第十一話 争い?
その後、教頭先生に花乃子はもちろんのこと、なぜか人志まで怒られた。
「太鼓って持ち出しちゃダメだったのね…」
「なあ花乃子、お前バカだろ」
「へぇ…よく私をバカにできるじゃない、今の内に痛い目見るわ」
その"今の内"がまさか今日だとは、人志は考えもしなかった。
同じ時間、クラス内にて人志の席に群がる女子たちがいた。
「エロに興味がない男などいない!つまり!机の上にエロ本があったなら取るに違いない!!」
下ネタに定評のある海川が、兄の部屋から盗んできた週刊誌(袋とじ付き)を人志の机の上にドカンと置く。
「いやいや、人志君はそんなのより絶対CDだって!エッチな事なんかより、バンドの方に興味があるに決まってるわ!!」
CDショップで人志と話した明子も、自信満々に人志の机にCDを置く。
「あなた、アイドルグループが好きじゃないの?」
「バンドも最近聴いてるし!」
「人志君が女の子の事に興味があるのは確認済みよ?」
「体のことでしょうが!!それぐらい当然でしょ」
「だったらエロ本を取るんじゃない?」
「私が言いたいのはそういうのじゃなくて…心でというか」
「へぇ…じゃあどっちが先に取られるか、勝負よ!!」
「望むところだわ!!」




