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第九話 誰か

「今日はいい経験になった?」

帰り際に花乃子が人志に話しかける。

「結局何で俺を連れてこさせた」

「あなたと遊びたかったから」

「お前らずっと1階にいただろうが...」

結局あの後、人志は本屋などで暇を潰した。

「だけど女子と遊ぶってのは初めてじゃないの?

「...まあそれは初めてだけど、遊んだことにはならないんじゃないか」

「一緒に出かけたことにはなるでしょ?」

...しぶといやつだ、と人志は思う。

だが...

彼女のおかげで、成長できたのも事実。

感謝しなければならないだろう。

「...ありがとうな、花乃子」

「何が?」

「...いや、なんでもない」

内容はあまり言いたくなかったらしい。


花乃子は今日の夜もまた反省していた。

「出かけたのはかなり良かったね...」

自分の選択があっていたので、特に後悔はしないことにする。

「明子ちゃんと話してたらしいし」

彼が本当に話したかどうかは知らないが、明子から直接話しは聞いた。

...彼とは普通に話せたと。

それが彼にとっての成長かどうかは不明だったが、先ほどの彼の発言でその想像は確信に変わった。

彼はどうやら、女と話すことができなかったらしい。

そして、彼は自分のおかげで女と話すことができたらしい。

もうそろそろ恋に落ちるのも...

「時間の問題、私の勝ちだ」

人志、育成完了。

もうそろそろ、自分の物になる...

花乃子はビジョンを想像するのが得意だった。


「...え、どうして」

人志達が駅から出てくるのを、偶然見かけた彼女がその場で声を漏らす。

「人志君...久しぶりだね」

彼女は笑ったが、目だけは真剣だった。


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