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ネットサーフィンから始まる異世界生活  作者: ミネラル
一章 異世界の日々
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魔法に出会った日


どうも、エミルです。

俺が生まれて6ヶ月が経ちました。

元気一杯、穏やかな日々を過ごしています。



この世界に生まれて6ヶ月。

まぁ、こうして皆さんに報告してる時点で言うまでもないんですけど、

俺自我があります。

いい大人だった俺が、赤ん坊をやっている。

おしめを換えられたり、おっぱいをもらったり、

恥ずかしいったらない!

何だこれ!罰ゲームか!

でも人間って、すごいですね。適応力?

もう慣れてきました。むしろ、早くおっぱいにさわ……


コホン。

話を変えましょう。


恐らく、この世界に生まれることになった原因であるあのサイト。

あのサイトにあった『人生をやり直しませんか?』という質問、

あれがイタズラではなかった、俺はそう考えています。

というか、そうでないとこの状況の説明がつかん。

質問に答えた結果、俺は今こうして赤ん坊をしている。


おかしくない?普通、転生モノってこう、女神とかがさぁ、

ハローって出て来て、ふわーって送り出してくれるもんじゃないの?

何だよ、ネットサーフィンしてたら転生って。

雑だよ!


……文句を言っても、元の世界に戻れる気配が無いので、

気にしないことにしました。

俺の身体がどうなっているとか、

俺は死んだのかとか、

考えることは結構あるけど、

今こうやって、姿は違うけど生きてるから、

とりあえずいいかなって思っています。



「エミル~。いい子に寝てましたか?」


この人は俺の母親だ。

名前はソフィア。出産したとは思えないナイスバデーのお母さんだ。

金髪ブロンドのロングヘアーで、

今日も髪と胸を揺らしながら、家事に勤しんでいる。


そしてなんと、人間ではない。エルフなのだ。

視界がはっきりする様になってから、俺も驚いた。

母親がエルフだったから、

俺はこの世界が元の世界とは別の世界だということを確信した。


「あぁああーー。」

「あら、エミル。どうしたの?

あぁ、お腹が空いたのね。ちょっと待ってね~。」


至福の時だ。こんな美人のおっぱいに吸い付けるんだぞ。

合法で。合法でだ。

こんな幸せがあっていいのだろうか。

誰かに分けてあげたくなる。

……絶対に分けないけどな、このおっぱいは。


元の世界に戻りそうもないので、

俺はこの異世界生活を楽しむことにした。

断じておっぱいに釣られた訳じゃないぞ。

違うぞ。違うからな。



この異世界を楽しむことにした、もうひとつの理由。

それは、魔法。

そう、ファンタジーを語る多くの物語に登場する、

不思議な力のことだ。

この世界では、当たり前のように魔法が使われている。

街並みは、中世ヨーロッパの様な街並みなのだが、

魔法があるおかげで、便利な生活を送っているみたいだ。

俺もソフィアが魔法で洗濯をしているのを毎日眺めている。


俺には今やりたいことがある。

それは、魔法を使ってみたいという欲だ。

使えばいいじゃないかって?

できるなら、悩んだりなんてしないさ。


今の俺は、生まれてから僅かしか経っていない。

そう、

喋れないのだ。


魔法には詠唱を必要とするらしい。

喋れない俺には、詠唱ができない。

つまり、魔法が使えないのだ。


悔しい。使いたい。どうしても、魔法が使いたい。

だって憧れるじゃないか。

魔法だぞ。

不思議パワーだぞ。


喋れる様になるまで、なんて待てない。

諦められない俺は、魔法を知ったその日から、

ソフィアが魔法を使うのを眺めていた。

毎日、毎日、毎日。


そして気づいたんだ。


ソフィアが魔法を使うとき、身体からオーラの様な物が出ていることに。

しばらくは、錯覚だと思っていたが、どうもこれが魔力と言うやつらしい。

確信してから更に気づいた。

これ、俺からめっちゃ出てる。


ソフィアを観察した結果、

魔力は詠唱に従って一定の動きをする。

そんなことも分かった。


喋れなくても、

詠唱なんてなくても、

この動きを真似する事ができたら、

魔法使えんじゃね?



それからは、この溢れ出る魔力を動かす練習をした。

それは大変な日々だった。

考えて見てほしい。

もし、君に急に尻尾が生えてきて、動かし方がわかるだろうか。

分からないだろう。


だから、俺はイメージした。

魔力を自在に操る自分を。

魔力は、身体を血液のごとく巡る。

イメージしたのはダム。

魔力(水)は絶え間なく、俺の身体を流れている。

その流れを、溜める。

ダムのように一定の場所に溜め込む。

そして、溢れてそうになったら、放出する。

そんな修行を3週間。


生後6ヵ月にして魔法の修行に勤しんだ俺は、

今日、遂に魔法を使ってみようと思う。

魔力は、もうある程度自在に動かせる。

修行の成果だ。



ソフィアが洗濯の時に使う『スプラッシュ』という

水を出す魔法を使ってみようと思う。

修行でイメージしたのも水なので多分できる。

できるはずだ。できると思う。

できるといいなー……

詠唱はできないので、毎日観察して覚えた魔力の流れを真似てみる。

イメージだ、想像しろ、ダムだ。水が出てくる、水を出す、水、水、水。

手の甲に溜めた水が放出する。

放出した水に向かって、頭の中で叫ぶ。


『スプラッシュ‼‼』


激しい脱力感と共にコップ一杯分の水が、

俺の手から吹き出した。

成功だ。

俺は勝利の雄叫びをあげた。


「エミル~?

そんなに大声で泣いてどうしたの?

あら、この子お漏らししてるわ。」


俺の初めての魔法は、

お漏らしと間違われる結果となった。



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