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偏見と例の物(2)

これは前話の偏見と例の物(1)の続きです。


こちらをお読みになる場合は、先に

偏見と例の物(1)を先にお読み下さい。

現在、午後の4時50分。


俺は歩いて、俊一の指定した時計台へと向かっている。

俺の家から歩いて3分程の所に比較的大きな公園があるのだが、そこにそれはある。


何時も待ち合わせする場合はその時計台なので、この道を歩くのももう慣れた。


俺の場合、俊一の家の前を通って行くから、いつもは俊一と一緒に行くのだが、

今日はその前に外で用事があるとか何とかで、一緒には行けないとの事だ。

零奈は違う道を通った方が早く着くらしいので一緒には行かない。


一人だとこの歩いている数分間少し暇だけど、あと数秒で着くから苦にはならないな。


・・・・公園に到着。

腕時計を見ると、4時52分と指されている。


うむ、やはり待ち合わせしているなら、これくらいには来なければな。


時計台は、この大きめの公園の中央にあるので、もう少し歩かなければならないが

もう遅れる事は何があってもないだろう。


さて、もう少しだ。



数分後、時計台の前に着いた俺。

まだ誰もいない。


と思いきや、時計台の影に誰かがいるのが見えた。


俊一だ。

しかも、何故か妙な格好でしゃがんでいる。


「よう、何やってるんだ」




「知樹か。

 これはだな。

 俺の『我流拳法(名前募集中)』第6の構えで、地中から攻めて来る敵用の構えだ」

 

「誰が、地中から攻めて来るんだよ!?」





しかも、我流で名前募集中て・・・。





「いや、今日は知樹が何処から来るかと言う疑問が浮かんだ瞬間、即座に地中から来ると言う

 結論が出たのだ」


「何処からその結論が出るんだよっ!?

 それに即座!?

 迷い無く地中から来るのか!?」





「ならば対空迎撃用の第5の構えで迎えるべきだったか」


「変える所違うだろっ!!」





そして、更に数分後。。。






「ならば、敵の4次元からの攻撃用の第・・・」


未だに、構えの話をやめる気配の無い俊一。

そこへ、人影が現れる。

今日の零奈は珍しく俺を救ってくれたようだ。

本人は、そんな事知る由もないけど。


「おまたせ」


「お、零奈」


「紫城か・・・」


零奈が到着した。


「またアホな事やってるの??

 変な格好して」


「む・・・いや、これは物理学的に完璧に考えられた構えであり決して・・・」


「もう、それはいいから、行くぞ!!」



「焦るな、構えの説明が終わったら、すぐにでも技の説明に移ってやる」



「そうじゃねぇよ!!」


「・・・まあいい、話は後だ」


「??・・・良く分からないけど、分かったわ」


この話が微妙に噛み合ってない三人組が、今から向うのは、カラオケだ。

ちょっとベタかもしれないが、俺たちがやるカラオケは

飲み物飲んで、食い物食って、ワイワイやるというような甘いものではない。


俺たちが行うのは、一人三回歌って、合計点数が一番高かった奴が勝ちという、シビアなゲーム。


さらに最下位の奴はその日、他の二名を家に泊めなければならないと言う罰ゲーム付きだ。

まあ誰の家族も、もう知り合って長いからあまり気にはならないとは思うが。


ちなみに、過去の成績は、俺が全敗。

正直今回も勝てる気はあまりしない。


お、説明している内に到着したようだ。


そして、部屋に入る。


「それでは、まず俺様が華麗に一曲を披露しようではないか」


と、俊一が早速歌いだす。


流れ出したのは、俺達のようなナウい高校生が知ってるはずの無い、80年代の洋楽ロックだ。


渋い、渋すぎるぞ俊一。


そして、今時ナウいなどという言葉を使っている俺、ダサい、ダサすぎる。



・・・因みに俊一は英語が無茶苦茶巧い、というかペラペラ。

発音もネイティブ並のナチュラルさだ。

ここまで来ると、某ネコ型ロボットより非の打ち所がない。


そして歌い終わり、点数は・・・92点。

むむっ、やるな。。。


「・・・まあまあだな」


俊一が呟く。


「これで、まあまあかよ・・・。

 腕をあげたな、俊一。


「当然だ」


「それじゃあ次、私が歌うわ」


次は零奈か。


「え〜と、それじゃあこれで」


流れ出したのは、またもや古めの洋楽。

違う所はダンスポップであることだけだ。


お前ら本当に日本人かよ!?

・・・・零奈はクォーターだが。。。


と、突っ込みつつも、、、巧いな零奈も。

これは、まずい・・・・。


結果、、、90点。


「ふう、疲れた」


や、ヤヴァイ、、、負けたかもしれない。

二人が高レベルすぎる。


「どうした、俊一。

 負けを認めるか??」


「い、いや!

 まだ、負けてない」


俺は十八番である、ちょっと前に流行った曲選んだ。

もちろん邦楽だ、俺は英語とか無理だから。


しかし、勝てるか??

いや、待て所詮はカラオケの採点機能だ。

勢いで歌えば点数はでる。

いや、むしろ勢いだけの方がいいかもしれない。


やってやるぜ!!!





と、まぁ、散々自己暗示をかけた割には――――結果85点。


「チッ・・・・だが、まだまだぁ!!」


それから数十分後・・・。




「・・・・ぎょ、玉砕・・・・・。」


俺の声がマイクから響き渡った。




最終結果


俺、合計点数 261


俊一、合計点数 279


零奈、合計点数 275




「これからは俺が帝王だな」


「あと、四点かぁ〜〜」


「も、燃え尽きた・・・・・」


上から、俊一、零奈、俺のコメント。


「か、勝てねぇ」


マジでそう思う。

この二人何かがおかしい。

と言うか、全てが。


「さて、それじゃあ、これから遊びで数曲歌って知樹の家へ行くか」


「・・・あいよ」


カラオケボックスから出て俺の家に着いたのは、午後8時。


コイツらが家に着いてからがこのイベントの本当の始まりと知っていた俺の気持ちは

かなり落ち込んでいたし、身体的にもヘロヘロだ。


「それじゃ、お邪魔する」


「私も」


本当にお邪魔しそうで怖いな。


「あいあい。

 いらっしゃいませ〜・・・・」


「やり直しだ。

 客への対応はしっかりしないと生きていけないぞ」


「いや、お前ら客かよ!?」


「一応客人だが??」


「いらっしゃいませっ!!」


これでいいんだろっ!!


「うむ、よろしいやれば出来るじゃないか」


・・・ここは、抑えろ俺。



「とりあえず、俺風呂の準備してくるから。

 頼むから何もやるなよ??」


「「了解」」


この二人本当だろうな。。。


二人を信じて風呂場を洗いに行った。


5分後。。。


湯を入れて帰ってきた俺に零奈が言う。


「うわ〜、また、変な物置いてあるわね」


「早速あんた等家の中調べまわってるんかい。

 そんな、頻繁に変わるかよ」


「そうなんだけど・・・。

 じゃあ、これは??」


零奈が手に持っているのは、俺の馬鹿親父が何処かの国から送ってきた

古そうな鏡。


飾ってあると言うか、結構高く売れそうだから何処かの骨董品屋かなんかで売り飛ばしてやろうとか思ってたものだ。


高値で売れたら、結構美味しいからな。


「、、、、親父からだ」


「やっぱり、変わってるわね。

 親子揃って」


「うるさい。

 変わってるのは、俺の親父であって俺じゃ無い。

 もう一度言う。

 変わってるのは、俺じゃなく『パリーンッ!』 ・・・・・て?

 おぁぁぁぁ!!」





「あ、割れちゃった」


「割れたんじゃねぇ!!

 お前が落としたんだろうが!!」




コイツ・・・落としやがった・・・。

ああ、、、金目の物が・・・。



「割れたのだよ、知樹君。

 と、いう訳で、正解者の紫城に

 スーパーひとしくん差しあg「うるせぇ!!!」『ドゴッ!!』・・・ぐはっ」



殴ったぜ、訳の分からん事言った俊一を。

零奈も同じような事をしたが、乙女の顔に傷を付けると後が怖いからやらないのだ。

これは、逃げたのではない、これは戦略的撤退と言うのだ。


「さら・・に・・・腕を・・・上げたか・・・ガクッ・・・」





PM 8時32分 滝野 俊一 ボッシュート。





ってか、ガクって口で言うなっての。





・・・後ろで笑っている声も気になるし。


「お〜い、よろしいですか〜?」


「っ・・・ごっ、、、ごめん、ちょっと笑えちゃって・・・」


「ハァ、、、ちょっとは反省してくれよ」


「ごめんごめん、鏡の破片は片付けるから・・・」


「ほんと、頼むわ・・・」


何時もどおり。

ホントに良い事無しだ。


数分後・・・。


「ふむ、そろそろ風呂も沸く頃だけど、零奈、先に風呂入るだろ??」


「うん、片付け終わったし、入ってくる」


「あいよ」


零奈が、風呂場の方へ入っていく。


ちなみに覗くなんて自殺行為はしない。

誰だって、自分の身の安全が大事だからな。


さて、この床で寝ている馬鹿一匹をどうするか・・・。

取り合えず、ソファーにでも運んでやるか。


俺って優しい。。。


と、俺が自惚れながら、俺がこの大きい体を持ち上げようとした時・・・。


ガバッと俺の方へ拳が向ってくる。

それは、寝ていた俊一の方から飛んでくる様に見える。

というか、そこから飛んできた。


「うおっ!!」


間一髪で、避け切る俺。





「フフフッ!!見たか!!これぞっ!!

 『我流拳法(名前募集中)』奇襲攻撃用第3の構えっ『ドゴッ!!』・・・・かはっ!」





PM 8時40分 滝野 俊一 再びボッシュート。





「そこで寝とけっ!!!」





油断も、隙も無いなコイツは・・・。


これで今日、コイツは一晩中床で過ごす事決定だな。


ウンウンと俺が頷いていると後ろから声が聞こえた。




「また、何かあったの??」




「ああ、また俊一が・・・なっ!!!」


俺が振り向き様に言ったセリフは零奈の[バスタオルで体を包んでいるだけ]という

格好を見たおかげで、最後まで言えなかった。


なにせ、予想もしてなかったのだ。

しかも、容姿美麗、スタイル良しの美女がそんな格好で立ってたら。。。

いくら幼馴染でも仕方が無いだろ??



「ふぅ〜ん、やっぱり知樹もこういうのには弱いんだ。

 顔赤いよ??大丈夫??」


「・・・大丈夫じゃ、、、いや・・・大丈夫だけど、何??」


俺は背を向けて、零奈に言葉を返す。


「ホント?ならいいんだけど、着替え二階に置いてきちゃったから。

 こんな格好でここにいる訳なんだけど」


一応、零奈は女性なので、彼女用の部屋を二階に用意している。

彼女用の部屋と言っても、使うのは寝る時か着替える時だけだが。


「なら、早くとりに行けよ・・・」


「はいはい・・・・。

 あ、私、今日はもう疲れたから寝るね。

 おやすみ」


「ああ、おやすみ」


階段を上る軽快な足音が徐々に小さくなっては消えた。

零奈は二階へ行ったみたいだ。


俺はソファーに座り、床で寝ている俊一を見てため息をつく。


本当に、俊一といい零奈といい、もう少し分かってくれないかな。

俺の苦労を分かち合える友を持ちたいよ俺は。


さて、今日は特別疲れたし。

水でも一杯飲んで寝る事にしよう。。。








え〜、久しぶりの更新でございます。


色々忙しくてですね、ネタが思いついても、家に帰ってきたら忘れてた、みたいな事が結構あるので

一話書き終えるのにも苦労します。


まあ、自分の見苦しい言い訳は置いといて。。。


今回、途中からカラオケ大会が

始まってしまいましたが、曲はもちろん全て私のフィーリングで決めました。


本当に高校生らしからぬ、選曲。

キャラ設定は、全員洋楽好きという設定にしましょうか。(爆)


え〜それでは、次回予告ですが、

次はいよいよ新たな登場人物が出て来る予定です。

ただ、一発屋で終わる可能性が

あるのが問題です。(汗


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