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「想像と違ったなぁ。」



どうも再び魔王です。

今筋トレをやってました。

過去形です。疲れました。腹筋30回とか勘弁してください。


「なにやってるんです!ほら、あと25回!」

「死ぬぅもう無理いっそ殺してくれ!」


昨日勇者からメールが来ました。その内容は俺をぶっ飛ばしに来るという感じでした。

そこから俺は魔王のクセに自分で自分を守る術がないということに気がつき、今に至ります。


「まったく、そのひょろい体でよく魔王だなんて名乗れますね!」

「ひでぇなおい!反論できないけど…」


俺の筋トレのコーチをしているのは部下で悪魔のベルゼブブ。俺に辛辣なツッコミかましてた人(?)ですね。

この人、なんか竹刀持ってピシンピシンしてるんです。で、俺がちょっとサボろうとすると一本取ろうとしてるんです。怖い、部下怖い。


「ぜーはーぜーはー…じ、じゅっう!」

「…腹筋10回で30分も掛ける人初めて見ましたよ」

「ぜぇ、ぜぇ……本格的に死ぬ…」


ひょろい魔王って結構いるじゃないですか。そういう魔王って大体怪力の持ち主じゃないですか。でも俺は違う。

ひょろくて非力な魔王だぜ!!

…最低だな。


「ねーなにやってんの?」

「み…みてわかんだろ…腹筋……」

「そうだね。なんでやってんの?」

「そりゃ勇者ってのが来るから……」


あれ、ベルゼブブが固まってる。何があった。

…待て。俺今誰と喋った?


…………


「うおおおおおぉぉぉおぉ!!!!?」

「やっほー魔王さん。なんか思ったよりもここ近くて1日で着いちゃった。」


さあ皆さん。ついてきてますか?

勇者様のご登場です。


「魔王さんって案外普通の人間サイズなんだねー想像と違ったなぁ」

「ゆっゆゆゆ勇者様ですかっ!?」


バッと立ち上がって逃げる体制に入る。最初から戦う気なんてさらさらないよ。


「うん。なにー?その勇者様って丁寧だね。」

「いいいいいやっど、どういったご用件で…」

「君をぶっ潰しに」

「ヒィィィッ!!!」


ヤバいヤバいヤバい。この人笑ってるけど威圧感半端ない。こわこわこわ。

これじゃ勇者と魔王反対じゃないか?こんなへたれた勇者いない?どいつもこいつも俺を馬鹿にしやがって!


「べっベルゼブブ…ッ」

「………………」


フ リ ー ズ 。

俺に散々言っときながら気絶とか使えない奴め!給料下げてやる!


どうしよう。突然やってきた急展開。


「ねぇ、君ぶっ飛ばされたくない?」

「っ………!!」


ガクガクと首を縦に振る。いっそ殺せとか死にたいとか言ってたけどやっぱまだ生きたい。魔王が聞いて呆れるよな。こんな勇者に許しを請う魔王。

斬新。


「ね、友達になろうよ。君面白いから」

「…は?」

「メアドは、メール送ったから分かるよね。あ、LI○Eやってる?」


斬新。

魔王に友達になろうとか言い出す勇者。

新しいね。


「…そうだ、あの、なんで俺のメアド知ってたの?」

「え?ああ、ちょっとハッキング…ごほごほ、色々やってね。」


今ハッキングとか言わなかったか?

顔、顔が。勇者さんめっちゃ悪い顔してる今。


「じゃあこれから宜しく!僕帰るね。大丈夫、王にはテキトーに誤魔化しとくから!」

「ええっちょっ…待っ」


じ、自由人だなー!?

ふらりと現れてまたふらりと消えてしまった。

…ついてるのかついてないのか。

危機は逃れたものの、とんだ変人と友人になってしまった。


なんとも複雑な気持ちで勇者騒動は幕を閉じた。勇者との関係はまだ続きそうだけど。

取りあえず、これだけはいえる。

冒頭の俺の苦労はどうなるんだよ!!!





勇者と友達系魔王。

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