できる。

威力だって変わらない。詠唱より強くすることだって可能だ。

今日も頑張ろう。

そう思い俺は、人の頭の程の岩を創った。これは『ロックボール』という魔法で、

この岩を前に飛ばす事ができる。

シンプルでとてもいい魔法だ。地味とか言う馬鹿もいるようだが、俺は好きだ。

さぁ、今日も思い切り飛ばしてやろう。

ふふ、飛んでけー。


ゴツンと言う音が響いた。嫌な予感がした。

急いで音がした方に駆け寄ると、でっかい人が倒れていた。

やばい、生きているだろうか。恐る恐る声をかける。

「あの、大丈夫ですか?」

「……………。」

返事がない。この年で前科持ちか。やっちまったな。

ソフィア悲しむだろうな。どうしよう。


俺が途方に暮れていると、

「ククッ……ハハハハハハ」

笑い声が聞こえた。

どうやらこのデカイおっさん。生きてるな。良かった。


「久々に帰ってきたら、いきなり狙撃されるとは。

更に相手は自分の息子ときた。笑えるな。」


ん?このおっさん、今何て言った?


「ただいま。我が息子エミルよ。大きくなったな。」


こうして俺は父親を名乗るおっさんと出会った


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