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ネットサーフィンから始まる異世界生活  作者: ミネラル
三章 大冒険の日々
22/24

冒険者になった日

屋敷を旅立った。

二人で。

初めての旅。初めての野宿。

狩りは慣れているので、

食料には困らなかったが、

ゴツゴツした木の下で寝るのは慣れなかった。

思えば、転生してから今日までの自分は、

恵まれていたと感じる。

いや、今もか。

隣にはイスカさんがいる。

独りじゃない旅は、いいな。


朝になり、しばらく歩くと街が見えてきた。

そこはオルデバラン公国の端、冒険者の街「ヨーロフ」だ。


「エミル、まずは冒険者になりましょう。」

「冒険者?何でです?」

「えっとね、お金とかじゃないの。

これからの旅で、私たちに必要なものは情報だよ。

ギルドには情報が集まるからね。

いい噂も悪い噂も。

近づかない方がいい場所とか知っとかないとね。」

「なるほど。わかりました。」

「うん。じゃあ行こっか。」


街は人で溢れていた。

商品を売る者。

ケンカをする者。

買い物を楽しむ者。


…家族で歩く者。


街は大きかった。

真ん中に大きな建物があり、領主が住んでいるんだそうな。

領主かー。いい人だといいよね。知らんけど。

四方に教会があり、それぞれ別の宗教の建物らしい。

面倒そうだから、近づかないでおこう。


しばらく歩くと、剣の看板を掲げるギルドが見えた。

「ここですか。」

「うん。じゃあ入るよ。」


ギルドに入ると、

予想通り、世紀末みたいな奴等が酒を呑んでいた。

……やっぱ冒険者ってそうだよねー。

世紀末が一斉にこちらを向く。

イスカさんは旅人らしい服装だが、

俺はメイド服だ。

これは、絡まれるか?


世紀末共は皆モジモジとしている。


イスカさんが可愛いから話しかけないのか?

ウブか!こいつらは!

世紀末の癖に!


「…おい、超美少女だ。メイドっ娘だぞ。」

「ああ。可愛いな。」

「あんな娘にご奉仕されてぇー。」

「おい、お前ら!俺らの誓いを忘れたのか!」

「「「イエス、ロリータ!ノー、タッチ!」」」

「そう、それでいい。」


なんか俺にねっとりとした視線が向いてる気がする。

…まあいいや。

絡まれないなら、むしろそれでいいだろう。

早く冒険者になろう。

「私はもうギルドカード持ってるから、

ここで待ってるね。」

「はい。行ってきます。」




「受付はここですか」

「そうよ~お嬢ちゃんはお姉さんの付き添い?」

「いえ、僕も冒険者になりに来たんですが。」

「え!お嬢ちゃんが!?」

「…はい、ダメですか?」

「う~ん、おすすめはできないかな~。」

「大丈夫です。こう見えて僕、結構強いので。」

「……じゃあとりあえず、この水晶に手をかざしてもらえる?

そうすればカードを作れるから。」


綺麗な水晶だ。能力を読み取るとかそういうのかな。

すごいファンタジーっぽい!

俺はワクワクしながら、水晶に手をかざした。


「はい、ありがとうね。…ってなにこの数値!

お嬢ちゃん何者なの!すごい!すごいわ!」

「?」

「ギルド長~!ちょっと来て~!」


「そんな大声でなくとも聞こえるわい。」

受付の奥から、デカい爺さんが出てきた。

「ギルド長!すごいの!この子!見てこれ!」

「確かにすごいの。特に魔力は超一流じゃの。

お嬢ちゃん、年は幾つじゃ?」

「もう少しで8歳です。」

前の世界からなら29だがな。


「ほう。その年でもう上級魔法が使えるのか。」

「はい。頑張りましたから。」

この水晶、そんなことまでわかるのか。

プライバシーもへったくれもないな。


「うーむ。8歳か、本来なら断る年齢じゃが、

上級魔法に武技まで使えるのなら、特例で認めてもいいじゃろう。」

「ありがとうございます。」

「うむ。それにあのイスカがついておるみたいじゃしな。

問題なかろう。」

イスカさん、こんなところまで名前が通っているのか。

流石だ。超人メイドは伊達じゃないな。


「お嬢ちゃん!ジョブはどうする?

魔法使い?あ、でも武技も使えるなら戦士でもいいわね!」

受付のお姉さんは興奮ぎみだ。

その度に胸が揺れる。

いいね!


じゃない。

ジョブ、ジョブかー。

どうしよう。

「それって何でもいいんですか?」

「そうね~、基本的には皆今あるモノにするけど、

別に決まりはないわよ。魔法騎士とか名乗ってる人もいるし。」


決まりはないのか。

なら、名乗りたいものがある。

「じゃあ、サムライでお願いします。」

「さむらい?」

「ええ。」

「分かったわ。さむらいが何かは分からないけど、

ちょっとまってね。」


しばらくするとタバコの箱程の大きさの鉄板を渡された。

「はい!これがあなたのギルドカードよ!

魔力を込めて『ステータス』と言えば、

あなたの現在の強さが分かるわ!」


ほう。それは便利だな。

「ありがとうございます。

じゃあ早速、『ステータス』!」


エミル age:8

種族:ハーフエルフ

性別:女?

ジョブ:メイドザムライ

筋力:B

魔力:S

魔法:火中級、水中級、風中級、土上級

武技:瞬斬、岩斬り

装備:土魔法の腕輪、魔刀クニナガ、メイド服


………。

言いたいことが多すぎるぞ。

なんだよ!性別女?って!

男だよ!ちゃんと男だよ!

しかもジョブ、サムライじゃないじゃん!

え?設定したんじゃないの?!

メイドに侵食されてんじゃん!

メイドサムライで言いにくかったのかな!?

ザムライって!ザムライって!

濁してんじゃねぇーーーー!!!


「あの、なんかちょっと内容が違う気がするんですが!」

「ほっほ、それはギルドカードの特性じゃの。

ギルドカードは女神の加護を使ったものじゃからの。

よく女神にイタズラされるんじゃ。ま、諦めい。」


こんなところに女神かよ!

転生したときに出てこなかったくせに、

ギルドカードには出てくる女神って!


「そのカードは自動で更新される。たまに見てみることじゃな。」

「……はい。」


見たくねー!

……まあ、自分の成長が分かるのはいいことか。

俺の魔力Sもあったんだな。

筋力は、こんなもんか。成長期だから大丈夫!


「じゃあ、これで登録は終わりよ!

受けたいクエストがあったら、私にもってきてね!

頑張って、エミルちゃん!」

「いやあの僕男……、はい。」


「どう?ちゃんと登録できた?」

「はい。ちゃんとできたかは微妙ですが、とりあえず。」

「そっか。じゃあ、宿を探そっか。」

「はい。」


こうしてメイドザムライは爆誕した。


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