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沖ノ浜の紛い者  作者: 指猿キササゲ
$2$ 終章
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会議室 #『塵芥』


    会議室 #『塵芥』


「報告は以上かね?」

「ええ、はい。まぁ」

 内田大樹は、『上』の人間の会議に出席していた。

 竹内宇智巴、折笠崖梨が両名ともに療養中とあって、今回の件に関わったグループの内、で『上』の尋問に出席できるパウエルは、内田大樹ただ一人だけだった。

『塵芥』(君のところ)の20番席、法華津穂高による自動車破損は、まぁ許せる範囲だ。だが『烏』の第3席、北池啓助による駅舎破壊……これは流石に、目を瞑るわけにはいかないな。規模が違いすぎる」

 お前らだって手伝ってたんだろうが、という突っ込みは避けておく。目上の人間に生意気な口を叩くのは、利口ではない。

「それで、『烏』に処分を与えると言うことですか?」

「それだけでは不十分だ。リスクアセスメントの観点から、広谷朱博は、3ヶ月間の停職、および監視処分、北池啓助は席を剥奪。その上で別のグループに取り込んで再度席を譲渡する」

 実質の『烏』解散か……まぁ、妥当な線だろう。竹内に、半ば洗脳されていた広谷や北池も、しばらく時間が経てば、冷静になるだろう。広谷が実質3ヶ月も軟禁というのは、他人の事ながら同情を禁じえない話であるが。

「では北池啓助は第3席ではなくなると言うことですか?」

「ああ、そうだ。『塵芥』の21番の席を譲渡する」

 五番内席から、北池が落ちたと言うことよりも、内田は逆の事の方が重要だった。

「法華津をどうするつもりですか?」

「なに。簡単なことだ。彼には新しく『烏』の第3席に着いてもらう」

 これには、流石の内田も驚いた。

「このたびの一件で、竹内が法華津にどのような事をしたかは、既に報告している筈です。リスク回避のためだと言うのなら、それはありえない話でしょう」

「言いたい事は分かる。可愛い後輩が自分の元から去るのは悲しいだろう。そこで、だ。『塵芥』の20番、明智美智子には、現在空席の『烏』の23番席と兼任してもらう。これなら問題あるまい」

 これはさらに驚きだった。いまだかつて、席の兼任など無かったのだから。

「明智の作業の割合が高くなりすぎませんか?」

「そこはパウエルがカバーしたまえ。なんのためのリーダーだ。そういうことで、よろしく頼むよ」

 それから内田の意見は許される事は無く、話は終わった。


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