表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
沖ノ浜の紛い者  作者: 指猿キササゲ
$1$ 本章
34/42

駐車場4 #『鍵』


    駐車場4 #『鍵』


 そろそろおっかない紛い者の戦いが終わっただろう、とタイミングを見計らって、春川は自動車の陰から這い出して、法華津をしとめた西川に近づく。

「こいつ『塵芥』に引き渡す手筈になってるんだ。ったく、内田さんが直々に説教だとさ……つか、俺どうしよ。肋骨折れてそう」

「救急車でも呼ぶか?」

 先輩殿が、おそろしく意地の悪い笑みを浮かべる。

「やめてくれ」

「ああ。手伝い業者のヤツらに頼もう」

 手伝い業者、というのは、『塵芥』や『鍵』といったグループの補助をする為の団体である。例えば、トワイライトホテルの一件で、法華津穂高をライトバンで輸送、及び運動エネルギーを吸収させたのも、彼ら手伝い業者である。

「しっかし、裏切った相手でも、見殺しにはできないなんて、甘いよ、こいつは」

 西川は、まるで後輩を心配するような視線を、年上の少年に向けていた。

 春川は、冷静に後のことを考える。一度敗北を知った法華津は、もう裏切ろうとは思わないだろう。そうなれば、北池にぶつける事ができるかもしれない。

「でも、人質のハッタリで、北池にぶつけることもできたんじゃね? 北池倒せば開放するぜ、とか言ってさ」

「バレたら面倒そうだろ。個人的な恨みとか買いそうで」

 まぁ、それもそうか。春川は納得した。

「さってと。俺は先に行くぜ」

 言って、西川が背を向ける。法華津の引渡しは俺一人でやれってか? 疑問に思いながら、春川は質問する。

「どこにだよ?」

 決まってんだろ、と西川は吐き捨てる。

「折笠のトコさ」

「折笠さん、どこにいるんだよ」

 俺知らねぇぞ、と春川は言うが、

「たぶん、竹内の所だろう。ま、場所を特定する方法はあるさ。なぁ春川。お前、どうやって法華津の位置を特定した?」

 ああ、なるほど。春川が納得するのと、西川が電話を掛けるのは同時だった。

「あ? もしもし? 内田さんすか? 明智さんいます?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ