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ネットサーフィンから始まる異世界生活  作者: ミネラル
一章 異世界の日々
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誘拐された日

固い。

振動すごい。


なんだこれ、あれ?俺、どこで寝てんだろ。


目が覚めて、最初に視界に入ったのは、自分を縛る枷だった。


木の枷は、どれだけ力を込めても外れる気配はない。

両手両足にしっかりとはまっている。

少なくとも5歳児に外せる物ではなさそうだ。


ヤバい、どうなってんだこれ。

こうなるまでの記憶がない。


落ち着こう。ゆっくり思い出すんだ。


俺は、迷子のフェニちゃんを連れて、協会みたいなところに行った。

フェニちゃんの母親を待っているうちに寝てしまった。

そこまではいい。


だが普通、こんな枷をつけられるまで熟睡するだろうか。

というかフェニちゃんは?

そうだ、フェニちゃん。彼女は何処へ行った。


辺りを見回す。

が、見えるのは木箱ばかりだ。

フェニちゃんのフの字も見つからない。


状況が分からない。

だが、けして安心できる結論は待ってないだろう。

これはあれか?誘拐ってやつなのか?


振り向くと布でできた幕がある。

出入口だろう。ならばこれは話に聞く馬車か何かか?

振動すごいし。


伝わる振動から結構なスピードが出ているのが分かる。

まずいな、このままだと家に帰れなくなるかもしれない。

何処まで来てしまったのだろうか。

とりあえず、枷壊すか。


俺は燃え盛る火の玉をイメージする。

だが、出そうとした瞬間、何かに不自然に魔力を散らされてしまった。


まぁそうだよな。ここはファンタジーな世界だ。

誰かを捕まえるのに魔法対策をしない訳がない。


手詰まり感が拭えない。

不安と焦りで自然と汗が出てきた。


諦めてたまるか。

確かに魔力は散らされる。

しかし身体の中から魔力が消えている訳ではない。

ならば。


やはりできた。

身体の中に魔法の流れを作ることは可能な様だ。


チャンスは一度。

誰かが俺を降ろそうとあの幕を開けたとき。

俺の全魔力で魔法を使う。

できなければ逃げることは出来なさそうだ。

まだ見ぬ誘拐犯を撃退して、


俺は家に帰る。


何処かに着いた様だ。

馬車が止まる。

誰かの話し声が聞こえてきた。

内容は聞き取れない。

布の幕に誰かの手が見えた。


いくぞ。

俺は身体中から吹き出す火炎をイメージする。

その身を炎で包み、全てを燃やし尽くす火の化身。

そんな姿を想像しながら、俺は心でこう叫ぶ。


『イグニオーラ‼』


母様の得意な火属性の上級魔法。

一度だけ見せてもらったそれを、俺は目に焼き付けていた。


身体中から紅蓮の炎が吹き出す。

木の枷を燃やし尽くし、馬車の中にも火をつけた。


膨大な熱量を込めた俺は、魔法によって高まった脚力をもって、

外へと飛び出す。


入り口にいた奴は吹き飛んだみたいだ。

応援を呼ばれる前に逃げよう。


俺は一目散に駆け出した。

走れ、走れ、走れ。

家に、帰るんだ。

母様と、新しい家族の待つあの家に。





どれくらい走っただろうか。

馬車はもう見えない。

魔力も底を尽きそうだ。


身を隠さなければ。

何処かに隠れなければ。

意識が朦朧としている。


あれは?


光が見えた気がした。

俺はそこで力尽きた。





「あら、お客様かしら。」

そこは古い洋館だった


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