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事件 ~後編~

あぁ、暇だ。

やる事が無さ過ぎて暇だ。


ったく大袈裟って言うか何ていうか。

傷口が塞がるまで入院とか、面倒くさい事この上ない。


俺は今、家の近所にある比較的大き目の病院の一室にいて、白色の天井を見つめながらそんな事を思っていた。

まぁ、昨日の事件が原因なんだけど、気は失ったけど脇腹を掠っただけなんだぜ?

大層に腹巻みたいに包帯なんかまいちゃってるしさ。


・・・いや、俺が大袈裟に気絶なんかしなけりゃ良かったのか。


「大袈裟だよ、まったく、どいつもこいつも」






俺が独り言を呟くと同時に『ガラガラッ・・・』と唐突に部屋の扉が開いた。

ノックもしないって事は、看護師じゃないよな。


俺はまだ少し痛む脇腹に、気を使いつつ起き上がった。

それでも尚痛む脇腹に顔をしかめざるを得ない。




起き上がると、俊一、零奈、涼、冬香の4人がベッドの傍に立っていた。

全員が制服姿である所を見ると、学校帰りに寄ってくれたんだろう。


「脇腹の調子はどうだ?」


俊一は大袈裟に気絶をした事に対して皮肉っぽく俺に聞いてくる。


「あぁ、お陰さまで明日には退院だってさ。

 ったく、二日だけ入院するくらいなら今日にだって帰らせてくれりゃ良いのにな」


「そう、それはそれは良かったわ・・・ねっ!」


零奈が俺の怪我した部分をグリグリと拳で押さえつけてきた。


「痛ぇっ!!!

 おいっ零奈っ、冗談でも止めろっ!

 一応銃で撃たれたんだぞっ!?」


「ふんっ!

 大袈裟に気絶なんてした罰よっ・・・」


零奈が怒った様な素振りでそっぽを向く。


「おいおい、一応命がけで助けたんだしさ~」



「別に助けてなんて頼んでないもの」


こ、こいつぅ~~~・・・・。

何で怒られてるのかすら、理解できないっての。


「おいおい、何で怒ってるんだよ?」


俺のその疑問に対しては、俺達のトークの間から割り込むように涼が口を開いてきた。


「まぁまぁ知樹。

 零奈ちゃんはさ、本気で心配してたんだぜ?

 お前が気絶した時なんかはマジで大泣――――」


「アンタは余計な事いうなっ!!」


『ドゴッ!!!』


割り込むどころか、完全に遮断するカタチでの見事なまでの右ストレートが涼の腹部に直撃。

一瞬にして涼は床にダウンした。


「ぐほっ!?

 う・・・何で俺がっ・・・・冬香ちゃん助けて・・・」


涼が冬香に助けを求めると、冬香はその場にしゃがみ込んで涼に一言こう言い放った。






「・・・・このまま入院する・・・・?」


「心配してくれないんかいっ!」



お、涼が回復した。


「相変わらずの回復の早さだなぁ、おい。

 俺にも分けて欲しいよ」




「ふふふ、回復が早くないとドMは語れ・・・・って何言わすんじゃいっ!!」


「お前が勝手に言っただけだろ」


「ノリツッコミの受け流しとは・・・知樹も銃で撃たれて成長したようだな・・・!」


「なんじゃそら」


まぁいいや涼は放って置いて・・・。


「零奈・・・サンキューな、心配してくれてさ」


零奈の顔を見ると、徐々に顔が赤くなっていくのが分った。


「だ、だから別に心配なんてしてないの!」


「あははっ!照れ隠しが下手すぎだよ、零奈は」




顔を真っ赤にする零奈を皆が大声で笑った。

そんな雰囲気のまま、俺達の話し声は暗くなるまで続いた。



昨日の事件の事や、昨日の誘拐グループが朝のニュースでやっていた強盗グループと同一犯だった事。

またそれを捕まえた高校生として近い内にテレビ番組や地元新聞の取材が来る事等。

どうやら終了式までにも結構忙しくなりそうだ。









さて、晩飯時になると皆は家に帰り、そうなるとまた暇な時間がやって来る訳だ。


晩飯を食べて、シャワーも浴びて、携帯電話でテレビを見たりなんかもして。

ありとあらゆる暇つぶしを行い、試行錯誤をしているところで携帯電話にメールが届いた。



誰か忘れもんでもしたか?



そんな事を思いながらメールを見ると、送り主はニーナだった。

どうやら今から仕事を終えて、こっちに向かう所らしい。


こっちに来るって言ったって、もう面会時間ギリギリだぞ?

その事を伝えようと、メールを打ち始めると俺の目の前に黒影が現れた。

それも何の前触れもなく。


「わっ!!」


「!?っ!痛ててっ・・・!!」


俺の目の前に急に現れたのはニーナだった。

驚いた俺は腹部に無駄な力を入れてしまい、撃たれた箇所の痛みに顔を歪めた。




「わっ・・・・ごめんごめんっ!!

 大丈夫っ!?」


ニーナは俺の痛がる姿に、逆に驚いた様子で俺の傷をさすった。


「ったくも~~~~っ!!

 今から来るって、早すぎだろっ!」


「えへへ、ちょっとしたドッキリ?」




聞くな。





「でも結局お前が一番ビックリしてたじゃねぇか」


「ふふふ、結果オーライってヤツだね」


自信満々に覚えたての日本語を使ってくるニーナ。


「使い方間違ってるから、それ」


「そうなの?」


キョトンとしながら首を傾げる。


「明日家に帰ったら教えてやるよ」


「うん、でもさ~、最初はビックリしちゃったよ~。

 急に気絶するんだもん」


「それは素直に謝るわ、ごめん。

 でも結構痛かったんだぞ、アレでも」


「あはは、私なんて号泣しちゃって声が出なかったもん」


泣いていた事が想像できないほどの明るい笑顔でそう言うニーナ。

確かに感情は豊かそう、ってか豊かだもんなぁニーナは。


「おいおい、泣くほどでもないだろっ」


「それ位、愛してるって事っ」


「あ~・・・・へいへい、ありがとな」


「ど~いたしまして」







「「・・・・・・」」







う、何か変な沈黙。






「あっ、そう言えばね。

 私がトモと再開した時の宣言覚えてる?」


本当に今さっき思い出したようにニーナが俺に聞いてきた。


「宣言?

 あ~、あの俺が一年生の間に好きだって言わせるってやつか?」


一応覚えてた。

結構印象にのこってたし。


「そうそう、それっ!

 あれね、ちょっと無期限に延期するね」


「へぇ?

 またどうして急に?」


「だってさ~、どうしても間に合わないと思うもん」




「軽っ!?」


あの時のシリアスな雰囲気は何処へっ!?




「それにっ!」


俺の心の中のツッコミに対して訂正を求めるように、ニーナは言い放った。


「それに?」








「私よりも・・・早く泣いてた人がいたんだよね。

 だからちょっと難しいかなって」







「は?

 早く泣いてたって・・・・??」


「も~っ。

 この鈍感っ。

 トモを好きになる子は大変だね、きっと・・・・」






「へ?

 何その人を蔑むような目はっ!?」


「教えてあ~げないっ。

 じゃ、もう面会時間お終いだから、明日は一人で帰ってきてね~」


ニーナは困る俺を見ながらニッコリ微笑むと、部屋の扉を開け手をヒラヒラさせてから扉を閉めた。




何か今日は理不尽に怒られてる様な気がする。。。





しっかし、昨日と今日で色々ありすぎた。

何も無い俺の人生にゃちょっと刺激が強すぎたかもな。

疲れた寝よう。







長文をお読みいただきありがとう御座いました。

この小説には珍しく規模が大きめの話だったので、書いてて心配になってたんですがね、なんとか書き終える事ができました。


まぁコメディらしく恋の行方は不安定な感じでね~。

そう言えば今回初めてニーナは零奈の気持ちに気が付いたんですよね。

この恋が実るのは何時の事になることやら。


さて、私の活動報告でも書きましたが、いよいよ次が最終話で御座います。

今回が59話で、次回の第60話ですね、区切りが良いです。

まだまだお別れは言いませんよ。

次回をお楽しみにっ!!




↓は私のブログ『U日和』

もはや小説は全く関係の無い内容で、不定期更新中。


http://u0831.blog89.fc2.com/



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